『第十二話 試験 マナー&乗馬』
今日はマナーと乗馬の試験の日だ。
もうすぐ私も10歳になる。
学園には12歳から入れるので、それまでにはマナーや魔法制御も完璧に…できるはず。たぶん。
「杏樹、用意できた」
「あ、はい!」
シグレさんに言われて、マナーテスト開始だ。
ドアを開けてからテストが始まるので気を抜けない。
今日からやるすべての教科のテストに合格できれば、なんと冒険者ギルドに登録できるのだ!!
夢の冒険者!!
異世界転生したら、一度はなってみたいよね!
命の危険もあるから冒険者になるには、ある程度の実力もなければならない。
そのために冒険者テストというものがあるらしい。
それに合格するために、まずは皆が出すテストに合格しなければ!!
さて、それでは行きますか。
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2時間のテストの末、ようやく合格をもらった。
ドレスでのテストは慣れなくてきつかった…。
それでも合格!
これで試験は1つクリア!
次のテストは乗馬です。
この家には馬小屋もあって、そこに何頭か馬がいる。
そのなかでも一番いい馬は…
「ブルルッ!」
この目の前で私に向かって威嚇しているアンネローズである。
美しい毛並みに速い足。
シグレさんや他の皆の言うことは聞くのに、私には威嚇しかしてこない。
なんとか心を開いてもらおうと毎日にんじんをあげたり、ブラッシングしてるのに!
「アンネ、静まれ」
「ブルゥ」
踏み鳴らして、今にも突進しようとしていたのにシグレさんが言った途端止める。
私とは雲泥の差だ…。
「貴方が試験の馬なんだよー、お願い!乗せて!」
「ブルルッ!」
「お願いだから!」
「ブルルルルッ!!」
首を横に振って拒否する。
駄目かぁ…。
「毎日にんじんを5本追加でどう?」
「ブルルルッ!」
「食事でも釣られないか!!」
他に何か…。
そうだ!!
たしか…
「そういえば、この前シグレさんの服がなくなったんだよねー」
「!?」
「貴方の馬小屋、ちょっと見ていいかなぁー」
「…ブルゥ」
「え!?乗せてくれる!?」
今度は首を縦に振るアンネローズ。
ふはははっ、作戦勝ち!!
それでは、シグレさんと乗馬勝負ですよ!
この試験の合格は簡単。
シグレさんより速くゴールへ着くこと。
でも、シグレさんってかなり馬に乗るのがうまい。
ふっふっふ、しかし!!
こっちにはアンネローズがいる!
アンネに乗り、ゴール前へ行く。
シグレさんが乗っている馬はNO、2のエリックだ。
「アンネ、1位が取れたら今度他の人の服も…」
「ブルルル!!」
アンネがやる気だ!!
「この魔法弾が上がったらスタートだ」
審判のレイさんが言う。
「それじゃあ、行くぞ。3、2、1」
パンッ、と音が鳴り響くと同時にアンネは走り出す。
最初のジャンプ台を軽々と乗り越え、そのままスピードを緩めずに直線になっているコースを走りぬく。
よし、このまま行けば1位!
そう思っているとカーブのところでアンネがコースから少しずれてしまった。
その隙にエリックに抜かされてしまう。
嘘だろ!?
私の冒険者ライフが!!
「ブルル!!」
おおっと、アンネがスピードを上げた!
速いぞ、エリックを抜かすか!?抜かしたー!
すごいぞアンネ!!
直線のコースに入り、アンネは一気にエリックを引き離していく。
そのままゴールへ行って、無事勝利することができた。
「あれ…、私って何もやってない…」
アンネが優秀過ぎて、何もしなくても勝利できてしまった…。
私のいる意味はどこにいった…。
「ブルルル」
ドヤ顔のアンネに後日、約束の品を渡した。
ブクマ、評価、ありがとうございます!
リョウ「ねぇ、杏樹ちゃん」
杏樹「何ですか?」
リョウ「一着、服が消えたんだよね…、なにか知ってる?」
杏樹「イ、イイエナニモ」




