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僕らの絆ものがたり  作者: 仙夏


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5/12

05

校長 「ロル。」

ロル 「校長先生。何か分かりましたか?」

校長 「一緒に来てください。」

校長先生と副校長先生に続いて鏡を通るとアルを見つけた例の建物の場所に来た。

校長 「ロル。上級生と何かトラブルはありませんでしたか?」

校長先生はそう言いながら部屋の中を見ていた。

ロル 「…実は昨日…」

僕は、昨日の夜に上級生に囲まれたこと、アルたちが助けてくれたこと、上級生がアルを良いように思っていないことを話した。

校長 「…なるほど。上級生三名が自分たちがやったと名乗り出てきました。確かにアルに対して嫌悪感を抱いているようでした。」

ロル 「…アルは、上級生に対して僕とメルに不満があっても自分に文句を言うよう言っていました。僕にはそんな勇気ないですが…」

校長 「…やはり、アルの弱点はロルとメルのようですね。上級生は、アルに自分たちに抵抗したら二人を傷つけると言ったそうです。だから、アルは抵抗できずに上級生にされるがまま傷付けられた。」

ロル 「…アルが自分から部屋を出た理由も…」

校長先生は僕を見ながら小さく頷いた。

校長 「…もしかするとアルは、どこか障害を負ってしまうかもしれません。これ程の毒を長時間吸い続けてしまったのです。どこかの神経が麻痺してもおかしくない…」

ロル 「…アルが…?で、でも、魔法で…」

校長 「…魔法が完全ではないこと、ロルもよく分かっているはずです。簡単な怪我を治すことはできますが…」

ロル 「…」

校長 「…魔法も使えなくなってしまう可能性もあります。」

ロル 「っ、駄目です。アルは、あんなに努力をしていた…アルは何も悪いことをしていないのに…」

校長 「…」


僕は、早くアルを助けられなかった自分を責めて本当に自分が嫌になった。

部屋で一人で考えごとをしていると気づけば夜になっていた。

部屋を出て医務室に向かうと、医務室は何だか騒がしかった。

生徒たちの間をかき分けて、中を覗くと先生方や生徒がたくさん集まっていて、先生の一人が僕に気づくと僕の腕を引いて騒ぎの中へと引っ張った。

ロル 「…何かあったんですか?」

校長 「…ロル。落ち着いて聞いてくださいね。メル…メルの腕の神経が麻痺してしまって…」

ロル 「えっ…?」

マリー 「…ロルとは逆にメルは毒に滅相弱く、その上、強力な毒だったんです…」

校長 「…メルがここまで毒に弱いとは…解毒剤でも解毒しきれず、毒が回ってしまったようで…」

ロル 「う、嘘…僕が早くあの部屋から出してあげていれば…」

校長 「…ロルのせいではないですよ。」

ロル 「…」

校長先生の隣では先生方に囲まれ、怒られていたのであろう上級生が居た。

僕は、苛立ちをどこに向けたら良いか分からなくて無意識に上級生の方へ向かって走り出し、上級生を殴ろうとしていた。

僕の手を校長先生と副校長先生が止めた。

校長 「ロル、落ち着きなさい。ロルまでこの学校に居られなくなってしまいます。」

ロル 「何で!何で…メルもアルも魔法が使えなくなってしまったら…二人とも僕より優しいんだよ!僕を守ってくれるんだよ!なのに…何も悪いことしていないのに…」

副校長 「落ち着いて。」

あの後の記憶はあまり残ってない。

目が覚めると明け方で部屋に寝かされていた。


窓の外は嵐が吹き荒れていて、僕はどうしたら良いか分からなかった。

僕は、例の建物で見つけて隠していた本に気づき、本を出して開いた。

何気なくページを捲っているとあるページで目が留まった。

ロル 「っ…体を取り換える魔法…これなら、体の一部を取り換えられるかも…」

アル 「…ロル?」

ロル 「えっ!アル!?」

アル 「しっ。メルが寝ているから。でも目を覚ましてくれて良かった。三日も眠ってるって聞いて驚いたよ。」

ロル 「三日?」

カレンダーを見ると、メルの腕が麻痺したと聞いてから三日が経っていた。

ロル 「そんなに眠ってたんだ…」

アル 「ロルは元気そうで安心したよ。メルは…」

ロル 「…毒を吸っちゃって…腕を麻痺してるって…」

アル 「…僕のせいだ…僕が守り切れなかった…」

ロル 「違う。アルは悪くない…アルだってボロボロになって…」

アル 「僕は良いんだ…でも…メルも学校に残れないのかな…」

ロル 「え、メルもって…」

アル 「…聞かなかった?僕は下半身麻痺。上は動くけど下が動かなきゃ歩けもしないし立つこともできない。」

ロル 「そんな…」

アル 「…やっぱり、僕の弱点はロルとメルだったよ。」

ロル 「えっ?」

アル 「…二人を傷付けるって言われたら…何もできなかった。二人が傷つくなんて耐えられない。」

アルは、メルの頭を撫でながら言った。

ロル 「…でも…アルもメルも魔法が大好きなのに…」

アル 「…ロルもそうでしょ?ロルだけでも無事で良かったよ。」

ロル 「良くない…僕は魔法なんか全く使えない…箒だって酔い止めの薬を飲まなきゃ乗れないし、というか飛ばせないし…何をしても出来損ないなのに…」

アル 「ロルは出来損ないなんかじゃないよ。ロルは頑張り屋だもん。」

ロル 「良いよ…慰めなくて…辛いのはアルの方でしょ…?」

アル 「…そんなことないよ。自分から上級生に喧嘩を売ったんだし、こうなって当然だったのかもしれない。何か、勘違いしてたよ。守れると思っていた。ロルやメルを。でも…僕のせいでこうやって二人に迷惑を掛けちゃった…」

ロル 「…アル…」

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