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『第十二話 試験 マナー&乗馬』


今日はマナーと乗馬の試験の日だ。

もうすぐ私も10歳になる。

学園には12歳から入れるので、それまでにはマナーや魔法制御も完璧に…できるはず。たぶん。


「杏樹、用意できた」

「あ、はい!」


シグレさんに言われて、マナーテスト開始だ。

ドアを開けてからテストが始まるので気を抜けない。

今日からやるすべての教科のテストに合格できれば、なんと冒険者ギルドに登録できるのだ!!

夢の冒険者!!

異世界転生したら、一度はなってみたいよね!

命の危険もあるから冒険者になるには、ある程度の実力もなければならない。

そのために冒険者テストというものがあるらしい。

それに合格するために、まずは皆が出すテストに合格しなければ!!

さて、それでは行きますか。


**********


2時間のテストの末、ようやく合格をもらった。

ドレスでのテストは慣れなくてきつかった…。

それでも合格!

これで試験は1つクリア!

次のテストは乗馬です。


この家には馬小屋もあって、そこに何頭か馬がいる。

そのなかでも一番いい馬は…


「ブルルッ!」


この目の前で私に向かって威嚇しているアンネローズである。

美しい毛並みに速い足。

シグレさんや他の皆の言うことは聞くのに、私には威嚇しかしてこない。

なんとか心を開いてもらおうと毎日にんじんをあげたり、ブラッシングしてるのに!


「アンネ、静まれ」

「ブルゥ」


踏み鳴らして、今にも突進しようとしていたのにシグレさんが言った途端止める。

私とは雲泥の差だ…。


「貴方が試験の馬なんだよー、お願い!乗せて!」

「ブルルッ!」

「お願いだから!」

「ブルルルルッ!!」


首を横に振って拒否する。

駄目かぁ…。


「毎日にんじんを5本追加でどう?」

「ブルルルッ!」

「食事でも釣られないか!!」


他に何か…。

そうだ!!

たしか…


「そういえば、この前シグレさんの服がなくなったんだよねー」

「!?」

「貴方の馬小屋、ちょっと見ていいかなぁー」

「…ブルゥ」

「え!?乗せてくれる!?」


今度は首を縦に振るアンネローズ。

ふはははっ、作戦勝ち!!

それでは、シグレさんと乗馬勝負ですよ!


この試験の合格は簡単。

シグレさんより速くゴールへ着くこと。

でも、シグレさんってかなり馬に乗るのがうまい。

ふっふっふ、しかし!!

こっちにはアンネローズがいる!

アンネに乗り、ゴール前へ行く。

シグレさんが乗っている馬はNO、2のエリックだ。


「アンネ、1位が取れたら今度他の人の服も…」

「ブルルル!!」


アンネがやる気だ!!


「この魔法弾が上がったらスタートだ」


審判のレイさんが言う。


「それじゃあ、行くぞ。3、2、1」


パンッ、と音が鳴り響くと同時にアンネは走り出す。

最初のジャンプ台を軽々と乗り越え、そのままスピードを緩めずに直線になっているコースを走りぬく。

よし、このまま行けば1位!

そう思っているとカーブのところでアンネがコースから少しずれてしまった。

その隙にエリックに抜かされてしまう。

嘘だろ!?

私の冒険者ライフが!!


「ブルル!!」


おおっと、アンネがスピードを上げた!

速いぞ、エリックを抜かすか!?抜かしたー!

すごいぞアンネ!!

直線のコースに入り、アンネは一気にエリックを引き離していく。

そのままゴールへ行って、無事勝利することができた。


「あれ…、私って何もやってない…」


アンネが優秀過ぎて、何もしなくても勝利できてしまった…。

私のいる意味はどこにいった…。


「ブルルル」


ドヤ顔のアンネに後日、約束の品を渡した。



ブクマ、評価、ありがとうございます!


リョウ「ねぇ、杏樹ちゃん」

杏樹「何ですか?」

リョウ「一着、服が消えたんだよね…、なにか知ってる?」

杏樹「イ、イイエナニモ」


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