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もう一つの武士の誕生  作者: 熊さん
第二章:関東の理
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短剣の発注

2-6

短剣の発注



青い空、ケヤキの木がカサカサと揺れていた。


童子は、気がついた。


《これは巫女が納得してくれたということだな》


木の揺れを見ていたが、リーダーである棟梁から早くと急かされた。


「すみません。いま、行きます。」


童子は、棟梁が入った男小屋に続いた。


「皆、彼は童子様だ、仲良くしてくれ」


男小屋には、数人の男がゴロゴロしていた。

そこで立ち上がった男が棟梁に話す。


「棟梁、鍛冶屋から連絡で刀が出来てるそうです。」


「そうか、なら調度良い、我が見に行こう、皆は狩りの準備だ今日はイノシシを狩りに行く」


全員が、はいと返事をした。


「童子様は、俺に付いてきてくれ。」


男小屋を出ると馬小屋があって、棟梁が声をかけた。


「親父さん、今日はイノシシ狩りなんで、馬は休憩だ。世話を頼むな」


「イノシシ刈りですか、楽しみです、世話は任せてください。」


親父さんが楽しみにしてるのがわかった。

童子は、イノシシ狩りがどんなことか分からなかった。


「こっちの小屋は老人小屋で、燻製などを作ってくれる。後から肉を渡すのを手伝ってくれ」


童子に隣の小屋を見せて、歩き出した。

付いて行くのが大変だ。

いくつかの小屋を過ぎると、田んぼが広がっていた。


《結構、米作りをしてんだな》


童子は、様子を見ながら、宇都宮と一緒だと思った。


また集落のように小屋が立ち並び、中の女が声をかけた。


「おお、これから荒川の鍛冶に行くんだ。何か面倒はあるか?」


顔を出した女は大丈夫と切り返した。


ケヤキの巫女の祠のあたりは、大きなケヤキの木の周りに木があり、小屋が並んでいたが田んぼが出てきてその先にも小屋が並んでいた。


《結構、広い領地なんだな》


田んぼを過ぎると草原があり、その先は、林のような感じだった。

道は獣道のように細いがしっかりと踏み固められていた。


青い空に鳩が飛んでいた。


空を見上げて童子が鳩に挨拶していた。

棟梁は、こいつ真面目だなと感じた。


「あの鳩は、宇都宮の巫女に帰るんだよな」


「はい、よくご存じですね」


「宇都宮の巫女様とは長い付き合いだからな」


童子は、この棟梁は、よく理解してあるし、気が利く男だと思った。


「ここが鍛冶の場所だ」


キンキン、カン、カン


鉄の叩く音が響いていた。


「すまん、連絡を受けたからきたよ、邪魔するよ」


小屋の中から鍛冶の親父がでてきた。


「呼び出してすみません。棟梁が来られるとは、ご迷惑おかけしました。」


「いや、こちらの都合だから、気にしないでくれ」


「はい、こちらがご注文の刀です。」


親父が刀を何本か机に乗せて見せた。

一本を持ち上げて棟梁が確認している。


「この刀、少し短いですか?」


棟梁は、驚いて顔を童子に向けた。


「良く分かったな。そうだ。我々の刀は、短めなんだよ。親父、良くできてると思う」


親父は、ありがとうございますと言って、包みだした。


「親父さん、この童子には、短剣を作って欲しいだが、どうだろうか」


親父は、ハイと言って、童子脳での長さを見て、わかったとか答えた。


「棟梁の短剣を見せてください」


棟梁が、懐から短剣を出して見せた。


童子は驚いたが、親父は大きく頷き、聞いた。


「童子様、これは少し長いですよね」


と短剣を渡す。

剣を持つ童子。

すると、棟梁がそうだなぁと言い。


「親父の感じで作ってくれ、まだ初心者だ。」


なるほどと思い親父が頷いた。


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