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もう一つの武士の誕生  作者: 熊さん
第一章:国の動き始め
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那須の巫女

1-7

那須の巫女



次の朝、早くに、森の奥の那須の巫女の小屋に向かった。


婆様の穴の先には、集落が広がっていた。

森の木に寄り添うように小屋が立っていたが、木の枝が絡まっているような小屋の前に男が座っていた。


竹弓を使っていた。


「ここら辺に那須の巫女がいると聞いて来たんだが?」


リーダーが男に聞いた。


「巫女様の小屋は此処だ。ちょっと待て」


木の壁が重なっていて、中に男が入り、誘った。


入り口が分からないように出来ていたが、リーダーと権現堂の頭は、誘いにのって、中に入った。


「巫女様、ケヤキのリーダーと権現堂の頭です。」


「婆様から聞いておる。よく来た。」


「巫女様は、浅間山の暮らしは如何ですか?」


「快適だ。那須の山は岩だらけだったが、この森は豊かで、住民も慕ってくれとる。」


「権現堂の巫女であった者です。那須の巫女にあえて嬉しいです。」


「こちらこそ、権現堂の巫女にあえて光栄だぞ。」


「ここは、弥生化してないんですか?」


「いいや、この森の奥に隠し田んぼが何枚かあるんじゃ。米は便利だから、湧水を利用している」


リーダーは感心して、さらに聞いた。


「近畿圏の動きを巫女様はご存じですか?如何お考えですか?」


「この山は、佐久平での弥生化とは別じゃよ。田んぼは隠しておるし、近畿圏は、知らないだろう」


森の奥の田んぼには反応できてないんだろう。


「長野盆地の縄文集落も、弥生化の田んぼは、使ってるが、我や婆様の話しを聞いてくれる。」


リーダーは、長野盆地の縄文集落を知っていた。


近畿圏の大きな石の屋根の祠の金色の何者かがあっても、近畿圏の統治の力は意外とバラバラだと感じた。


那須の巫女と権現堂の頭と俺は、三人でいまの動きの確認や自分達の暮らしの話をした。


外の男とも話し合い、狩りをして、巫女への贈り物を作った。


森の中の男の動きはリーダーでもようやくついていけるような速さで、権現堂の頭は、場所を指定され、そこに竹弓を射って仕留めた。


何匹か狩って、毛皮や肉を捌いて、巫女に進呈した。


二人は夕食を食べ、一泊して、帰路に向かうことにした。


浅間山の婆様が言っていた噴火の事が気になったが、帰りに婆様に聞くと、数年後に軽い噴火があるはずじゃと平然と答えた。


那須の巫女も小屋守りの男も何とかなると平然としていた。


ここの暮らしなのだろうと思い、リーダーと権現堂の頭は帰るのであった。


浅間山から煙が出ていた。

白い噴煙が青い空に伸びていた。


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