表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生令嬢の異世界愛され生活〜ご褒美転生〜  作者: 翡翠
第十五章 守るということ
103/114

5

 サバイバル当日。

 雲一つない快晴です。

 講堂に高等部全生徒が集まり、校長先生の挨拶から始まります。

 校長先生の挨拶が終わりますと、次は他の教師よりサバイバル訓練についての説明が行われます。

 まず、調味料の持込みは可能ですが、食材の持ち込みは一切禁止。

 飲み物・食材は現地調達。

 中等部と異なり、高等部ではバトル形式となること。

 魔法の使用は可能ですが、使い魔の使用は不可。

 一定以上のダメージを受けると、この後全員に配られるネックレスが砕け、学園へ強制転移されて終了となること。

 最後まで残ったグループ、或いは個人にはポイントが加算されること。

 バトルで活躍した人にもまた別でポイントが加算されること。

(ポイントは成績に加算されます)

 以上のことを踏まえ、もし違反者が出た場合、そのグループは強制終了・連帯責任とし、ポイントは一切付かないことになります。

 あまりにも悪質な場合、停学となる場合もあります。

 サバイバル(高等部)は年内行事の中でも特に力を入れている行事で、先生方や臨時で雇ったギルド員の方々がフィールド内に隠れて待機され、違反者のチェックなどされているようですが、どのように何人の方が配置されるかなどは生徒には一切知らされておりません。

 ちなみにサバイバルでのポイントですが。

 ・サバイバル参加で20ポイント

 ・最後まで残ったグループ、或いは個人に10ポイント

 ・バトルで活躍する度に5ポイント

 となっており、違反者は参加ポイントも付かないため、かなり成績に響くことになります。

 一通り説明が終わると、先程説明にあったネックレスが配られます。

 まず三年生から転移が始まります。

 そして二年生。

 最後に一年生。

 バトル形式が初めての一年生には、上級生が転移している間に更に細かい注意点などが説明されていきます。

 そして遂に一年生の転移が始まりました。


◇◇◇


「草原ですね」

「うん、草原だねえ」

 ウィリアム様とリンちゃんがのんびりと感想を仰っております。

「ほら、二人共ふざけてないで、ちゃっちゃと水場と拠点探すぞ」

 キース様の言葉に「は~い」と返事をし、皆さん集合致します。

 水属性持ちのキース様とリンちゃんと私で、気になる方向を指さします。

「じゃあ行こうか」

 と三人が揃って指さした方向へと歩いて行きます。

 所々に生えている木になる実を回収しつつ、水場の方へと向かいます。

 途中ホロホロ鳥(アヒルとニワトリを足して二で割ったような鳥で美味しいが、足がとんでもなく速い)をエヴァンス様が捕まえたり、ウサギをエドワード様が捕まえたりしながら、歩き始めて一時間程で川に到着致しました。

 直ぐ近くに竹林もあったので、キース様がいつものように竹を切って水筒のような物を作っていきます。

 私とリンちゃんでそれに水を入れ、エドワード様たちはホロホロ鳥とウサギの血抜きをし、ウィリアム様は周辺の警戒をされています。

「さて、拠点ですが。今のところ洞窟的な物は見つかっておりませんので、途中にあった大岩の辺りにするか、それとももう少し探してみるか……どうしましょうか?」

 皆様「う~ん」と悩まれております。

「毎回そんな都合良く洞窟が見つかるわけでも無いだろうしな。大岩の辺りで良くね?」

 キース様の一言で、今回の拠点は大岩の辺りにすることに決定致しました。

 その前にエヴァンス様の「昼飯用に魚捕って行こうぜ」の一言に皆んなで頷き、魚を捕っていくことに致しました。

 釣りでは時間が掛かりますので、キース様が焔属性で作り出した炎の爆発音に吃驚して気絶した魚を捕まえることに。

 前世では確か『ダイナマイト漁』という似たような物がありましたが、生態系破壊に繋がるとのことで殆どの国で禁止されていた方法だったと思います。

 この方法は手取り早く魚が捕れますが、リスクとして爆発音を聞いて他グループが寄ってくる可能性がありますので、魚を捕りましたら速やかに大岩まで移動することにします。

 キース様がウィリアム様達と目を合わせて頷くと、炎を2つ出現させて水面ギリギリでぶつけて爆発させました。

 水飛沫が上がった後、ゆらゆらと魚達が浮かんできます。 それを素早く捕まえて、足早に大岩へと向かいました。

 魔力探知をしてみますと、川に向かっていくつかの魔力が移動しており、あのままのんびりしていたらバトルに発展するところでした。

 無事に大岩の所まで戻り、大岩の陰にウィリアム様が土属性でカマクラのような物を作られます。

 この時期まだ夜は冷えますので、ちょっと嬉しかったり。

 拠点も決まったことですし、早速火起こしです。

 キース様に火起こしをお願いし、ウィリアム様は肉の解体を。

 エドワード様とエヴァンス様が食材探しに、リンちゃんと私は枯れ枝拾いへ。

「お昼ご飯は何にする?」

 リンちゃんとメニューについて話しながら枯れ枝を拾っております。

「今ある食材はホロホロ鳥の肉とウサギの肉と魚と木ノ実ですから……。ホロホロ鳥の肉は唐揚げでもいいですよね。ウサギ肉は少し固いので、出来れば煮込みにしたいですね」

「トマトとかあれば煮込みも美味しく出来るんだけどな~。さすがにココでトマトはゲットできないよね~」

「そうですね、今回はお野菜は諦めた方がよさそうですね」

 せっかく持ってきたマヨネーズの活躍は今回は無いかも……などと笑いながらも手は確りと動かして、枯れ枝を拾っておりますよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ