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吸血少女ののんびり気ままなゲームライフ  作者: 月輪林檎
吸血少女と邪神?

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長い戦いの終わり

 私から奇跡の波動が放たれる。奇跡は皇帝と七色の異神を包み込む。そして、皇帝と七色の異神を奇跡が線で繋ぐ。


「ソルさん!!」

「うん!!」


 ソルさんは、鳴神に雷を纏わせて、皇帝と七色の異神を繋ぐ線を斬り裂く。僅かな繋がりを断たれた七色の異神が、身体を震わせる。球体だった身体が、大きく波打つ。

 私の中の希望が表に出た奇跡は、七色の異神を包み込み、その大きさをどんどんと縮小させていく。


「貴様! やめろ!!」


 喚く皇帝をランスロットさんが猿ぐつわを着けて黙らせる。皇帝が焦るという事は七色の異神が危ないという事になる。


「ソルさん! 皆!」


 私の声を皮切りに七色の異神に向かって、皆の攻撃が押し寄せていく。七色の異神から普通にダメージエフェクトが発生している事から、私の奇跡によって七色の異神を守るものがなくなった事が分かる。

 そして、恐らくそれは皇帝も同じだ。さっき皇帝を攻撃しても何も起こらなかったのは、まだ七色の異神と繋がっていたからだ。


「奇跡は……これで終わりかな」

「ううん。まだ続くわ」


 パンドラさんがそう言うのとほぼ同時に私の内から更に強い奇跡の波動が放たれる。その波動に続いて、更に強い奇跡の波動も放たれる。私から出て来る希望は、どんどんと世界に広がっていった。


「ちょっ!? これ以上の奇跡は必要ないでしょ!?」


 既に七色の異神が倒されるだけの奇跡は起きている。だから、これ以上の奇跡は現状必要ない。こういう制御が利かない部分が、私が奇跡を乱発しない理由だ。


「ううん。もしかしたら、ハクの奇跡は、もっと先の事にまで広がっているのかも」


 リリィルーナがそんな事を言ってくる。


「先の事?」

「うん。だって、あの異神と皇帝を倒したら、この世界は終わっちゃうから」

「え? あっ……」


 そう言われて、私はこの世界が偽りである事を思い出す。つまり、この世界が消えたら、既に死んでいるはずのシキドウジ達は再び死を迎えて消えてしまうという事だ。それを防ぐための奇跡が、今も広がっている。

 確かに、シキドウジ達を救うために奇跡を起こそうかなとは思ってはいたけど、このタイミングで全てを丸く収めるための奇跡が働くとは思わなかった。

 七色の異神が関わった全てを私に都合の良い結果に変えるらしい。全てを都合良くまとめる奇跡となる。


「それなら……」


 私は再びしっかりと祈りを捧げる。どんどんと奇跡の光が強くなり、世界を包む。七色の異神もどんどんと身体は小さくなり、私の奇跡によりどんどんと力を失い、皆の攻撃でどんどんと弱っているみたい。

 口を塞がれている皇帝が喚き続ける。


 そもそもマップを大きく変えることになるから、私の奇跡関係なく皆が生きている世界に切り替わるとは思うけど、何かしら私に都合の良い結果になるような感じではあるのかな。


「ハクちゃん! トドメを刺して大丈夫!?」

「はい! ぶっ倒しちゃってください!」


 私に確認を取ったソルさんが、閃断刀を用いて七色の異神を斬り裂く。切れ味が凄まじい閃断刀による一撃は、七色の異神を真っ二つに叩き斬り、その内部から七色の煙を撒き散らす。その煙も奇跡によって消失していく。


『原初の異神ルレーノアコバは消滅しました。報酬として全プレイヤーにスキルの書十冊、選択式レアアイテムボックス十個が送られます』

『原初の異神ルレーノアコバ討伐の報酬として、進化の権利十つ、百億Gを獲得』


 七色の異神の名前が判明したけど、正直どうでも良いかな。次の問題は皇帝だ。七色の異神が倒れたところで、まだ皇帝は生きている。ノマドは去っていくから、ひとまず異神が消えた事は間違いない。でも、皇帝は残っている。だから、世界は維持されているのかな。

 リリィルーナが皇帝に向かって手を向ける。皇帝は慈悲を請うような目ではなく怨嗟の籠もった目でリリィルーナを見る。

 だが、リリィルーナは全く怖じ気づかずに皇帝の中心にブラックホールを発生させる。私はその影響が皇帝にだけ及ぶように調整する。


「貴様等を呪うぞ!! 次はないと思え!!」

「うん。次はないよ。次の浄化はお前を完全に消し去るから」


 遠くから地響きが聞こえてくる。それは世界を隔てた向こうから鳴るもの。そう。大地を浄化するリガイアの地響きだ。


「これは……身体が……意識がぁ……!?」


 私の奇跡とリガイアの浄化の効果が重なり、皇帝は大地に存在する事も出来ず、この世界や元の世界に縋り付く事も出来ない。完全な消滅を遂げる事になる。


『ユニーククエスト『大地を踏みしめよ 彼の者は先達なり』をクリアしました。報酬として、百億Gと大陸要塞の魂片を獲得』

『大陸要塞の魂片を吸収し、【大陸要塞との繋がり】を獲得』


────────────────────


【大陸要塞との繋がり】:大陸要塞のリガイアと魂で繋がる。大陸要塞のリガイアの居場所を認識しやすくなり、プレイヤーに対してモンスターの表示が出なくなる。控えでも効果を発揮する。


────────────────────


 リガイアが、向こうで浄化をしてくれたおかげで、しっかりと皇帝を消し去る事が出来た。皇帝が消えた事で、この世界を維持するものも消えた。

 世界に私の奇跡の力が広がる。元の世界に戻るけど、シキドウジなどの様々な矛盾が奇跡の力により修正されていく。いや、無理矢理いた事にされる感じかな。

 ひとまず、あっさりとした感じだけど、これで皇帝との戦いも終わり、異神による侵略も終わったって事かな。

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1000話おめでとうです♪───O(≧∇≦)O────♪
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