新たな予感
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新たな予感
「良いか、よく考えよ。この長い年月をかけて、近畿圏は、弥生化を進めてきた。豪族が生まれた。しかし、皆を王権だけでは治められない。お前らだってそうだろうが」
「我らには巫女や婆様がいます。近畿圏など、、、」
リーダーが、当たり前じゃないですかという風に答えると、権現堂の頭は、ゆっくりと返した。
「だから我らは古墳も祀らなかったし、、、」
「そりゃお主がいれば権現堂は皆が従うだろう。ケヤキのリーダーも巫女がおるじゃろ」
なるほどと感じた。
婆様が続けた。
「でも近畿圏には限界があるんだろうよ。海の向こうには、違う神様がいるのだと思う。しかし、その神を使うつもりなんだと思う。石を重ねた屋根に白壁の祠。中に金色のモノ。大きな動きがあろう。この山も何年か先に噴火が起きる。」
え、噴火するのか?
リーダーが慌てた。
「噴火があるんですか?」
「いや、何年か先じゃ、その先に、大きな動きを近畿圏そのものが動くはずじゃ」
さらに、新たな動きが近畿圏から来るらしい。
リーダーも権現堂の頭も、巫女たちは、受け入れろっていうんだろうなと感じた。
婆様はまさにそんな感じだ。
リーダーは気がついたように聞いた。
「上越は、動くんでしょうか?」
「いあ、上越は、動かんだろう。気にしないで良いと思うぞ。」
リーダーは安心した。
権現堂の頭は聞き返した。
「上越とは、どういう感じなのだ?」
リーダーが答えた。
「上越は、我らに似ています。海の向こうとの交流はありますが、それだけでしょう。ねぇ、婆様。」
「そうじゃのぉ、上越は、欲がないからな」
権現堂の頭は婆様の理解の深さに恐れ入っていた。
「婆様はおいくつなんですか?」
「そうじゃのぉ、、、一万年ぐらいかな、、、」
リーダーがたまげていた。
「ケヤキの木は1500年と聞いています。一万年ですか、、、」
「ああ、あの坊やが、苗木の頃を知っとるぞ。」
呆れた。
しかし確かに婆様の言葉には深みがある。
権現堂の頭が改めて婆様に聞いた。
「近畿圏の動きに逆らわないのは、理解できましたが、どう受け止めれば良いでしょうか?」
「そうじゃのぉ、ケヤキは、巫女に従え、権現堂にも、竹藪に大巫女がおるのじゃろう。それに従えば良いのじゃ。大丈夫じゃろう。」
リーダーも頭も頭を下げて、おっしゃる通りにと伝えた。
「そうじゃ、那須の巫女は、いまは、浅間山の森の祠にいるぞ。それに宇都宮の巫女も忘れるではないぞ、奴は、弥生化に従わんだろう。」
話は、夜遅くまで続いた。
リーダーもホッとしていた。




