Ep.9 賀茂先生と面談(後半)
波乱万丈、竜蟠虎踞
賀茂先生が学生たちに問いかける。
「ここに本来なら存在しないはずのものがあるのですが、なんでしょう?」
現在、机の上にあるもの。
・賀茂先生が持ってきたお菓子類、お茶
・せーめーさんがもらった茶封筒
・茶封筒の中にあった合格通知書、入学許可通知書
・プラスチック製の学生証
20秒ほどで、はい、とさやが挙手する。
「…学生証ですね。
しかも、先ほど決めたはずの清明名義で、
写真が、その…今日着ているジャージなんです。」
「嘘!?」
いぶきが慌てて晴明の学生証を確認する。
確かに、名前が「安倍 清明」名義であること、
そして、絶妙にダサいジャージの襟が写っている、
晴明の証明写真がそこにはあった。
(証明写真の背景は青色一色)
「先生、どうしてですか?」
いぶきが食い気味に尋ねる。
「えーっとですね」
賀茂先生がぽりぽり頭を掻く。
「簡単に言うと、学長に報告した一分もしないうちに、
通知書と学生証の入った茶封筒が天井から降ってきまして。」
「びっくりするじゃないですか、いきなり落ちてくるので。
すると、頭の中で
『ほら、驚いていないでさっさと持って行きなさい。
私が超特急で作成した意味がなくなるじゃあーりませんか』
と言う男性の声がしまして。
それでみなさんの元に戻った、という流れですね。
……あ、その声は学長のものではありませんでした。」
「……もう何が起きてもおかしくないな、って。
若干慣れつつある自分に驚いています」
そう言いながら椅子に座り、ほのぬるくなったお茶を一口飲む。
ほぅ、と一息ついて、ゆっくりと晴明を見る。
「安倍さん、色々とありますが、地道に片付けて行きましょう。」
「それと、すみません。頭に届いたテレパシー、もう一言ありました。
『【ゴーイングマイウェイ研究会】にいいものをたくさん届けておいたから、
ちゃんと荷解きしてね』
だそうです。」
学生四人の頭にクエスチョンマークが浮かんでいた、その時。
湊のスマホが鳴った。
「あ、すみません。ちょっとでます。
…蓮からだ」
「はい、もしもし」
『湊か!?あのさ、部室にダンボール5箱が急に出現したんだよ!』
『メモが貼られていて、【晴明によろしくねん⭐︎】って書かれててさ!』
『で、怪しすぎるからっていうことで神谷が爆破しようとしてる!』
『おいこら!どこからTNT持ってきたんだよ!?
ていうか、なんでそんなもんあるんだよ!?』
「…蓮」
『なんだ!?…あ、信長!神谷を抑えて!』
「それ、大丈夫な荷物だからさ。
今から部室に行くから、待ってて」
「なんだよ〜」という蓮の不満げな声が聞こえた気がしたが、
湊はそれを無視して電話を切る。
湊は数秒、無言でスマホを見つめる。
そして疲れた表情で振り返った。
「…届いたみたいです」
「…そうか。…なんか困ったことがあったら
すぐに僕にも共有するようにしてくださいね」
賀茂先生の声が研究室に静かに響いた。
※ 晴明さんの入試の成績
国語→満点(現代文も、意味わからんものはあったが設問には関係がなかったので解けた)
英語→1問ミス(神界で海外の神様や偉人たちに教えてもらったらしい)
数学・理科→合格点はある(でもずば抜けているわけではない)
社会→歴史・地理で過去のものに関する内容はまあまあできていた。しかし、公民系は壊滅。(解答用紙に何故か晴明自身の思想を書いていたらしい)
※※TNT→トリニトロトルエン。ダイナマイトの成分。がちでなんであるんだ。




