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何でもいいと言われたので転生特典をありったけもらって転生したのに、実家がなくなったので妹と共に魔法を極めます  作者: あっきー


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特典11「残念系妄想乙女」


-----


「お前らは自らが受けたい選択科目があれば、その用紙に登録して俺のところまでもってこい。

期日は1週間だ。

その期間のうちは気になる授業の見学をできるようになってるから、見て決めることもできる。

まあ受けるも受けないもお前らの自由。

未提出の場合は選択なしとして扱われるから気をつけろー。

それでは今日はこれにて解散!」


初の登校日。

朝の出席確認で魔法が付与された用紙を渡された。

空白の時間割のような状態だが、それぞれの曜日の時間帯を触ると何の授業があるかが見れるようになっている。

ほほう、これは面白い魔法だ。


『付与』かあ。

覚えてみるか。

俺には魔法が効かなくても、制服はそうもいかないだろうしな。

『魔法無効』や『防刃』なんかをつけてもいいかもしれない。


時間割に関してはサクヤやリズ、グレイからも話を聞いてから決めるとしよう。

そう思い色々な箇所を触っていたのだが、日本で言うところの月曜日・水曜日・金曜日の午後の授業の欄に「自由活動」という文字が浮かび上がった。

それをグレイに聞いてみたところ。


「ああ、それは有志の生徒たちが集まって思い思いに活動する時間だね。

最近では『古代魔法研究会(アンティーカー)』や『連射技術習得会(マシンガンズ)』なんかが発足したと聞いているよ。」


なるほど、部活動みたいなもんか。

つってもなあ。

どちらも技術的には習得済みだし、こちらも色々見たり考えたりする時間がほしいところだ。

自分のやりたいことをやる時間ともとれるわけだし、無理にどこかに所属する必要もないわけだしな。

『帝級魔法研究会』なんてあったら喜んで入るのだが、こんな王都でそんなもんぶっ放したら捕まるか。

そんなことを考えていると、リンリンがおずおずと近づいてきた。


「あ、あのっ、タクミくん・・・。

この自由時間・・・週に1回でも良いから・・・魔法を教えてくれる時間をとってくれませんか・・・?」


そういえばそんな約束もしてたな。

ということはあれか、初めての弟子的な感じだな。

サクヤは別枠すぎるのでノーカウントということで。


「おっし、それじゃあ俺がリンリンを『帝級魔法使い』にしてやるよ!」


「えっ・・・?」


「え?」


・・・え?

リズまでもそんな反応してくるとは思わなかったから、思わず時が止まってしまった。

頭を抱えてため息をつくグレイを見るに、なかなかにぶっ飛んだ発言をしてしまったらしい。


「いいかいタクミ。

『帝級魔法使い』なんて都市に1人居るか居ないかだ。

我が王都でも筆頭宮廷魔導師のキャミィ様しかその称号は持っていない。

君がどれほど優れていようと、一学生の教えを受けて成れるほど甘くはないんだぞ。」


「えっ、そうなの?

全属性覚えれたからそんなむぐっ・・・!」


「言いたいことは色々あるが、場所を変えよう。」


サクヤ以外に口を触られる日が来るとは思わなかった。

グレイは意外と強引なところがあるのかもしれない。



空き教室へと移動した俺達4人。

グレイは全員が入ったのを確認して部屋の鍵を閉めた。

え、そんなに厳重にするのか。


「タクミ、まず色々確認しておきたいのだが・・・。

これから聞くことはあくまで個人情報だ。

言いたくなければ黙秘してもらって構わない。」


俺が頷いたのを確認して、グレイが続ける。


「まず、全属性を使えるというのは本当か?」


これは先程言ってしまったし、正直に頷くとしよう。

しかしこれはあれだな。

言い過ぎて俺の正体がバレるのだけは避けなくてはならない。

特に、相手は一国の王太子だ。

化け物クラスの能力を持っていると知れたら、サクヤとの楽しい未来も閉ざされてしまう可能性がある。

充分に注意して切り抜けなくては。


「『帝級魔法』を使うには、少なくとも『魔法神の加護』レベル3以上の素質が必要だ。

つまり君は全属性において3以上の加護をもっているということになるわけだが。

一体君はどこまでレビス様にご加護をいただいたと言うんだい?」


「ええっと・・・よ、よ、ん・・・4だな。」


「君、ウソが下手すぎないかい。」


なぜバレた。


「仮に『魔法神の加護』レベル4だとして、その才能は宮廷魔導師に匹敵するものだ。

そして全ての属性魔法の適正においてレベル4だなんて聞いたこともない。

3属性扱えるキャミィ様でも3属性レベル4止まりだ。」


「えっ、加護と属性適正って同じレベルじゃないのか?」


「はあ・・・『ステータス・オープン』。」


ーーーーー


グレイ・ティールズ・マルクルス 14歳 レベル24

職業:王太子、学生

称号:王を継ぐもの、魔導師

HP 389 MP 6327


スキル:

魔法神の加護 3

武神の加護  3

商業神の加護 3


武術 3

剣術 3

槍術 3

魔法適性  4

火属性魔法 3

風属性魔法 2


社交 4

記憶 2

舞い踊り 3

テーブルマナー 3


ーーーーー


「これが()()()()優秀と言われているステータスだ。

見てもらえれば分かると思うが、加護と魔法適性、そして属性魔法への適正はそれぞれ数値が異なるものだ。」


なんてこった。

俺とサクヤのステータス画面以外を見たことがなかった弊害がこんなところで出るとは。

いや、待てよ。

そういえばサクヤの火属性魔法だけはレベル2だった気がする。

そこでなんで気づかなかったんだ俺は。


「その反応を見るに、君はどうやら()()以上のステータスを持っているようだ。

見せろとまでは言わないが・・・。

もし、間違った使い方をしたときは僕は全力で君を止めに行くからな。」


グレイの真剣な表情に、オロオロする女子2人。

こうなってしまった以上、俺の覚悟は示しておかないとなるまい。

真っ直ぐにグレイの目を見据えて。


「確かに俺は『魔法神の加護』を高いレベルでもっていて、魔法適性、全属性においても同じ数字だ。

とはいえこの力を悪用するつもりは一切ない。

この場で最高神(ティティー)様に誓っても良い。

俺はただ妹のサクヤと一緒に、楽しく仲良く暮らしたいだけなんだ。

だが唯一、サクヤに危険が迫った場合は俺はどんな強大な力を使ってでも全力で護らせてもらう。

その相手がたとえグレイ、君だとしてもだ。」


それを聞いたグレイは目を見開き驚いた表情をするも、フッと笑ってみせた。

どうやら信頼してもらえたようだ。


「その言葉、胸に刻んでおくとするよ。

加護レベル5持ちなんて知れたら、国が放っておかないだろうからな。

溺愛している妹と会えなくなるのは本位ではないだろうし、ここでの会話は他言無用としておくよ。

それでいいかい、リズベット、リンク。」


2人が頷くのを確認。

まあレベル5と勘違いしてくれたのはラッキーだな。

我ながら良いワードチョイスをした。


「ところでグレイ。

俺はサクヤを溺愛していると言ったが、それは違う。

これは・・・・・・・・・愛だ。」


「真顔で何言ってやがるんだこいつ。

どんな凄い人物かと思えば、超シスコンじゃないか。」


「おう、俺の称号に『超シスコン(それ)』あるぞ。」


「いいなあ・・・。」


「「「えっ?」」」


リンリンの呟きに、俺達3人の声がハモった。

ハッとした表情をするも時既に遅しと悟ったリンリンが、一気にまくしたてた。


「いやいやいや今のは違うんです!!

決してタクミさんが良いとかそういうわけでは!!

いえそれも違うんですとっても魅力的でお付き合いするならこの人がいいなと思っていますけど!!

禁断の兄妹愛だなんてもう見ているだけでドキドキするといいますか、そう、尊い!!

尊いんです!!

そういう意味での言葉であって今のは決してーーー


-----


そんなこんなでリンリンの特殊性癖も暴露された後。

やはり当初の予定通り、俺に魔法を教わりたいと思っているようだ。

入学試験の際、咄嗟に発動した『多重結界』を見て俺の魔法に惚れ込んだのがきっかけらしい。


ひとまず週に2回はその時間を作ってあげるとしよう。

はじめての弟子になるわけだしな。

と思っていたのだが。


「あの、わたくしも参加させていただいてよろしいでしょうか?」


「僕も監視役として同行させてもらうとするよ。

放っておいたらどうなるか不安で仕方ないからな。」


と、リズとグレイの参加も決定。

同好会にしてしまっては他の生徒に秘密がバレる危険性がある。

ということでただの魔法訓練とする方向で落ち着いた。



帰り道に授業についての話になった。


各々好きに取ったり取らなかったりの様子。

リズは『火属性攻撃魔法』や、『魔法考察』などの授業を。

グレイは『魔法剣技』、『人心把握』などを専攻するようだ。


確かにリズの親であるオーグレイ公爵様は魔法学会を管轄しているんだったな。

将来のことを見据えて『魔法考察』の授業を選択するのだろう。

グレイも立場上命を簡単におとすわけにもいかないので、こういった選択になるのかもしれない。


リズを送り届け、王宮でグレイと別れ。

そこからの家の方向が一緒とのことでリンリンと2人で帰ることになった。


リンリンはというと、特にこれといってやりたいことがあるわけでもないらしい。

魔法の才能を見た親に勧められるがままに入学してしまったとのこと。

こう見えて公爵の次に地位の高い侯爵家なのだそうだ。

いや、なんか男爵風情がすいません。


公爵>侯爵>伯爵・辺境伯>子爵>男爵という序列があるので、貴族世界だと俺はなかなかに形見が狭い位置に居る。

一応その下には準貴族として、準男爵>士爵という位もある。

とはいえ本人が現在爵位を持っているという意味では、継承権しか持っていないご子息よりは上位に位置するというなんとも厄介なシステムだ。


話しを戻して。

これから魔法を教えるにあたり、リンリンの適正は知っておきたいと話したところ。

広場のベンチに腰掛け、恥ずかしがりながらもステータスを見せてくれた。



ーーーーー


リンク・リング・リンクス 14歳 レベル12

職業:学生

称号:魔法使い、開花の兆し

HP 118 MP 5953


スキル:

魔法神の加護 4


魔法適性  4

水属性魔法 3

地属性魔法 3


短縮詠唱 3

必中 3

妄想 5


ーーーーー



「おお、なかなかに魔法使いとしてハイスペ・・・妄想・・・?」


「わひゃあっ!?」


「しかもレベル5って。」


顔を真っ赤にしてパタパタ手を振ってステータス画面を消すリンリン。


・・・デジャブ!!

こんなかわいい消し方をするのはサクヤだけだと思っていた。


「まあリンリンが残念系妄想乙女ということは分かった。

間違えた、魔法使いとしてかなり大きな才能を持っていることは分かった。」


「どこをどう間違えたらそうなるのですか・・・?」


涙目になりながら杖を抱えて俺に顔を向ける。

この子結構おもしろ・・・かわいいかも知れない。


「まあそしたら次の自由活動の時間から初めてみようか。

俺もそれまでに方針とかを考えておくよ。」


「はい・・・ありがとうございます・・・師匠・・・!」


 ピコンッー 称号 『魔法神の孫弟子』 を 獲得しました。


リンリンを送り届けたのだが、まさか我が家の3軒隣だとは。

たしかになんか立派な家が並んでるなーとは思っていたが。

ご近所さん同士、仲良くしておいて損はないな。


そんなことを考えているうちに我が家に到着。

今日も元気に遊ぶライトを見つつ玄関に入ると。


「おかえり、お兄ちゃん!」


満面の笑みで迎えてくれるかわいい妹。


グレイに啖呵を切ってしまったとはいえ。

やはりこの子だけは、この笑顔だけは、護るのが俺の使命だな。



またまたブックマーク登録ありがとうございます!

やはりどんな形であれ、評価いただけるのはめちゃくちゃ嬉しいものですね。

おかげで楽しく描けており、どんどん物語が広がってきております。

みなさんに楽しんでいただけるように今後も精進していきたいと思います。


少しでも楽しんでいただけたらブックマーク登録や★評価などで応援していただけたら嬉しいです!

今後ともよろしくお願い致します。

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