表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『女王様とエンジニアと私。 〜ボロアパートからのドーム逆転劇〜』  作者: たい丸


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/4

第3話:『もやしと喝采、そして約束の場所』

第3回配信。フォロワーは100人を突破したが、コメント欄にはまだ冷やかしが多い。 『もやし女、どうせ貧乏営業だろ』『Vのくせに夢見すぎ』

そんなコメントを眺めながら、陽葵はセーラー服の襟元をぎゅっと握りしめた。 そして、氷室社長が用意した台本を無視して、画面の向こう側に語りかけ始めた。

「みんな、なんで私がこんなボロアパートで、バグだらけのアバターで配信してるか……不思議ですよね。……実は私、家族を救いたいんです」

一瞬、チャット欄が静まる。

「私の家、すっごく貧乏なんです。弟たちは押し入れを二段ベッドにして寝てるし、お父さんもお母さんも、毎日遅くまで働いてボロボロで……。だから私、決めたんです。この六畳一間からドームまで駆け上がって、家族全員が一生笑って暮らせるくらいの、おっきな夢を掴み取るって!」

陽葵は、中古スマホのレンズを真っ直ぐに見つめた。

「笑われてもいいです。大ボラだって言われてもいい。でも、私にはこれしかないから。いつかドームを五万人のペンライトでいっぱいにして、その光を全部、私の家族に届けるんです。それが、私のこの場所からの逆転劇なんです!」

あまりの熱量に、アンチのタイピングも止まる。 その時、隣の部屋から、社長が感極まって壁を蹴り飛ばした。

ドォォォォン!!

『また壁抜けたwww』 『ドームの前に事務所が崩壊するぞ!』 『……よし、お前の大ボラ、100円分(もやし5袋分)だけ乗ってやるよ』

笑いと呆れ、そしてほんの少しの期待。 六畳一間の「深海」に、ドームという名の巨大な光が、初めて差し込んだ夜だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ