『第一幕』
いじめ、暴力表現があります。苦手な方は注意してください。
「ねぇ、立花さんって暗くない?」
「だよね。なんか、親がいなくて親戚の人に養ってもらってるらしいよ」
「うわ、もしかして不幸ぶってんじゃない?気持ちわるーい!」
「自分ひとりだけが不幸なわけじゃないのにね」
「あの雰囲気、ムカつく。私は他の人と違います、みたいな?」
「分かる!まじできもいんだけど」
きゃははは!と笑いながら出ていく、同じクラスの女子生徒達。
トイレでまさか自分の悪口を聞くなんて…。
でも、分かってた。
女子生徒から嫌われていたこと。
小学校のときから今の中学三年まで、私は女子から好かれていたことなんてない。
面と向かって悪口を言われたことはないが、それでも傷つくんだ。
悪口を言われて喜ぶ人なんて、いないだろう。
完全にさっきの人達の声が聞こえなくなってから、トイレを出る。
目の前の鏡を見ないように、手を洗って教室を出た。
教室のドアを開けると、女子の鋭い視線が突き刺さる。
見えないふりをして、急いで自分の席へ座った。
授業は大好きだ。
別に勉強が好きなわけではないが、授業中はだれかに嫌悪の目で見られることが少ないからだ。
…しかし、一番嫌いでもある。
誰かとペアやチームを組むとき。
大抵は楽に仲が良い友達と組むだろう。
だが、私は先生と組むか、余った人と組むか…最悪なのは、どこかに混ぜてもらうとき。
女子たちの冷たい視線に晒されるからだ。
チャイムがなって、昼休みになる。
私は持ってきたお弁当をいつもの校舎裏で食べ、時間ぎりぎりまで待ってから教室へ行く。
5,6,7時間目を黙ってやり過ごし、掃除をしてから帰る。
本来、掃除は掃除当番の仕事だが押し付けられるのだ。
それでも、断る勇気はなんてあるはずない。
それならとっくに友達を作っているだろう。
家に帰っても、ゆっくりすることなんてできない。
――引き取ってもらった立花家の叔父さんと叔母さんにはとても感謝している。
だが、叔母さんが亡くなってしまったときから叔父さんは変わってしまった。
会社もやめ、酒やたばこばかりやるようになり、酒を飲むと家の中のものを壊し、私に暴力を振るう。
…でも、あるとき見てしまった。
叔母さんの写真の前で叔父さん泣いていたのを。
何もいえない気持ちで、私はそっと踵を返したのを覚えている。
中学を卒業して、私は公立の頭の良い高校に入った。
早く働いて、今までの恩を2人に返したい。
そのためには、ここに入ることが必要だったからだ。
ここはしっかり勉強でいい成績をとっていれば、バイトをすることができる。
それなら、少しだけでも恩返しできるだろう。
そんなことを考えていると、入学式が終わった。
クラスに行って、自分の席に座るといきなり誰かがしゃべりかけてきた。
「ねぇ、君どこの中学校なん?」
「…青ノ宮」
「え!?あそこって確かめっちゃ可愛い子いるっていう!?」
「そうなの…?」
そうだったのか。
全く知らなかった。
「…はははっ、君おもろいなぁ」
「?」
初めて、面白いって言われた。
私の言葉で笑ってくれた人なんて、いままでいなかった。
「俺、園原 終夜っていうんや。よろしゅうな!」
「立花 春…。よろしく」
それから、園原君とはよくしゃべるようになった。
席も隣同士で、授業中も問題を教えあったり、解き方を一緒に考えたりした。
園原君のおかげでほかの子ともよくしゃべるようになった。
「終夜」
「んー、どないしたん?」
「今度の夏休み、皆で海に行こうって話してたの」
「お、いいなぁ。よし、行こ!」
「じゃあ、皆の予定聞いとくねー」
「わかった」
バイトをして、スマホも自分で買ったし、かわいい服もある。
叔父さんは相変わらず変わらない。
叔父さんから許可をもらって、今日から2泊3日の旅行!
「皆来た?」
「まだ、明が来てへんわ」
「りょーかい」
10分後―
「ごめーん!遅れた。…やべ、俺が最後?」
「そうだよ、ほら!荷物入れて」
「ほんとごめん、春!皆もごめーん!」
そう言ってバスに乗り込む。
「よし、全員かな!じゃ、お願いします」
「若い子は元気がいいねぇ」
「あはは、すみません…。うるさいかもしれません」
「大丈夫だよ。さ、出発するから席に座って」
「はい、よろしくお願いします!」
終夜の隣に座ると、バスが動き出す。
「あー、やばい。楽しみ!」
「春は最初の頃に比べて、よう笑うようになってきたな」
「え、そう?」
「うん」
「やっぱり、終夜がいたからかな!」
「…そんなうれしいこと言わへんで」
「わー、終夜が照れるとか珍しいね」
終夜は、実はすごくモテる。
イケメンだし、誰にでも優しいし、勉強もスポーツもできる。
よし!私も終夜に負けないように頑張る!!
え?スランプから抜けた?
誰が言ったんですか、それ。
・・・すみませんでした!!
こんなに更新が遅くなるなんて…。
これからは頑張ります!
頑張るだけです、すみません!
こんな駄作を読んでくださっている皆様!
本当にありがとうございます!




