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せーめーさん、大学へ行く 〜神界から派遣されたら、大学が“現代陰陽寮”すぎました〜  作者: 水無月あすか
第一章 せーめーさん、大学デビュー

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Ep.5 研究室までの道のりが長い

迂回路程、十人十色


昼食後、晴明は賀茂先生の研究室に向かう。


「あのさ」

そう言いながら湊が後ろを振り向く。

「俺はともかく、なんで二人も付いてくるの?」


「「面白そうだから」」

昼食を共にしたさや、いぶきが声を揃えて答える。


「……まぁ、賀茂先生なら大丈夫か。」

「でも、いぶき!

ぜっったいに研究室のものに触るなよ!?」


「えー!?うち、そんなに信頼ない!?」


いぶきがぷーっと不服そうに顔を膨らませると、

湊ははぁとため息をつく。


「……下手したら数千万円の弁償だぞ?」


「気をつけまーす……」


いぶきは子うさぎのように縮こまった。



そんな話をしているうちにエレベーターの前に到着した。


晴明が口を開く。


「……これは、異世界への入り口ですか?」


「そんな至る所に異世界の入り口があったら世界のバランス崩れまくりですよ〜。」


湊は笑いながら説明し、

晴明はそれをサラサラと書き留めていく。


その様子を後ろで見ているいぶきとさやはコソコソと小声で話す。


「……ねぇねぇ、湊ってさ、

せーめーさんの質問にちゃんと答えているよね」


「そうね、湊にこんな一面があるなんて知らなかったわ。

……こんなに現代のものに疎いのに、せーめーさん、この先大丈夫かしら」


そうこうしているうちにエレベーターの扉が静かに開いた。


湊に促され、晴明は初めてエレベーターに乗り込む。

「せーめーさん、このボタンを押してください」


湊が指差しているのは「5」と書かれた丸い円盤。

―これが術式起動条件、ですか?

力を込めて押すと、円盤が光る。


「!?」


晴明は一歩後ずさる。


湊はニヤニヤしながら「閉」のボタンを押す。


「さぁ、せーめーさん。五階に行きますよ」


晴明にとって、

初めての“縦移動”が始まった。



エレベーター内でいぶきが晴明に質問する。

「ねぇねぇ、せーめーさん。

せーめーさんって、自分の体を浮き上がらせたり、

式神を召喚して戦ったりしたことあるんでしょ?

そしたら今更だけど、こういうの、あんまりびっくりしないんじゃない?」


晴明はふふっと笑う。

「……私が人として生きていた時、

つまり、皆さんが平安時代と呼んでいる頃に現世にいた私でしたら、

そのような超人的なことはしておりませんでしたよ。」


「「えっ!?」」

いぶきと湊が声を揃えて驚きの声を上げる。


晴明がクスッと笑う。

「……もっとも、

天に召された後でしたら、

そういうこともできるようになりましたがね」


「「「ええっ!?」」」

今度は3人同時に驚く。


チーン

タイミングよく、エレベーターの扉が開いた。




エレベーターを降りた一行は賀茂先生の研究室に向かった。


湊が先に研究室に入ろうとしたら、晴明がスッと前に出る。


「今回は私の件なので、私が行うのがよろしいでしょう」


そう言って取り出したのは桜色の和紙と筆ペン。


サラサラと何かを書くと、フッと息を吹きかける。


すると、和紙は蝶に形作られ、研究室の扉の隙間から入っていった。


その一連の動作は一分もかからなかったが、

三人はただぽかんとしていた。


「なんで手紙?」

「いやいや、突っ込むところそこじゃないよ!?」

「……本当に術式使えるのね」


晴明は不思議そうに首を傾げる。

「あの、人に会う時はまずは便りを出すのが礼儀だと思うのですが……」


すると研究室の扉が開いた。

「……やっぱりあなたですか。」


「想定外のことが起こって驚いたのですが、

まぁ、立ち話もなんなんで。」


賀茂先生が4人を部屋へ招き入れた。

次回、賀茂先生から新事実が明かされます

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