第15話 北の塔の悲劇
【短編】で投稿した『ぼくは、幻聴に恋をした(改)』を【完結版】として連載投稿開始いたしました。完結しておりますので、最後まで楽しんでいただければ幸いです。
ちなみに、第1話は、【短編】と同一の内容になっております。前作を読んでいただいた方は、第2話からお読みいただいても大丈夫です。まだの方は、第1話からお読みいただけると、より楽しめると思います。
朝のさわやかな晴れ間が、嘘のような曇天になっていた。
マチルダ大奥様から伺った、ケインさんの伝言にしたがい、ヒトシさんたちと合流することにした。
ヒトシさんたちは、昼間は王都の中心にある王都の行政機関の建物にいる。
ぼくたちは、そこを訪ね、ヒトシさんたちと合流した。
「ホーリー、立て続けに仕事にありつくとは、順調だな」
「ヒトシさんのおかげです」
「いいや、俺はなにも」
「ケインさんは?」
ヒトシさんの仲間が、ケインさんを呼びに行ってくれた。
「何かあったか?」
ぼくは言いよどんだ。
「ケインの素性の件か」
「知っていたんですか!?」
「夕べな。ケインがみんなに話したんだ。王妃の妹だと」
「そうだったんですね……」
「ケインは、折りをみて、セリーナ王妃である姉を救い出し、父親を陥れたおとしいいれ)た連中に一矢報いたいと考えているらしいだが……」
「そこまで……」
「むろん、止めた。今のケインには無理だ。それに」
その場にいたヒトシさんのパーティーメンバーを、ちらりと見た。
「俺たちは、一蓮托生だ。現役大臣に弓引けば、どうなるかは自明の理だ」
「じゃぁ、ヒトシさんは、このまま見過ごすんですか?」
ぼくは、興奮してヒトシさんに詰めよった。
「どうした、坊主?」
「ぼくは、ちからのない子供です」
「そんなことは言っちゃいないだろう。らしくねぇ」
ぼくが興奮気味にヒトシさんにかみついていると、ケインさんが部屋にはいってきた。
「ごめんなさい。ホーリーくん」
「ケインさん」
「ヒトシリーダーは、悪くないの」
「それは、しってます。ただ……」
「ありがとう。優しいね。ぼく、ううん、私たちのことを気にかけてくれてるんだね」
ケインさんは、唇をかんだ。
「ありがとう。姉はもうすぐ、『自由』になれる」
一同はケインさんをみた。
「ごめんなさい。ホーリーくん。乳母のマチルダが君に託した薬は、姉さまが塔から出るための」
部屋の外で怒号が飛びかっている。
その声は、この部屋のドアを蹴破らんばかりの勢いではいってきた。
「ここに、『ポーターのホーリー』はいるか!!」
数人の衛兵が転がり込んできて、ぼくを探していた。
「ぼくが」
「お前か!!セリーナ王妃殺害の罪で、連行する!!」
ヒトシさんとケインさん以外は、みな驚いていた。
「どーゆーことですか?」
「しらばっくれるな!!生前の王妃様に最後にあったのはお前だけだ!!しかもお前は、王妃様の薬を運んできただろう!その薬を服用後、眠るように亡くなったんだ!!」
「そっ、そんな!あの薬は…」
「口ごたえするな!!猛毒の赤い薬を渡しただろう!!薬屋の主からも証言を得ているんだ。お前から依頼された猛毒の赤い薬を用意するように!!」
そんな馬鹿な!!
ぼくは、マチルダ大奥様に頼まれた『薬』を……、そうゆうことだったのか。
衛兵からおもいっきり顔を殴られた。
真実に気を取られ、まともに受けてしまった。
飛ぶ意識の中で、ヒトシさんの怒り声をきいた。
ぼくは、セリーナ王妃にナナコさんが、手渡していた赤い玉を思い出した。
あれは、ナナコさんが、『悠久の眠り』についたときにそなえらえた赤い玉の薬だったんだ。
ナナコさんも、ぼくを助けてはくれないんだね。
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本日 PM22:00より 第16話~第20話(完結)を投稿いたします。
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