宇都宮の巫女
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宇都宮の巫女
宇都宮の範疇に入ったらしい。
田んぼが広がる。
周りに集落が並ぶ。
豪族の館のような立派な建物があった。
リーダーが頭に伝える。
「宇都宮の巫女はこの先の広場の向こうだ。」
広場には年寄りがいて、リーダーを知っていた。
子供たちが遊ぶ横を通り抜け、巫女のいる屋敷の扉に近づく。
侍女が扉を開けた。
屋敷の中はひろく、焚き火がたかれていた。
侍女は、奥に誘い、ふすまのような扉の前で、お客様を連れてきましたと伝えた。
中に巫女が鳩を抱いて座っていた。
リーダーが声を出した。
「巫女様、権現堂の元の巫女様で、いまは頭をされてる方を連れてきました。」
「巫女様、権現堂の頭をしています。よろしくお願いします」
「上野から来たようだが、浅間山でも行ってきたのか?」
「はい、浅間山の婆様とあちらに移られた那須の巫女様にあってきました。」
リーダーが答えると、巫女は鳩の頭を撫でて、大きく頷いた。
「うちの巫女がいうのに、ケヤキの木が新たな風を感じ、いま権現堂の竹藪に移った大巫女の祭祀様の話し合い、浅間山の婆様様に聞いてきました。」
なるほど、と頷く巫女。
「近畿圏の動きがあったようじゃな。婆様は何と?」
「婆様は海の向こうから新たな神が来たという事です。これから動きがあるようです。」
「近畿圏の王権が、騒いでいるようじゃ、こちらの豪族どもが騒いでおった」
「ここは、信濃より近畿圏に近いと見える。」
「いや、そうではなく、東北に目を向けておるのじゃ」
「東北というと那須より北側のことですか?」
「那須の巫女が逃げ出したので、いよいよ北に向けて動いておる。蝦夷の奴らが気になるようじゃ。」
「宇都宮は田んぼだけでなく集落や屋敷も多く豪族化が進んでいるんですね。巫女様はどうされてるんですか?」
「我らのところには日光方面の昔からの山の民もいて、同じで相変わらずです。」
「近畿圏の者どもとは別なんですか?」
「そうです。日光の峠の先に巫女の館も出来ました。近畿圏には分かってないと思います」
「別の動きがあるんですか?」
「別ではなく、元々の動きです。縄文と理のある連中ですよ。大巫女様、あ、祭祀様ですね。祭祀様も知っておられる。我らは流れに任せるもの、近畿圏の動きにも合わせられる。大丈夫じゃよ。」
凄い事だ。近畿圏の動きに合わせ、別の日光方との流れもある。
本当にそこのしれないお方だとリーダーは思った。
権現堂の頭もこの巫女と話すのが面白いらしく、話は尽きなかった。
その日は遅くまで話し合いが続き、1泊することになった。




