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吸血少女ののんびり気ままなゲームライフ  作者: 月輪林檎
吸血少女と邪神?

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遙か尊き白の彼方3

 小屋の領域に戻った私が見たのは、純色の白の眷属の異神を普通に斬って倒しているシキドウジの姿だった。


「実体ないと思うんだけど」

「攻撃の瞬間は、こっちに実体がなかったら、こっちに当てられないだろう? なら、攻撃が来た瞬間に避けてカウンターを当てて一撃で倒せば良い」


 相手が物理攻撃を仕掛けてくるのなら、その瞬間を狙えばこちらの物理攻撃も通用する。当然の原理だけど、その瞬間こっちは攻撃を当てられてはいけないし、しっかりと攻撃を当てないといけなくもある。

 言うは易く行うは難しの行動だ。シキドウジは、それを平然とやってのけている。


「あ~……はいはい。相変わらず化物じみたことで。純色の白は?」

「向こうに飛んで行った。神様達とアーサー王が追ったぞ」

「アーサーさんも? どうやって飛んだ……スノウ?」

「ああ。あの白いドラゴンが運んでいった」


 アーサーさんが海を渡ったと聞いて、どうやって海を移動したのかと思ったら、私のテイムモンスター欄にスノウの名前があった。そこでスノウが連れて行ったのかと思ったら、シキドウジが肯定したので確定してしまった。


「全く……」


 スノウの勝手な行動に驚愕していると、空から新しい純色の白の眷属の異神が出て来た。その眷属の異神は、空から降り注ぐ隕石により倒された。そんな真似が出来るのは一人しかいない。


「リリィルーナ!?」

「うん。ここが戦場なら、私も役に立つ」

「…………分かった。でも、無理はしないでね」

「うん」


 シキドウジが結界の外と内を上手く利用して戦っている間に、リリィルーナを撫でてからアテナさんのところに向かう。


「アテナさん。後はお願いします」

「ええ。任せなさい。結界があるからここまでは入って来られないわ。あのシキドウジが意味の分からない強さを発揮しているから、数も減っているしね」

「まぁ、シキドウジがいればどうにかなると思います。それじゃあ、私は純色の白を追います。純色の黄と争うらしいので、今のうちに止めないとやばい事になるので」

「分かったわ。気を付けて」

「はい」


 こっちの防衛をアテナさんに任せて、私は天使の羽を生やして飛び立つ。そして、純色の白の気配がする方角へと向かっていく。

 気配がなくても、純色の白が移動した道は分かり易い。何故なら空が青ではなく白になっているから。これは雲があるからではなく、空そのものの色が染められているという状態だ。


「いた……」


 空で皆が戦っているのが見える。スノウも純色の白の攻撃を避けながら、アーサーさんの足場となっている。スノウが純色を直視して大丈夫か心配だったけど、取り敢えずは問題ないみたい。モンスターだからとかがあるのかな。


『ガァ!』

「ちょっ!? スノウ! 集中!」

『ガァ!!』


 私が来た事に気付いたスノウが私を見ようとしてきたので、慌ててしっかりと戦いに集中するように言うと、スノウは素直に従った。


「すまない、ハク。追いつくためにスノウの力を借りた」

「いえ、スノウに何も無くて良かったです。スノウ、問題ないんだよね?」

『ガァ!!』


 スノウの無理をしている訳では無い本当に元気な声を聞いて、ひとまず安堵する。


「カーリーさん! 純色の白は純色の黄のところに向かって、力を奪おうとしています! 進ませないでください!!」

「そう言われてもな!!」


 カーリーさんは、拳で純色の白を殴って飛ばそうとするけど、薄く広がった純色の白は、カーリーさんの後ろに回り込んで進んで行く。


「こいつの特性が厄介だ! 拳が通らねぇ!!」


 純色の白の特性は存在の希薄さ。言ってしまえば、あの状態は布。布の一点に拳を打ち込んでも他の部位はこっちに進んでくる。しかも、純色の白はわざと殴られた場所を破って背後に抜けるというような方法で進みを止めないようにしていた。


「物理が効きにくいって事ですね。あれ? アーサーさんは……?」

「エクスカリバーで奴の実体を斬れるとは思う。実際、私の攻撃は障壁で拒まれる」

「遠距離攻撃も相変わらずみたいですし……私が止めるしかなさそうですね」

「頼むぞ」

「はい!」


 私は純色の白の進路に回り込んで、純色の白の本体に赫夜刀を叩き付ける。純色の白はすかさず障壁を張って止まる。私の赫夜刀による一撃は、実体がないものでも斬り裂ける。警戒して当たり前だ。

 でも、それは赫夜刀だけじゃない。私は血液の尻尾の先に保持している白百合と黒百合も同じだ。三つの剣で連続攻撃を仕掛けつつ、周囲から属性による攻撃も合わせて障壁を張らせて、力を削ぐ。


『キサマ……アソコカラヌケダシタダケデナク、ワレノセカイヲウバッタカ』

「ご馳走様。おかげで力は増したよ」


 純色の白から苛立ちを感じ取れる。同時にもう一つ感じるものがあった。


「あっちも考える事は同じか……」


 純色の黄の気配がこちらに近づいて来ている。フレ姉達がいたとしても移動を阻害するのは、割と難しい。私達が移動させずに戦えていた理由は、カーリーさんの拳によるところが大きい。

 私とアーサーさんの連続攻撃では完全に止める事は出来なさそうだ。


「どうする?」

「どうするったって……ん?」


 ここで一つの疑問が生まれる。私は純色の白のクエストのみで純色の黄のクエストは持っていない。フレ姉は白のクエストも持っている。

 そして、純色の白と純色の黄が、互いに近づいている。二体の領域が重なった場合、フレ姉はどちらも持っているから変わらず戦えるかもしれないけど、片方しか持っていない私はいったいどうなるのか。


「下手したら、私は参戦できないかも……」

「つまり、私達だけで戦う事になるかもしれないって事か」

「フレ姉は大丈夫なはずですけど、戦う人数はかなり減ります」

「ハクは……外から……力を……奪える……?」


 ニュクスさんに確認されて、私は純色の白の移動の跡を見る。ここまで移動してきた跡はしっかりと残っている。若干薄い気もするけど、あそこから純色の白に繋がって力を奪う事は出来なくはない。


「出来るかもしれないです」

「なら……外された後は……」

「外から力を奪います」


 二体の接触は避けられない。だから、仮に私が外されたとしても出来る手を取り続ける。フレ姉が合流してくれると助かるけど……

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