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吸血少女ののんびり気ままなゲームライフ  作者: 月輪林檎
吸血少女と邪神?

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リリィルーナが思い出した記憶

 フレ姉が純色の黄を倒したところを確認して、私はソラをギルドエリアに帰して、スノウの上にフレ姉とアーサーさんと乗る。


「フレ姉、ありがとう」

「おう。正直、予想外が多かったけどな。ハクは、純色の黄の報酬は貰えたのか?」

「ううん。一つも手に入らなかった」

「結局討伐報酬じゃなくてクリア報酬だしな。そこら辺は仕方ねぇか。ゲルダを向こうに置いてきてる。迎えに行って良いか?」

「良いよ。お母さん達は先に戻ってください。向こうの様子が心配ですから」

「分かったわ……」


 ニュクスさん達神様は先に小屋に戻って貰う。全ての純色を倒した以上、ここからは皇帝との戦いへの準備になる。もしかしたら、リリィルーナがいるあの小屋に何かが起こるかもしれない。

 アテナさんがいると言っても、戦力は多い方が良いのは変わらないだろう。私、アーサーさん、フレ姉は、スノウに乗ってゲルちゃんを迎えに行った。悪魔と天使達も戻って貰っている。アスタロトだけはレメゲトンに入れてあるけど。


「全部の純色を倒したから、何か大きな変化が生まれると思ったけど、そんな事もない?」

「その何かしらの変化を感じられるとしたら、ハクだけだろ。何か感じないのか?」

「う~ん…………何だろう? 特には感じない。だから、お母さん達に戻って貰ったわけだし」

「そうか。なら、皇帝に力が戻るのは、もう少し時間が掛かるんだろ。何か些細な違和感も見逃さないようにな」

「うん」


 ここから皇帝の復活までは、どのくらい掛かるか分からない。リリィルーナの話も聞きたいし、ゲルちゃんを乗せたら、真っ直ぐ帰る事にしよう。そもそも皇帝の居場所を知っているナイアルラトホテプが何もしていないわけだし、今は焦る必要もないはず。

 ゲルちゃんを拾い、小屋の領域に帰ってくると、リリィルーナが迎えてくれた。でも、それは喜びの迎えじゃない。何故ならリリィルーナの表情には焦りにも似た何かがあったからだ。


「リリィルーナ、どうしたの?」

「ハク……! あ、危ないかも……」

「皇帝が?」


 これまえでストーリーの流れやリリィルーナの事情から考えて、皇帝に関する事と判断するのが普通だ。だから、真っ先にそっち方面かの確認をする。


「うん……あの……ハクの中にいる邪神? それとは別に何か色々としていたのを思い出したの。正直、そこまでちゃんと見てないし、調べてもいないんだけど……」

「具体的なところは分かる? 断片でも良いよ。断片を繋ぐのが得意……な……アク姉どこいった?」

「ん? あそこだな」


 アク姉を探していたら、フレ姉が先に見つけてくれた。少し離れたところからアク姉が走ってきているのが分かる。どうやら周辺の確認をしてくれていたらしい。


「ハクちゃん! 呼んだ!?」


 アク姉が私を抱きしめてくる。


「呼んだ。リリィルーナの記憶が断片的で、どこまで正確に思い出せるか分からないから、アク姉に繋げて貰いたいの」

「オッケー」


 滅茶苦茶軽く請け負うアク姉にリリィルーナがちょっとだけ唖然としている。こんな感じだけど、普通にやる事はやる姉だから問題ない。


「えっと……何か薬みたいなのを作ってた。自分で飲む用じゃないと思う。囚人って言葉が聞こえたから。後は……身体をなんちゃらって。大臣と話してた。もしかしたら、異神の力の他に色々と何かしてるかも……」


 皇帝のしている事がしている事だけに、若干の不気味さがある。リリィルーナが警戒するのも無理はない。

 私としても何か嫌な事をしていそうだと思うし、警戒はした方が良さそうだと判断出来る。だから、後はアク姉が何と言うかだ。


「う~ん……囚人……身体を……断片過ぎて確証はないけど、シュブ=ニグラスを利用した兵の増強とかかな。薬もシュブ=ニグラスから作ったものの可能性があるし、一概に邪神関係じゃないとは言えないかな。その後の囚人とかがどうなったのかが分かれば、もう少し分かる気がするけど……それは覚えていない?」

「うん……」

「そっか……それだと、皇帝の強化のために使ったのか、兵を強くするために使ったのか分からないね」


 確かにあの地下にはシュブ=ニグラスがいた。シュブ=ニグラスが私の血液兵に影響しているように、その力を貰って兵を強化しようとしていたと考えるのは、割と的確かもしれない。


「シュブ=ニグラスは、何か知らない?」


 私は話題に出たシュブ=ニグラスに確認をしてみる。


『否定』『乳』『渡した』『それのみ』


 特に何をしていたのかは知らないけど、乳は渡したとのこと。つまりアク姉の推測が正しいかもしれないという要素が出て来たという事だ。


「シュブ=ニグラスは、乳を渡した事はあるけど、それしか分からないってさ」

「ああ……なら、そっちの可能性が高いかな。仮に皇帝の強化だとしたら、精神の強化になるかな」

「精神?」

「うん。七色の異神を身体に降ろしているとして、自分が自分であるために、自分の精神力を強化するって感じかな。やっぱり、それが一番あり得ると思う。だから、皇帝が皇帝で在り続けながら異神の力を行使してくる可能性も十分にあると思う」

「なるほどね……確かにあり得るかも。それなら、そこまで焦る必要はないかな。大丈夫。何があっても皇帝は倒すから」

「う、うん……」


 アク姉の推測で、ひとまずリリィルーナを安心させられたと思うけど、実際はそこまで楽観的なものじゃない。皇帝が皇帝の意思を残しているのであれば、リリィルーナが危険という可能性はある。

 その事にリリィルーナも気付いてしまっているのかもしれない。だから、少しの間リリィルーナの傍にいてあげて、もっと安心させてあげられると良いかな。

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