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39.王都

 街道での戦いの翌朝


「メイリン先生。」


「いきなりなによ。」


「ちょっと気になったんだけど。

 相手の冒険者で杖を持ってた人いたけど。」


「あんたには必要ないわよ。

 あれはねー簡単に言うと水属性のシーラがファイヤーボールを打つ為に使うものなの。

 自分の属性以外の魔法が使える魔道具ね。」


「私も火魔法が使える杖か。」


「ミリーがいるから必要ないでしょ。」


「そうね要らないわ。」


「杖を持ったら弓が使えないでしょ、だからみんなには必要ないわね。」


「先生の言うとおりだわ。」


 メイリンがドヤ顔だ。


「魔法使い用の剣ってないかな。

 火を放つと熱くなって持てない、氷を飛ばすと冷たくて持てない。

 どうにかできない?」


「有るけど高いわよ、王都に行けば売ってるかもね。

 希少なミスリルで造られた希少品だから。」


「やっぱり剣か盾の1つしか持てないのか。」


「まったく贅沢な悩みね、すべての属性魔法が使えるのに。」


「余裕じゃな、と言うことはどうするか決めたか?」


「王都に行ってけりをつける。例の子爵が元凶みたいだから元を断つしかないな。」


「ならば一緒に行ってやろう、私の使い魔で急げば王都まで3日でいけるぞ。」


「ああ頼む、明日出発しよう。

 メイリンも手伝ってくれ大きな屋敷だと目的の奴を探すのが大変だ。」



 魔王とふたりで出発した。

 急げば3日と言われたがさすがに乗る人間のほうがきついので4日の行程だ。

 途中の山奥で冒険者の死体は埋めた、いつまでも収納しておくのは気持ちが悪い。




 午後に王都に到着した。

 子爵の屋敷はすぐに見つかった、想像通り大きな屋敷だった。


「どこかで食事しよう、外にテーブルがあるレストランを探すか。」


「王都のレストランか楽しみだわね。」


「高級なとこは無理だぞ。」


「わかってるわよ。」


 人の多い繁華街でレストランを見つけた、ここならメイリンも一緒で大丈夫そうだ。


「王都の割には大したことないわね。」


「そうだね。」


 ここは都会だからか水がまずい。

 他にも大都会としての問題がありそうだ。


「夜まで公園で時間をつぶそう。」


「宿は取らないの?」


「宿は真っ先に調べられるからやめておこう。」


 目立たないように公園で時間を潰す。途中屋台で夜食を調達しておいた。

 そして夜になり行動の時間だ。


「メイリン頼む。二時間程待って俺達も向かう。」


「まかせて、探しておくわ。」


 そう言ってメイリンは静かに去っていった。

 2時間程待機して魔王とふたり静かに動き出し屋敷を目指した。

 屋敷に到着し近くで待ってるとメイリンがやってきた。


「あそこ、二階の角の書斎にいるわよ、付いてきて。」


 通用門から入り隠れて屋敷へ向かう窓のひとつは鍵が開いていた。


「ここから入るわよ。」


 そっと窓を開け入りメイリンを先頭に歩いていく。

 二階の奥まできた、ドアの下から灯りが漏れていた。

 ノックを二度鳴らして入っていくと男がいた。

 高級な机を前にして椅子に座っている。


「こんばんは、子爵様。」


「誰だね君たちは、ここはこの私ダルトン・ルーイット子爵の屋敷だぞ。」


「もちろん知っている。だから辺境の街からここまでやって来たんだ。」


「そうか、貴様が息子を殺した男か。何が目的だ?」


「使いをよこしたでしょう?その返事ですよ。」


『ポイズン』を放った。


「ぐっ貴様この私は・・・子爵だぞ・・・ごぶっ。」


 男は苦しそうに机に突っ伏しているがそのまま放置する。

 しばらくして死んだ。


「戻ろうか。」


 来たルートを戻り外へでて静かに公園へ向かって歩いていく。

 朝まで公園で過ごすのはつまらないが他に行き場がない。


「こっちだ。」


「えっ何処へ向かうつもり?」


「貧民街に拠点がある。そこで泊まっていこう。」


 魔王が王都に拠点を持ってたなんて。


「情報収集の拠点くらい作るのは当然だろ。」


 貧民街の拠点は目立たないみすぼらしい家だが中は意外に広かった。

 部屋をひとつ貸してもらいベッドで眠りについた。


 朝になった、魔王は仲間となにやら話をしている。


「望遠鏡をここに置いていきたいがいいか?」


「ああいいよ、また作ってもらおう。」


 それから拠点を出て屋台で食事を買って公園で食べた。


「用事は済んだ、家に帰ろう。」


 王都を出て魔王の使い魔に乗り辺境へ向かった。


読んで頂いてありがとうございます。

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