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吸血少女ののんびり気ままなゲームライフ  作者: 月輪林檎
吸血少女と邪神?

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自分の役割

 超新星爆発が終わると、皇帝の姿見えた。変わらずその場にいる皇帝に私達は武器を構えている。皇帝はすぐには動かなかった。ソルさんが鳴神で雷の斬撃を飛ばすと、皇帝の手前で攻撃が止まる。ただし、それは障壁じゃない。


「何か変な感じが」

「うん。そうだね。不用意に接近戦に持ち込むのは得策じゃないと思う」

「じゃあ」


 リリィルーナは、ブラックホールを皇帝の傍に作り出す。ブラックホールの圧力が皇帝に襲い掛かるかと思いきや、すぐに消されていた。

 続いて、恒星の炎や巨大隕石も全てが無力化されていく。私も全ての属性による遠距離攻撃や【混沌熱線】、血液兵の突撃などを試してみたけど、その全てが壊された。

 本当に不用意に近づくのはよくないという事が分かる。下手に近づいて大ダメージを負う事になれば、今後に響く。私の【夜霧の執行者】を使用されるのも問題だ。


『貴様等には地獄も生ぬるい』


 皇帝が口を開いたと思いきや、唐突にそんな事を言い出した。まぁ、私は地獄の刑罰を受ける事はないから、生ぬるいのは事実だ。それより下になるかもしれない冥府もそこの持ち主と知り合いだし、割と死後の刑罰とか世界に関して言えば、生ぬるい世界になるかもしれない。


『この世から完全に消し去ってくれる!!』


 皇帝はそう言って、天に手を掲げる。皇帝の手から七色の光が天に向かって流れていった。それを見たリリィルーナが、即座に隕石を降らせる。

 しかし、その隕石も七色の光によって破壊される。七色の光は空に上がっていき、一定の高度で止まると横に広がっていった。世界の侵蝕かと思って空に上がろうとしたら、その横の広がりも止まる。


「何でしょうか……?」

「分からないけど……もしかしたら、別空間に繋げているのかも」

「それって……私突っ込んで来ます」

「えっ!? ハクちゃん!?」


 あれが別の空間に繋がっているものなら、あの向こうにあるのは、皇帝に力を貸している異神の世界である可能性が高い。だから、あそこに入り込んでいつも通り力を奪えば、皇帝を倒しやすくなるかもしれない。

 クトゥルフのおかげで、下に力は集中しない。しかも、クトゥルフ自体が相手にデバフを掛けてくれる。だから、後はあそこの力を奪えば攻撃が届かない障壁などを全部解決出来るかもしれない。

 これを試さない理由はなかった。ソルさんがこっちにいるから安心して任せられるというのも大きい。一気に加速した私は皇帝が作り出している七色の謎の広がりに突っ込んだ。

 すると、抜けた先は空ではなく、様々な色がマーブル模様のように混ざり合っている絶妙に気分を悪くする空間だった。


「異神は……いない? 力の供給源って……だ……け……」


 異神がいないから、ただの力の供給源かと思って周囲を改めて見回していると、とある違和感に気付いた。その違和感とは、どこまでも続くような遠近感のない世界に唯一遠近の差が分かるようなものがあった事だ。


「何だろう……?」


 ゆっくりとそれがある方向に向かって行く。胸の中でも皆がざわめかないし、特に大きな問題がある場所ではないと思う。近づいて行った先にあったのは、七色の大きな球体だった。運動会で使う大玉のような大きさをした球体は、周囲の空間とは色の動きが異なっているために、遠近の差が何となく分かるようになっていたみたいだ。


「異神じゃない……力の塊……ううん。それとも微妙に違う。力の塊ではあるけど、それだけじゃない。何だろう……?」


『起源』


 その声は私の胸からではなく、背後からした。そこにいたのは、さっきまで姿がなかったナイアルラトホテプだった。


「ここに入るのを狙っていたの?」


『肯定』


 ここまで隠れていたのは、この空間に入り込む方法を探すためだったみたい。皇帝が自ら開いてくれたから、私に続いて入って来たという感じだと思う。


「起源って……異神の起源?」


『肯定』『全て』『誕生』


 ここから異神は生まれた。いや、正確には純色が生まれて、純色が他の異神を生んだという方が正しいはず。

 ただ、全ての起源というのは間違っていない。ここから異神は始まったという事だから。


「ここにいた異神もいなくなってる。つまり、これは力の抜け殻という事?」


『否定』『力』『源流』


 一応、力はここから生まれているのは変わりないらしい。ここの主はいなくなっても力は生まれ続ける。その力を皇帝は引きずり下ろそうとしている。

 皇帝の目論見が分かったので、私がやるべきことが定まった。それは、これまでの異神との戦いでも変わりないこと。この世界の力を奪い、相手に力の補給をさせないということだ。


「これには密度がある。だから、直接噛み付けるはず。ここの力を奪って、次に繋げよう」


 私はこの球体に噛み付いた。まるでビー玉のような硬さがある球体に魔力で出来た牙を押し込む。同時に強烈な力が私の中へと流れ込んで来る。四色の指輪がなければ、本当に耐えられるか分からないレベルの力の奔流だ。様々な感情を誘発させるような感覚が広がり、若干気分は悪いが、大きな問題はない。

 そう。力を飲み込む事に大きな問題は一切ない。問題なのは力を吸い取りきるのに時間が掛かりそうという点だ。球体に含まれる力の総量が多すぎる。それに対して私が開けた穴は小さい。本来であれば、大型ドリルをぶっ刺したような穴なのだけど、それを地球に対してやったら、蚊に刺されたようなものだろう。

 だから、私は赫夜刀を突き刺す。牙と赫夜刀の同時吸収。これにより吸収する時間を短く出来る。ソルさん達の無事を信じながら、私は私のやるべき事を続けていく。

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