表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
我は神の子  作者: 横山
PR
9/16

9

 本殿から繋がる神域の境内ではない、人間が境内と呼ぶ場所は結構広い。祭りの旗を立てる石の台に隠れていたのだが頭にいつきが降り立った。

「わーかさーま見っけ!」

 しまった!いつきとはちやが鬼の時は上から探される事を考えに入れておくべきだった。

「そろそろ暗くなってきたので終わりにしません?」

 祭りの終わった夕暮れ、さっきまでここに溢れていた人達は下の公民館で宴会中だ。あかねがいるので今年は宴会に混じる事は禁止され、延々とかくれんぼを続けていたのだが、確かに薄暗くなってきたしこれから真っ暗になるのにそうかからないだろう。

「そうじゃな、戻るか」

 神社の木に他の者の場所を尋ね、全員を見つけたのちそろって本殿をくぐった。


「では、我らはこれで」

「長く付き合わせて悪かったね」

 父の労いの言葉に頭を下げて散って行く神使達。祭りも終わりで瞬く間だった。祖父も封じられている山へと戻り、いつもと変わらないはずなのにいやに寂しく感じられた。

 一緒に見送った母の裾をぎゅうと掴むと頭を撫でられた。

「またすぐに会えますよ」

「うん」

 そうだ、近いうちに出雲へ行くんだもの、とても賑やかで楽しいはずだ。少し嬉しくなってきた。

「あのな、去年さく叔母様から頂いた種が芽吹いたから、今年は坊が種を渡そうと思うんじゃ。どんな種が良いか母様(ははさま)も一緒に考えてくださらんか?」

「なら、明日は共に山を歩きましょうか」

「うん!」

「おや、父は除け者か?この山を一等詳しいというのに」

 母とのやりとりを見ていた父が口を挟んできた。しかし、父には頼めないのだ。

父様(ててさま)が関わったと知ったらさく叔母様の機嫌が悪くなるからダメじゃ。それに明日は善博(よしひろ)達と祭り後の打ち合わせでお忙しいのじゃろ?」

 母の妹のさく叔母は父にだけ何故かあたりがきつい。坊達には優しいのに不思議な事だ。

 従兄弟達に会えるのも楽しみだ、また昔語りを聞かせてもらおう。

 目付役はおそらくいつきだからこっそり抜け出して外を見に行けるかもしれない。

 未だ訪れない先の事を思い坊の胸は高鳴った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ