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37.望遠鏡

「ところで魔王様、店の方は。」


「順調じゃ。」


「そろそろ依頼した道具がどうなったか気になりますね。

 商人さんに会いに行きませんか?」


「随分と余裕じゃな。」


「王都は遠いから、すぐには来れないでしょ。

 やりかけの仕事は終わらせておきたい。」


 領主から王都まで馬車で10日以上はかかると聞いた。

 往復20日、遠いからこそ馬を無理に走らせれば潰れてしまうらしい。



「ロイさん道具はどうなりましたか?」


「1つは出来ております。」


 望遠鏡を持ってきた、長さを調整し焦点を合わせてみる。


「初めての割には上出来だね。台のほうは?」


「制作中です。」


「持ち帰って試してみていいかな?」


「ええ、かまいません。」


「帰って試してみようか。」



 家に帰ってきた。


「二階から見てみよう。」


 海の見てみると浮かぶ船が良く見えた。


「魔王様どうぞ、試してみて。」


「どれ・・・ ほーこれは、遠くの船まで良く見えるな。」


「望遠鏡とはそういう道具です。」


「これがあれば遠くの光も見えます、夜なら特に。

 あとは試してみて性能の確認だね。

 性能不足だったらもっと大きいのを作ってもらおう。」


「あと注意点が、絶対に太陽を見ないように、目がつぶれます。」


「これはいいな。あの山の向こうにベルジュの街があるじゃろ?

 つまり山からの灯りが見えれば使えるということじゃな?」


「山だと雨雲がかかったりするからダメですね。」


「なるほど適当な高さの丘くらいがいいのか。」


「ほら右にある丘とかあそこは街道に近いかな。」


「水が確保できて街道から馬車が通れるところか。

 探しておこう。」


「食料とかは配達することになるからね。

 灯りの道具が出来たら試験してみよう。」



「ここから門が見えたらいいがな。」


「ずっと監視するのは疲れるでしょ。

 来たら領主から連絡あると思いますよ。」


「一時的に屋台を門の近くに移動してうちの者に監視させる。」


「出来るのなら助かります。」


「状況が早く分かったほうがいいじゃろ。

 人数が多かったら私も隠れて手伝うぞ。」


「シーラとミリーは避難させたい。」


「店にいてもらうか。」


「早くて10日後くらいかな。」


 今頃は王都で騒ぎになっている頃だろう。


「こっちから迎え撃つと言う手もあるぞ。

 街道で待ち伏せじゃ。」


「それだと盗賊扱いされるかも。」


「勝てば問題あるまい?

 人数が多ければ殺しに来たと思ってよい、捕まったら五体満足で開放されるわけがない。

 その場合はこっちもそのつもりでいく、人目がないほうが好都合だからな。」


「なるほど、少ない場合はやり過ごして街へ戻ればいいと。」


「私の使い魔に乗ってすぐ戻れるぞ。

 騎士団の者達が待ち伏せされたから負けたなどと風潮するかな。

 自分を殺しに来る者たちに遠慮しては負けるぞ。」


「彼らには行方不明になってもらうか。」


 ダンジョンの地下15階とかなら見つからないだろう。

 10日後には街道を監視出来る場所にテントを張って待機するとしよう。

 望遠鏡もあるから遠くから見ることができる。

 三脚が間に合えばいいが。



 あれから10日たった。

 魔王とその使い魔と共に街の近くの丘に来た。

 ここにテントを張り街道の監視を始め、魔王と交代で望遠鏡を覗き騎士団が来るのを待つ。


「これがあれば監視に便利じゃな。」


「のんびり待ちましょう。」


「馬車で来るだろうから目立つしすぐにわかりますよ。

 前回は馬車1台で7人だった、2台以上なら戦いに来てるな。」


 穏便に済ませたいが戦いになるような気がする。

 騎士団のようなプライドの塊の集団が辺境に住む田舎者に負けてそのままで済ますはずがない。


読んで頂いてありがとうございます。

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