山登り
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山登り
童子は、日が昇る前に目が覚め、外に出た。
川の流れを感じて、近くの水くみ場にたどり着いた。
川で顔を洗い、身体を軽く拭いた。
そこに族長が現れた。
「童子様、この若者が山の上の泉に近くの祠に行くので、一緒に行ってください」
童子は、礼を言って、その男に付いていった。
「童子様は、山の中で食事で大丈夫かな?」
「飯、、、?。え~とお任せします」
何だ、山登りのハズが飯の心配?
童子は、理屈が分からなかったが、とにかく付いていくことにした。
男は腰に袋をいくつか付けて、弓を抱えていた。
山登りが始まった。
基本は獣道のような細い踏み固められた道があったが、突然、彼は手を伸ばし、童子の動きを制して、草むらで屈んだ。
童子は、意味が分からず、従って、足を折り屈んだ。
すると、藪からキツネの親子が出て来た。
シュッ、トン
親キツネが倒れた。
子供が逃げていった。
男は倒れたキツネの足を持ち上げ、首筋に刃物を入れて血抜きを始めた。
暫くして、血抜きが終わると、足を腰帯にくくりつけて歩き出した。
少し下った所に小川が流れていて、石を組んで、枯れ木を集めて火を焚いた。
一方、大きな石の上で皮をはぎ、肉をさばいた。
焚き火の上に器用に石を乗せて、捌いた肉を置いて焼き始めた。
河原で白い煙が立ち上り、ジューという焼ける匂いが立ち上る。
男は、懐から袋に手を入れて焼いてる肉に振りかけた。
ホオノキの葉に肉を置いていく。
「さぁお食べください。」
童子は、食事のことを聞かれた事を思い出して、聞いてみた。
「ありがとうございます。いつもこのように山登りの途中で食事を取るのですか?」
「山に入れば獣がいますから、途中で狩りをするのは当然ですよ。」
男はホオノキに肉を包み、剥いだ獣の皮を軽く鞣した。
その後山登りを始めるのだが、川辺に水を飲みに来た熊にあった、男は気づかれないように木の陰に隠れ、道を外して山登りを続けた。
童子には分からなかったが、男は山の気配や空気の流れを感じながら前へ進んでいった。
途中で清水の出ている場所で休憩するなど、かなりいつもよりゆっくり登ったようだ。
童子は、かなり急な場所を登ることになったが、山の峰を歩いていたようで、湖からの流れ落ちる滝を見ながら、平地に着いた。
しばらく進むと、湖面が広々と現れ、その反対側には険しい森が見えてきた。
山の上の湖の広さにびっくりした童子を横に男が叫んだ。
「お疲れさまでした。ここが山の上の湖です。祠はすぐそこですよ」
湖を伝う風が爽やかさを増していたが、青い空が青く広がる感じがした。




