↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もう一つの武士の誕生  作者: 熊さん
第二章:関東の理
PR
18/22

ケヤキの巫女

2-5

ケヤキの巫女



ケヤキの木は30メートルはあろうか。

枝が左右前後に広がっていた。

ケヤキの前に女小屋が並び、ケヤキの前に小さな祠が建っていた。


女小屋の中から子供の声が聞こえた。


童子は、様子を見ながら祠に近づいていった。


祠の前に着くと鳩が降りてきて肩に乗った。


祠の入り口が開いて、巫女が出て来た。


「童子ね。宇都宮の巫女からの連絡は来てるわ、中に入って」


童子は、言われるままに中に入った。


祠の中は板張りで真ん中で火が炊いていた。床の一部からケヤキの苗木が見えていた。


「宇都宮の巫女様は、お元気ですか?キミは僧の修行をしていたそうだけど、、、、」


童子は、巫女に知られていることを不思議とは思わなかった。

鳩を通じて色々話があったのだろうと思った。


「はい、下野薬師寺で修行をしていましたが、宇都宮の巫女様の所でお話を聞いてきました。」


「ケヤキの暮らしは古い生活よ。昔と変わらない暮らしをしているのよ」


「でも米作も盛んにやってるようで、中央とのつながりはないのですか?」


「米作は便利だからね。国府が南の方にできてるみたいだけど、北川辺に相手は任せてるから、ケヤキの集落としては関係ないわ。」


「都と関係ないは、ないでしょ。」


「北川辺は、近畿圏の姫が嫁いで子供が出来て、宝刀をもらったりしてるので繋がりはあるわ。」


童子は、国の統制の難しさを感じたが、そう簡単には支配の理屈ははいらないんだと理解した。


「ケヤキの集落にはリーダー、つまり棟梁がいるので彼と引き合わせるわ」


そこにリーダーが入ってきた。


「巫女様、あれ、お客様か?」


「ちょうどよいです。リーダー、こちらは宇都宮から来た童子です。ケヤキの集落での滞在を手伝って上げて下さい。」


「え、童子、、さまって、何?」


「童子です。下野薬師寺で僧の修行をしてきたものです。宇都宮の巫女様の所でケヤキの話を聞いてきました。」


リーダーは僧が何なのか分からなかったが、宇都宮の巫女の名が出たので安心した。


「リーダー、小屋とか用意をお願いします。任せて良いですか?」


「分かったよ。了解した。」


リーダーはまじまじと童子を見た。


「童子、、様って若いな、いくつなんだ?」


「私は22歳です。下野薬師寺には12歳のころから勤めておりました。」


へー12歳から修行かと、思った。


「よし、まずは男小屋に行こう。そこで相談して段取りしよう。巫女様、それで良いか?」


「リーダーの良いようにお願いします。リーダーのお話は何ですか?」


「いや、今日の報告っと思ってきたので、改めてまたお話をすればそれで良いよ。」


巫女様は、リーダーが引き受けてくれればと安心した。


すると、鳩が飛び立ち空に向かった。


リーダーは何が起きたかと思ったが、巫女がそれを良しとしていたので、そのままにした。


リーダーは童子を連れて男小屋に向かった。


風が吹いて、ケヤキの枝が揺れてカサカサと鳴った。


空は相変わらず青かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。