↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
吸血少女ののんびり気ままなゲームライフ  作者: 月輪林檎
吸血少女と邪神?

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

982/1002

遙か尊き白の彼方

 リリィルーナから話を聞いた後、私は小屋を出た。すると、すぐにアスタロトが飛んできて抱きついてくる。


「主人~! もう大丈夫なのぉ!?」

「まぁね。ヤチの復活の目処も立ったから。というか、今までどこに行ってたの? 普段ならもっと早く来るでしょ?」

「純色の緑と戦った場所を調べていたのよぉ。何か分かるかもしれないでしょぉ?」

「そっか。ありがとう」

「どういたしましてぇ」


 アスタロトはいつも通り、浮いた状態で後ろから抱きついて付いてくる。色々と私に気を遣って調べてくれていたみたいだし、このまま連れて行く事にする。


「ハク……」

「お母さん。心配掛けてごめんなさい。でも、ヤチが復活する可能性が出ました」

「そう……良かったわ……さすがね……」


 ニュクスさんは、私の頭を撫でてくれる。ニュクスさんの表情も安堵したようなものになった。その中で、私は純色が現れるのを感じた。でも、感覚が私の中にあるものじゃない。


「純色の黄……」

「現れたのね……向かうの……?」

「いえ、私は戦う資格がないので。フレ姉なら……フレ姉はどこに?」

「出掛けたまま……帰って……いないわ……」

「そうですか」


 私はフレ姉にメッセージを送る。内容は純色の黄が出て来たという事。純色の黄がいる場所の目星も送って、戦力になって貰う。フレ姉達は純色の黄と戦う資格を持っている。だから、一番の戦力になって貰う。フレ姉から『分かった』と一言だけ返した。これで大丈夫そうだ。


「残る純色は一体……純色の白。それを倒せば、皇帝との戦い。皇帝を倒したらヤチが蘇る」

「奇跡ねぇ」

「だね……って、また純色の気配? フチムニナに似てる。白だ。アク姉!!」

「なぁにぃ……?」


 小屋の窓からアク姉が顔を出す。こっちで睡眠を取っていたから、若干眠そうな声になっている。ゲーム内での睡眠というよりも、本当に寝てもいたのかもしれない。


「純色の白が出た! フレ姉は純色の黄と戦ってるから、私達で行かないと!」

「了解。着いたら教えて」

「うん。アカリ! 指輪!」


 外から呼び掛けると、アカリが工房から出て来て、私の方に駆け寄る。そして私の手に指輪を着けてくれる。


「三原色の指輪だよ。異神による干渉を全部シャットアウトするようになったから安心してね」

「分かった。ありがとう」

「うん。気を付けてね」

「勿論」


 アカリを抱きしめてから、アスタロトをレメゲトンに入れようとして手が止まる。


「はぁ? 嘘!?」

「ハクちゃん?」


 私が急に大きな声を上げたから、アカリも驚いて私を見ていた。でも、私の視線は上に向いている。何故なら、空は青空が白く染まり始めているから。そこから純色の気配がしている。

 つまり、私が感じた純色の気配がここまで移動してきたという事だ。


「私の領域に態々入ってくるって何で……いや、それは良いや。アカリは小屋の中に入って。アザゼル! 小屋の周りをグリゴリと一緒に守って! メイリーン! ちゃんと小屋の中にいてね!」


 ヤチはいないけど、リリィルーナ達を守らないといけない。だから、そのための防御は固める。アカリも戦闘は出来ても異神と戦えるとは限らない。だから、小屋の中でリリィルーナ達を守って貰う。


「アテナさん」

「ここの防衛は任せなさい。ハクの攻撃も全て通さないようにするから。存分にやりなさい」

「ありがとうございます」


 アテナさんがいれば上空で戦っても問題がない。空からの余波も、アテナさんが全て防いでくれる。


『ハク……』


 玉藻ちゃんが少し暗い顔で私の方に来る。ヤチを預かっていたのに、ヤチを守る事が出来なかった。それに負い目を感じているらしい。でも、あれは玉藻ちゃんのせいじゃない。だから、私が普段通り接するのが一番だ。


「玉藻ちゃん達も手伝って。皆なら異神とも戦えると思う」

『…………うむ! 任せるのじゃ!』


 私が普段通りに接するから、玉藻ちゃんも普段通りになる。まだ暗い部分は残っている。それでも前に向くきっかけくらいにはなるはずだ。


「ハクちゃん」

「アク姉。まずは純色の白の世界に入ってくる。多分、もうそろそろ純色の白の異神が出て来ると思うから、それを倒して。純色の白の異神は多分雲みたいに実体が薄い。だから、物理よりも魔法とかで干渉するのが良いと思う」

「うん。了解。ハクちゃんが戻ってくるまで、ここには指一本触れさせない。指があるのか分からないけど」

「うん。ありがとう。アスタロトも残って戦って」

「はぁい」


 後は皆いつも通りに行動して貰う。私は天使の羽を出して一気に飛び立つ。すると、空からフチムニナのような異神がどんどんと出て来た。加えて、もやもやとした多頭の狼なども出て来る。実体がありそうに見えて、もやもやとしているから薄そうだ。

 私に向かって落下してくる純色の白の眷属の異神を地上から上がってくる夜を凝縮したような弾が貫いていく。

 ニュクスさんが私を追いながら援護してくれているようだ。同時に小屋の領域を覆うような結界が張られる。アテナさんが防御を固めてくれている。

 ニュクスさんの援護に続いて天使や悪魔の皆も次々に援護をしてくれている。

 私は純色の白の世界に入る一点を貫くために真っ直ぐ飛ぶ。皆はどんどんとそのための道を開いてくれる。

 そして、純色の白の世界に入る一点に全属性を込めた拳を叩きつけて純色の白の世界へと侵入した。

 フレ姉達が戦っている純色の黄。そして、ここにいる純色の白。この二体を倒せば残りは皇帝だけ。その皇帝を倒せばヤチを復活させられる。自然と私の拳にも力が入った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。