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もう一つの武士の誕生  作者: 熊さん
第二章:関東の理
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15/22

山登り

2-2

山登り



童子は、日が昇る前に目が覚め、外に出た。

川の流れを感じて、近くの水くみ場にたどり着いた。


川で顔を洗い、身体を軽く拭いた。


そこに族長が現れた。


「童子様、この若者が山の上の泉に近くの祠に行くので、一緒に行ってください」


童子は、礼を言って、その男に付いていった。


「童子様は、山の中で食事で大丈夫かな?」


「飯、、、?。え~とお任せします」


何だ、山登りのハズが飯の心配?

童子は、理屈が分からなかったが、とにかく付いていくことにした。


男は腰に袋をいくつか付けて、弓を抱えていた。


山登りが始まった。


基本は獣道のような細い踏み固められた道があったが、突然、彼は手を伸ばし、童子の動きを制して、草むらで屈んだ。


童子は、意味が分からず、従って、足を折り屈んだ。


すると、藪からキツネの親子が出て来た。


シュッ、トン


親キツネが倒れた。

子供が逃げていった。


男は倒れたキツネの足を持ち上げ、首筋に刃物を入れて血抜きを始めた。


暫くして、血抜きが終わると、足を腰帯にくくりつけて歩き出した。


少し下った所に小川が流れていて、石を組んで、枯れ木を集めて火を焚いた。


一方、大きな石の上で皮をはぎ、肉をさばいた。


焚き火の上に器用に石を乗せて、捌いた肉を置いて焼き始めた。


河原で白い煙が立ち上り、ジューという焼ける匂いが立ち上る。


男は、懐から袋に手を入れて焼いてる肉に振りかけた。


ホオノキの葉に肉を置いていく。


「さぁお食べください。」


童子は、食事のことを聞かれた事を思い出して、聞いてみた。


「ありがとうございます。いつもこのように山登りの途中で食事を取るのですか?」


「山に入れば獣がいますから、途中で狩りをするのは当然ですよ。」


男はホオノキに肉を包み、剥いだ獣の皮を軽く鞣した。


その後山登りを始めるのだが、川辺に水を飲みに来た熊にあった、男は気づかれないように木の陰に隠れ、道を外して山登りを続けた。


童子には分からなかったが、男は山の気配や空気の流れを感じながら前へ進んでいった。


途中で清水の出ている場所で休憩するなど、かなりいつもよりゆっくり登ったようだ。


童子は、かなり急な場所を登ることになったが、山の峰を歩いていたようで、湖からの流れ落ちる滝を見ながら、平地に着いた。


しばらく進むと、湖面が広々と現れ、その反対側には険しい森が見えてきた。


山の上の湖の広さにびっくりした童子を横に男が叫んだ。


「お疲れさまでした。ここが山の上の湖です。祠はすぐそこですよ」


湖を伝う風が爽やかさを増していたが、青い空が青く広がる感じがした。


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