表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕らの絆ものがたり  作者: 仙夏


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/12

08

僕は、その瞬間に目を覚ました。


ロル 「…あれが絆の指輪…?」

明日の天気は雨。

でも、夕方には止む予報だ。

明日かもしれない。

僕は、起き上がって医務室に向かった。

医務室に行くと、アルはメルの隣で顔を伏せて眠っていた。

ロル 「…アル…」

僕は、アルをベッドに寝かせてメルの手を握らせた。

ロル 「…ちゃんと助けるから。」


次の日、僕は外に出て、夢に出てきた森を探した。

ロル 「…ここだ、昨日夢で歩いた場所。僕が掘ったのは…ここだ。」

夢と同じ場所に穴を掘り始めた。

ロル 「何で…何で何にも出てこないの…」

ずっと掘っても何も出てこなかった。

ロル 「…っ、もうっ…」

僕が木に向かって拳をぶつけると、その衝撃で小さな木が倒れた音がした。

ロル 「っ、この木…」

振り返った先に倒れていたのは、僕がアルとメルと昔、一緒に植えた木だった。

両親が亡くなって葬式が終わった後に、家の庭に三人で苗木を植えた。

どうして、こんなところに…

僕は、その木の根元を見た。

そこには、土の中から見え隠れしている指輪があった。

ロル 「こ、これは…」

指輪を取り出し、鞄に仕舞ってアルが閉じ込められていた例の建物に向かった。

ここなら人が来ない。

本に書いてあった材料どおり、大きな鍋に薬草や薬品を入れてグツグツと煮込んだ。

ロル 「うっ…すごい匂い…」

そして、アルの勇気の涙、メルの思いやりの髪、絆の指輪を鍋に入れた。

後は、体を取り換えたい人の部位を書いた紙。

それを入れた瞬間、鍋は爆発しその中に入っていた液体が僕の身体を包んだ。

僕は、だんだんと意識が遠退いていくのを感じ、目を閉じた。

体が石のように固まっていくような、そんな感覚だった。


---アルside

医務室でメルを見ていると、メルはゆっくりと目を開けた。

アル 「っ、メル!」

メル 「…アル…」

僕は、うれしさのあまり車椅子から落ちそうになりながらメルの方に倒れ込んだ。

メルは驚きながらも笑顔になって僕を見た。

アル 「メル…」

すると、校医のマリー先生も気づいてすぐに駆け寄り、僕をメルの隣に座らせてくれた。

マリー 「メル…良かった。ロルにも急いで知らせましょう。」

メル 「ロル?」

アル 「誰のことだろう…」

メル 「…っ、アル、大丈夫?大怪我だったけど…」

アル 「うん。下半身が動かなくなってしまったけど大丈夫だよ。」

メル 「えっ...そうだったの…」

校長先生や他の先生方も来てメルを見て嬉しそうに笑った。

校長 「ロルにも早く知らせてください。」

他の先生方が行くと、校長先生とマリー先生だけが残ってメルの隣に座った。

校長 「メル。無事で何よりです。ただ、あなたに話さなければいけないことがあります。」

アル 「…」

校長 「…メルの左腕も麻痺してしまって動かなくなってしまいました。」

メル 「っ…そう、ですか…でも、アルが無事なら良かったです。」

アル 「メル…」

僕らは部屋に戻り、僕はベッドに座って部屋を見た。

メル 「久しぶりに部屋に戻った気分。」

アル 「メルはずっと眠っていたからね。それにしても…机や椅子が三つずつ…」

メル 「本当だ。教科書もそれぞれ揃ってる…」

アル 「ルームメイトが増えたのかな…」

少しして部屋に校長先生と副校長先生が来た。

校長 「アル、メル。少し良いですか?」

校長先生の後ろには僕らと同じくらいの背をした男の子が立っていた。

校長 「ロルのこと、覚えていますか?」

メル 「ロル?私たちと似た名前だね。」

アル 「うん。でも、覚えているって…僕ら知り合いでしたか?」

校長 「…いえ。今日からロルもルームメイトになります。不便なことなどロルが助けになってくれます。」

アル 「あっ…僕らのためにルームメイトを増やしてくれたんですね。」

校長 「…ロルと仲良くしてあげてください。」

校長先生が部屋を出て行き、立ちすくんでいたロルの手をメルが握った。

メル 「入って。ロルは転入生?」

ロル 「う、うん。」

メル 「私はメル。こっちが兄のアル。」

ロル 「…あ、あのさ。二人の体調はどう?」

アル 「あー…聞いてない?僕は下半身麻痺、メルは片腕を麻痺しているんだ。ずっと食事を摂っていなかったメルがなぜだか元気にしているくらいかな。」

メル 「不思議と気分が良かったんだよね。結構長く眠っていたみたいなんだけど。」

ロル 「そ、そっか…」

アル 「…僕ら、迷惑は掛けないようにするから。」

ロル 「えっ、どうして?」

アル 「これは家族内での問題だし、僕らはルームメイトになったばかりだからね。」

ロル 「家族…」

メル 「ロ、ロルの家族はどんな人?」

ロル 「…家族、居なくなっちゃった…」

ロルの発言に僕は驚いてメルと顔を見合わせた。

メル 「ご、ごめんね。変なこと聞いちゃって…」

アル 「…ロル。学校内のことを教えるよ。こっち、座って。」

僕が言うとロルは急に泣き出してしまった。

メル 「…」

メルがお茶を淹れてくれて少しするとロルは落ち着いてきた。

アル 「…家族に何かあるんだね。僕らもなんだ。両親は居ない。」

ロル 「っ…」

アル 「…僕らの両親は研究が好きでさ。魔法を皆に広めることを目標にしていたんだ。でも、あるとき、研究に失敗して爆発に巻き込まれて亡くなった。医者もいろんな魔法を試してくれた。だけど、両親は救えなかった。孤児院に入った僕らを校長先生が見つけてくれて、この学校でも学べるようにしてくれたんだ。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ