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38.戦い

 あれから3日監視を続けているがまだ現れない。

 姉妹とメイリンもここへやってきた。


「魔王様とふたりで十分なのに。」


「あら、ふたりだけで何をやってたのかしら。」


「巻き込みたくないだけだよ。」


「一緒に住んでるだけで向こうには同じよ。」


「退屈なのよねー。」


「ミリー遊びじゃないよ。」


「いいではないか、お主の作る料理にも飽きてきた。」


「魔王様わかってるー。」


 まるでキャンプでも楽しむような雰囲気になってきたがシーラがいれば食事は豪華になりそうだ。


「それでメイリンは?」


「む、私の食事は誰が作るのだ!」


 メシ目当てですか。


「これで見てるの?」


「ああ見てごらん。」


「なんか不思議、これは遠くが見えてるのかしら。」


 目の前の揺れる山のほうが不思議だ。



 次の日ついにやってきた。


「あれは何?、黒い点が。」


「見てみよう、・・・あれは馬車だ2台かな、まだ遠いな。」


 それから隠れてしまったが次に見えた時は輪郭が見えてきた。


「先頭は騎士団の馬車だ後ろは・・・違うな。」


 後ろの馬車は貴族の使う格式のあるものではなく普通の馬車だ。


「どうやら助っ人を雇ったな、冒険者かな。」


「戦いに来ておるようじゃな。」


「一応は止めて聞いてみるが戦いに来ている。

 配置は俺が正面で魔王様は後ろ、残りは横で待機してて。

 戦いが始まるまではみんな隠れてて。」


 テントなどを片付け街道へ向かい歩いた。


「これが良さそうだ。」


「何に使うつもり?」


「道に置いて馬車を止める、突っ込んできたら困る。」


 大きな石を5つアイテムボックスへ入れておいた。



「ここでいいか。」


 石を道に適当に置いた。


「それじゃあみんなは隠れて作戦通りに頼む、もうすぐ来るぞ。」


 少し待ったら見えて来た。


 馬車が止まり降りてきたのは騎士が6人、

 後ろの馬車の冒険者も6人で警戒するように周囲を見回してる。

 少し待ってから声をかけた、障害物を道に置くのは盗賊が使う手だ。


「盗賊じゃないですよ。」


「石を置いたのはお前か?」


「そんな力持ちに見えます?」


「ここで何をしておる。」


「騎士団と冒険者の組み合わせとは珍しい、何しにここへ?」


「貴様には関係ない。」


「そうかな、俺に会いに来たんでしょ。」


「貴様が例の冒険者か!」


「それで何しにここへ?」


「決まっておる。者ども! こいつだー。」


 そう言って剣を抜いた、後ろの仲間達も剣を抜き戦いが始まった。


『動くな!』言霊を放つ。


 杖を持ったひとり除いて全員動きが止まった。

 続いて剣を抜き先頭の男の右手に切りつけ後は首筋を刺して回った。


「修行が足りんな、私なら一瞬で終わらせるぞ。」


 石に変えられるなら出来るだろう、もっと練習しよう。

 杖持ちは魔王が片付けたようだ、先頭の男以外はみんな倒れている。


「そいつには聞きたいことがある、見張っといてくれ。」


 死体を収納し馬を放した、そして馬車と石を収納。

 シーラとミリーが痕跡を消している。


「聞いておきたいんだが、騎士団長の許可はもらったのか?」


「当然だ。」


「その割には騎士の人数が6人とは少ないな。

 それに冒険者を雇うのは騎士団のやりかたじゃない。」


「ぐっ」


「雇ったのは子爵家かな。」


「・・・。」


「やっぱりか。」


 男は片付けておいた。


「今日は帰ってゆっくり休もう。」


 久しぶりに家に帰ってベッドで寝れる。

 早く終わらせて元ののんびりした生活にもどりたい。



読んで頂いてありがとうございます。

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