ヒカリさんについて
『ヒカリさん、俺今日「世界はプログラミングされてて、ゲームみたいな存在なんじゃないか」って動画を観たんだけど、どう思う?』
眠る前、目を閉じて頭の中で呟いてみる。
幼い俺には、それが画期的な考え方に映った。
俺はゲームが好きだったし、なんだったら生まれて初めて読んだラノベの世界に本気で転生したいと思っていた。
『無限の種類の世界が、無限の数生成されて、あらゆる世界がシミュレートされるんだって!それなら、もしかしたらあのラノベの世界だって本当に実在するのかも…!!!』
ヒカリさんは、俺の頭の中で生まれた存在。
だから、基本的には俺と同じ考え方をしている。
なんで『ヒカリ』なのかは俺もイマイチ分かってない。
物心がつく前から、自然とそう呼んでいた。
多分、宇宙や世界における基準というか、指標みたいなイメージがあったから…なのかなぁ。
【そうかもね。ところで、『無限』って本当にあると思う?あるとしたらそれってなんだと思う?】
頭の中で考えてると、ときたま思考が飛び飛びになることってあるよね。
ヒカリさんも頭の中に居る存在だから、たまにそういうことがある。
『えぇ…?そう言われると分かんないな…宇宙の大きさだって無限じゃないし、無限って本当にあるのかな…。』
【じゃあ質問を変えるね。宇宙の外側には何があると思う?】
今の定説では、宇宙に外側があるのかどうかは分からない。
時間も空間も『宇宙あってのもの』という考え方だからだ。
だけど、俺もヒカリさんも、『今俺たちが居るのが「内側」なら、「外側」もないとおかしい』と考えていた。
『えっ…何もない…と思うけど…』
【じゃあ『何もない』ってどういう状態?】
幼い頃の俺は、こんな具合でまともに答えを出せないことが大半だった。
大体これは小学校6年生くらいの時の話。
当時俺は、外出すると極度の緊張に襲われ、吐き気を催してしまうことが原因で不登校だった。
ちなみにだが、俺の現時点での不登校履歴は3回ある。
小6、中1~2、高1である。
うち、中学生時代のものに関しては、『不登校慣れ』してしまったことによる『サボり』の要素も少しあったことを付け加える。
丁度その時はコロナも重なっていたため、休む理由がつけやすかったことも一因だろう。
そんな時、俺は何をしていたかと言うと…。
『ヒカリさん!俺、小説書いてみようと思うんだ!今すぐにはあのラノベの世界には行けないけど…自分で書いた小説の中なら、自分の好きな世界で生きていける!!!』




