再び日光へ
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再び日光へ
馬に乗って、宇都宮から戻る童子。
風に吹かれて気持ちよさそうだ。
利根川の河原に到着し、そのまま、川を渡る。
馬が大きくいななく。
川向うの微高地に登ってケヤキの木を見つける。
大きく息を吐いた。
《1日で帰って来れた、馬は早いな、助かった。》
平地に降りると男たちが武力の稽古をしていた。
とぉう、やぁ、カキン
刀を使った形の練習のようだ。
童子は、馬から降りて挨拶する。
「皆さん、ただいま戻りました。」
皆が集まって来て、童子を囲む。
「宇都宮の巫女様は、よい返事をくれたか?」
棟梁が入ってきて聞いた。
馬を若手の者が引き受け馬小屋に持っていく。
「はい、ケヤキの巫女様にもお知らせがあります」
そう言うと、棟梁と童子が連れ立って巫女の祠に向かった。
「お疲れさまでした。童子、宇都宮の巫女様は何と?」
「巫女様の話だと、国府に国のお寺、国分寺と国分尼寺ができるそうです。北川辺辺から手助けの話が来るようです。」
「仏教のお寺なのね。了解したわ。ありがとう、それで日光との連絡は?」
「はい、棟梁を連れて行って良いとのことです。」
「では、棟梁、一緒に行って下さい。よろしくお願いします。権現堂の祠の祭祀の使いとして行ってね。」
了解した。と棟梁は大きく頷いた。
棟梁と童子は、ケヤキの祠を出て、棟梁は、男小屋へ、童子は、老人小屋の先に一人で寝泊まりしていた。
ケヤキの集落に来て2年が経っていた。
馬は、慣れたもので直ぐに乗れるようになった。
短剣は扱いが難しかったが最近ようやく慣れたようだ。
仏教の教えの世界からケヤキの暮らしを続けることで、男たちとも馴染み、縄文の理が見えて来ていた。
都の統治の届かないケヤキの集落でも北川辺を使ったやり取りで税を出したり、していたが、戸籍をキチンとしてないので、いい加減だった。
統治は、結局、届いてないことがわかったし、仏教の理屈とは違う縄文の理が浸透していた。
次の朝、童子と棟梁が、馬小屋に集まった。
二人は、利根川をそのまま渡り、宇都宮へ向かった。
途中で休憩して、昼過ぎには宇都宮の広場に出た。
馬を広場の親父に頼み、巫女に挨拶した。
「巫女様、ケヤキの棟梁です。日光に寄って、湖に行ってきます。」
「棟梁、かなり鍛えているのぉ、よしよし、童子も案内よろしくね。」
巫女は、大きく頷き、二人は、巫女と話して、日光に向かった。
まだ日は高く、遠くの男体山が見えていた。
鷹が、ピーと鳴いた。
「童子、祭祀様が見ておるぞ、しっかり案内を頼むぞ」
童子は、気が引き締まった。
親父から馬を受け取り日光に向かった。




