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吸血少女ののんびり気ままなゲームライフ  作者: 月輪林檎
吸血少女と邪神?

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遙か尊き白の彼方2

 純色の白の世界は、本当に真っ白な世界だった。そこに薄らと人型の純色の白がいるのが見えた。そこにフチムニナのような雲のような異神と多頭の狼が出て来る。更に奥には亡霊のような幽霊のような存在も見える。


『キサマ……キサマガレイノジュンショクゴロシカ』


 純色の白の言葉は、若干聞き取りにくい。言葉自体は理解出来るけど、理解するまでに一瞬ラグが発生する。聞き取りにくいのは話し方だけじゃない。高音と低音が混ざった本当に絶妙に聞き取りにくいものという感じだ。


「純色殺しって……まぁ、事実だけど。そんな情報をどこで手に入れるのやら」

『ワレラハカンシシテイル。トキオリデハアルガナ。キサマヲコロシ、スベテヲオワラセル。キサマガウバッタセカイトトモニ』

「やっぱり純色の世界が目的か」


 私がそう言ったのと同時に、純色の白の眷属の異神が突っ込んで来る。そしていつも通りクトゥルフ、シュブ=ニグラス、ナイアルラトホテプ、マイノグーラが出て来て、援護をしてくれる。シュブ=ニグラスに血液兵への指示を任せて、私は【混沌熱線】のチャージを始め、赫夜刀と白百合、黒百合を出す。白百合と黒百合は、腰から出した血液の尻尾を出して、そちらで保持する。

 ここの力を全て使わせる勢いで攻撃していくための装備だ。【鬼神】を解放し一気に純色の白に近づく。雷化すれば、フチムニナ達の間を抜けて行ける。でも、純色の白に近づく前に幽霊のような眷属の異神に止められる。

 私の赫夜刀による一撃を止めたけど、尻尾の先にある白百合と黒百合による連続攻撃は防ぎきれず、その眷属が消える。そこから眷属が殺到してくるけど、ここで血液兵を増やす。

 その血液兵達で猛攻を防ぎ、その間を抜けて来る眷属を白百合と黒百合で弾き飛ばしながら、全属性を込めた赫夜刀を振るう。空間が歪み実体を持たない眷属の異神達が吸い込まれていく。

 そこを抜けて、純色の白に接近し赫夜刀を振るう。白い障壁が拒むので、そこに白百合と黒百合も合わせて攻撃を連続させていく。障壁を使わせれば、それだけ力を消費させられるけど、この世界がある限り、ほぼ無限だ。

 でも、焦らせるにはこれで十分だ。攻撃を繰り返し、【混沌熱線】を放つ。ほぼ零距離で放った【混沌熱線】は障壁を弾いて、周囲に散らした。

 その中で障壁に噛み付いてみた。障壁は純色の白の力。加えて、実体が存在する。つまり、吸収する事が出来る。


『キサマノキケンセイハリカイシタ。コノママココニイルトスベテヲウバワレソウダ。アチラニイルキイロカラチカラヲウバウ』

「は? ちょっと待って!!」


 私の制止など聞く訳もなく、純色の白は向こうの世界に移動した。これまでにない問題が起きる。それは二体の純色の争い。その中にフレ姉達が巻き込まれる可能性がある。いや、それどころじゃない。リリィルーナ達だって危険だ。

 私は邪神の皆と一気に純色の白の眷属の異神を殲滅してから、ヨグ=ソトースの力を借りて純色の白の世界から、純色の白の力を吸収し尽くす。純色の白の力による影響は、何もない。アカリがしっかりと作ってくれた三原色の指輪のおかげだ。

 そうして世界を空にした後、この世界を私の世界に塗り替える。血液の世界はまた一つに重なる。世界がまた一段階強くなった。同時に私の世界に変化が訪れる。


「何……?」


 遊んでいる余裕はないのだけど、この世界への変化は見逃しておけない。下手すれば私自身にも関わってくるから。その変化は内部の血液が蠢くというものだった。マイノグーラが後ろから私を抱きしめて、シュブ=ニグラスも私の頭を撫でて来る。

 二人が言いたい事は理解した。ひとまずは落ち着けという事だ。焦りを覚えていた私は一度深呼吸をして心を静めながら、変化を確認する。

 蠢く血液は、ゆっくりと自然に形を作っていく。


「これって……夜空?」


 決して夜とは言えない。この世界の色は血液の色であり、夜の色ではないから。でも、空に輝く星空のような雰囲気は夜のものだった。そして、血液は大きな家を作りだした。そこから庭も生まれていく。

 私はこの変化がどういうものなのか理解し始めていた。


「これって、私の領域における力の形? でも、夜空と家って……」


『家族』『安寧』『幸せ』


 マイノグーラがそんな事を言ってくる。私の力の形。それは家族とその安寧と幸せだと。じゃあ、なんでその形に私の世界が変化しているのかという問題。私の力の形。私が力を発揮するのは、いつも家族のためだから。

 フレ姉やアク姉は勿論の事、アカリやヤチだけではなく、精霊の皆や神様の皆、英雄の皆、妖怪の皆、天使の皆、悪魔の皆、うちの住人となっている皆。

 家族と言っても良い皆のために、私は力を発揮している。ヤチを喪って、改めて家族の繋がりを大事に思う。それが強くなり、世界が一つになった事で形を作り始めた。

 血液の蠢きが止まり、世界の形は確定した。夜と庭付きの大きな家。多分、ヤチがいたら喜ぶであろうブランコ。家族との平和な日々。私の中での力の形だ。

 それが定まった時、私の中で力が強くなったのを感じた。これで純色の異神達を簡単に倒せるようになったとは思わないけど、割と強力な力を得ているのは確実だ。


「これが私の力の形……うん。もう変化はなさそうだね。皆、戻ろう。純色の白が純色の黄と戦い始める前に」


 世界の変化が収まり、邪神達が私の胸に帰ってきたところで、私は元の世界に戻る。純色同士の争いを止めて、皇帝の討伐に一気に近づく。

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