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僕らの絆ものがたり  作者: 仙夏


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2/12

02

校長先生と医務室に行くと、メルは目を覚ましていて、傍にアルが居た。

ロル 「…メル、大丈夫?」

メル 「うん…ちょっと、めまいがして…」

アル 「昨日の疲れが抜けていなかったのかな…」

校長 「今夜は、ゆっくり休んでください。」

校長先生がメルの目元に手を添えるとメルは眠っていた。

校長 「アル、メルを部屋で休ませてあげてください。新入生がこちらに向かっていますから。」

校長先生は、そう言いながら大きな鏡を出した。

魔法使いの中でも上級の魔法使いのみが持てると言われている鏡。

思いどおりの場所にすぐに移動できる。

鏡は、僕らの部屋を映し出していた。

アル 「はい。ロル、行こう。」

校長 「ロルは後から返します。少し話があるので。」

アル 「話?そうですか、分かりました。では、お先に失礼します。」

アルは、そう言ってメルを抱き上げて鏡を通った。


校長 「ロル。座りなさい。」

校長先生は、鏡を仕舞い、遠くにあった椅子を引き寄せた。

ロル 「…はい。」

校長 「ロルは、二人のことが好きですか?」

ロル 「…好き、です…」

校長 「…本当は?」

ロル 「…少しだけ嫌いです…僕は、二人と違って劣っているから…」

校長 「でも、二人はロルのことが本当に大好きなんですよ。」

ロル 「そんなはずありません…僕は二人の足を引っ張ってばかりだから…」

校長 「…アルとメルにもそれぞれ弱点があります。それが何か分かりますか?」

ロル 「弱点?メルは、生まれつき体が弱いところかな…でも、アルには弱点なんかないですよ。」

校長 「まずは、相手を知ることが大事です。人は誰しも強みと弱みを持っています。必ずアルにも弱点はありますよ。」

ロル 「弱点…あのアルにですか?」


次の日の授業から僕はアルの観察を始めた。

アル 「ロル。どうかしたの?」

夕食の時間、食事を食べながらアルは僕に声を掛けた。

メル 「あっ、ロル、こぼしてるよ。何か考えごと?」

メルは、そう言いながら机を拭いてくれた。

ロル 「…いや、何でもないよ。」

アル 「そう?それなら良いんだけど。あっ、メル。今夜の夜間飛行は止めておこうか。まだ体調、治ってないでしょ?」

メル 「ちょ、ちょっと、アル…」

メルは僕の方をチラチラ見ながら人差し指を口に当てた。

アル 「あっ…ご、ごめん、ロル…少しメルと箒に乗る練習をしているだけだよ。」

ロル 「…良いよ、僕はまだ飛べないし。メルの体調が良くなったら行ってきなよ。」

アル 「っ、ロル…」

そして、また新入生がアルとメルのところに集まり始めた。

僕は、パンを一つ手に取って立ち上がった。

メル 「ロル、もう良いの?」

ロル 「…うん。先に戻るよ。」

僕は、大講堂を出て中庭に向かった。


中庭のベンチに座って空を見上げながらパンをかじった。

今夜は良い天気…星もきれいに見える…

ロル 「アルに弱点か…そんなの見つからないよ…」

すると、僕の目の前に三人の上級生が現れた。

上級生 「おい。」

ロル 「上級生?」

上級生 「ちょっと、面貸せ。あいつに復讐してやるんだ。」

ロル 「えっ、あいつって?」

上級生 「アルに決まってんだろ。下級生のくせに上級生の教科書にまで手を出しやがって。」

ロル 「それは、アルが勉強をしたいだけじゃないか。」

上級生 「俺らもアルと比べられるんだ。生意気なんだよ。」

ロル 「生意気って…」

アル 「ちょっと。何やってるんですか。」

そちらを見ると、アルとメルがいた。

上級生 「新入生に囲まれた人気者のくせにもう解放されたのか?」

アル 「ロルを一人にできるわけないでしょう?こんな危ないやつもいるというのに。」

上級生 「何だって!」

アル 「どうしてロルに手を出すんです?僕が気に食わないなら僕に言えば良い。」

上級生 「ああ、言ってやる。その生意気な口を二度と利けないようにしてやる。」

アル 「それはこっちの台詞。」

アルはそう言って杖を振った。

上級生たちは急に口を押えて僕から離れた。

アル 「ロル、怪我はない?」

アルは僕の方に来て僕の腕や足を確認した。


そして、アルは僕とメルを抱き寄せた。

アル 「僕に文句があるなら僕に言って。それと、二人に文句があるときもね。この二人に辛い思いはさせないで。」

上級生は口を押さえたまま、アルを睨みつけて、どこかへ行ってしまった。

アル 「ふぅ、やっと行った。部屋に戻ろう。また雨が降りそうだし。」

部屋に戻って、三人で勉強をしていると、僕はふとアルを見た。

アル 「何?さっきから僕の顔を見て。何かあった?」

ロル 「…アルってさ、弱点ある?」

メル 「ふふ。アルにある?」

アル 「メル、君の笑いのツボってそんなに浅かった?」

メル 「そ、そんなことないよ。」

アル 「弱点か…極力つくらないようにしているけど。でも何で?」

ロル 「いや…アルは、何でもできるから弱点とかあるのかなって。」

アル 「ふふ、そんなの知ってどうするの。あっ、やっぱり降り出した。」

アルは、そう言って立ち上がり窓を閉めた。

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