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普通の大学生がDWバースの世界にトリップしたら、速攻で探偵に運命の番認定されました【 BL・R15版】  作者: 鳴神楓


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2.異世界転移⁈

「……は?」


 思わず間抜けな声をあげてしまったが、それも仕方がないと思う。

 だって、普通に道を歩いていたら、突然目の前がアルファベット混じりの黒と緑のモザイク模様で覆われたのだから。


「え、何これ?!」


 モザイク模様は顔の前だけじゃなくて僕の体全体を覆っている。

 どうなってるんだと周りを見回したけど、周りを歩いている他の人達は誰一人そんなおかしなことになっていないし、それどころかこんな異常な状態になっている僕が見えていないかのような自然な様子で隣を通り過ぎていく。


「ちょ、なんなのこれ」


 わけがわからず手足をバタバタと振ってみるが、モザイク模様は消えない。

 そう言えばこのデジタルなモザイク模様、この前見たSF映画でアンドロイドがテレポートする時に出てたエフェクトに似ている、と思ったところで、モザイクの向こうの景色がぱっと変わった。


 ────────────


 モザイクの向こうに見える景色は、さっきまで歩いていたはずの住宅街とは大違いの、ビルが立ち並ぶ繁華街の中の公園みたいなところだった。

 キョロキョロと周りを見回すと見たことのある銅像が目に入る。


「え、これハチ公? ってことは渋谷?」


 ここが本当に渋谷なら、都内は都内だけどさっきいた場所からは何駅も離れたところだ。


(ま、まさか、テレポートした? 嘘だろ?)


 慌てふためいているうちに、目の前のモザイクが薄くなってきて、それと同時に周りの人たちの姿が見えるようになってきた。

 昼間のハチ公前には多くの人がいて、その人たちがみんな、僕の方を見てびっくりしている。


「おい、なんだこいつ、いきなりでてきたぞ!」

「異世界転移だ! 異世界人だ! すげー、録画録画!」

「DかWどっちだ?」

「馬鹿、あの低身長と間抜けな顔はWに決まってるだろ」

「早く警察に電話しないと!」


 周りの人たちは大騒ぎで、僕を指差して叫んだりスマホを向けて勝手に動画を撮ったりしている。

 なんか悪口っぽいことも言われてるけど、それ以上に聞き捨てならない言葉があって、僕は目に付いた人の良さそうなおばちゃんに声をかける。


「あ、あのすみません。

 異世界って、どういうことでしょうか。

 ここ、渋谷……日本の渋谷じゃないんですか?」

「あ、ええ、渋谷は渋谷なんだけど……。

 あなたが知ってる渋谷とは違う世界の渋谷というか……」

「ち、違う世界ってどういうことですか?」

「ええっと、その、待ってね。

 もうちょっとしたら警察が来ると思うから、そうしたらちゃんと説明してもらえるから……」


 おばちゃんは申し訳なさそうにそう言ったが、その表情はなんだか僕に同情しているようだ。


(同情されてるってことは、周りの人やおばちゃんが言ってるように、本当に異世界に迷い込んだのか?

 けどここ、異世界っていうけど、どう見ても渋谷だよな?

 周りの人も完全に日本人だし、服装も普通だし……。)


 僕が困惑していると、ふいに向こうから「通してください!」という声がして、人ごみをかき分けて誰かがこちらへやって来た。


「見つけた……」


 やって来た男性は僕の目の前に立つと、なぜか感極まった様子でそうつぶやいた。

 痩せ型で背の高い、ひょろっとした男は、青白い顔をしていて酷く不健康そうだ。

 そのくせ、オーラというか存在感というのか、政治家や人気俳優が持っているみたいな独特の雰囲気があって、そのプラスとマイナスを合わせ持つちょっと異様な様子に、僕は思わずあとずさる。


 それなのに、男は僕があとずさった分、一歩踏み込んできて、そして僕の両手を取ってしっかりと握りしめるとこう言った。


「やっと見つけた。

 僕のW、運命の人」


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