イノシシ狩り
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イノシシ狩り
短剣の発注が終わり、男小屋に戻ると思ったら、荒川沿いに川を登っていく、草花の先に林が立ち並んでいた。
林の先に空き地があった。
そこに先程の男小屋の男たちが待っていた。
「お待たせ、これ鍛冶から預かった刀、必要な奴はとって良いぞ」
まだ大人にならない青年が棟梁の横に来て鍛冶から受け取った袋を受け取った。
「今日は、イノシシ刈りだ、追い立てるのはお前、弓の中心はお前がやれ、後は石を拾って網の担当だ。童子様は、俺に付いてみててくれ」
皆は、分かりましたと返事をして編隊を作って動き出した。
「追い立ては若いのも連れて三人組で、弓はお前が中心で、風上に三人組で狙え、合図は追い立て組から、俺は、後から弓を使う。行くぞ」
棟梁は、若い青年から弓を受け取り、前に進んでいく。
童子は、棟梁の命令でビシッとする男たちの様子を見て感心した。
追い立て組がイノシシの巣の方へ向かう。
弓組は、風上に向かって進む。
棟梁は周りを観察しながら、少し離れたところから向かう。
イノシシの親子連れが、何組か川に向かってらなんとなく追い立てられている。
童子は、これから狩りが始まるんだと思い興奮していた。
イノシシの親たちが川の水を飲むために河原に入る。
耳がピクピクして水を飲む為に、頭を下げた。
「良し、ここだ」
と風上にいた弓組が立ち上がる。
シュ、シュ、シュ
「石を投げろ」
ボコン、ボコン
「もう一つ打つぞ」
シュ、シュ、シュ
「それー」
石を持った男たちがイノシシの首筋や頭を殴りつける。
すると後ろから網を持った若い男たちがイノシシを絡め取る。
と、そこで逃げ切った大きなイノシシが走り出している。
そこに立ち上がった棟梁が弓を放つ
シュン、ドン
思わず倒れる大きなイノシシ。
棟梁が走ってイノシシの首筋を短剣で斬りつけ、仕留める。
「良し、いいぞ。今日は4頭で良い。足縛り、血抜きの為に首筋を切れ」
なんていう手際だ。
あっという間に4匹の巨大なイノシシが狩れた。
童子は、驚いて声がでなかった。
男たちが集まり足に縄をかけ、二人で持ち上げる。
「血抜きが終わったら、血を埋めておけよ。後は老人小屋の前で捌くぞ」
老人小屋の前が広場的になっていて、皮をはぎ、肉をさばき肉を分けた。
老人小屋では、爺さんたちが、火を焚き燻製の準備をしている。
「童子様は、巫女の所に肉を持って報告をしてくれ、それは女小屋の分だ。」
童子は、荷物運びはお手の物ですと叫びながら巫女の祠に向かった。
巫女が顔を出して、女小屋の女たちを呼んで、童子を紹介しつつ、肉を喜んでもらってくれた。
童子には、日光での経験とは全く違う、本当の狩りを堪能した。
ケヤキの木が、またカサカサと音を立てて喜んでいるようだ。




