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せーめーさん、大学へ行く 〜神界から派遣されたら、大学が“現代陰陽寮”すぎました〜  作者: 水無月あすか
第三章

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Ep.43 分かっている人に相談するのは手っ取り早い

オンラインミーティングが佳境を迎えた頃、ミーティングルームに一人、新たな参加者が入室した。

安倍晴明である。

晴明

「ただいま散歩から戻りました。

スマホを見たら通知が大変なことになっていまして……。

皆さんがテレビ電話をされているようでしたので、

自力で入ってみたところ、無事に参加できました。

少し成長しました」


桐生

「お、晴明!いいところに!

ちょうど研究会のメンバーが全員揃っているところだ!」


晴明

「そうでしたか。

では、改めまして自己紹介を。

安倍晴明と申します。

大学では、『晴』の字を『清』に改め、『安倍清明』としてお世話になっております。

現世へ降り立ってまだ半月ほどしか経っておらず、日々右往左往しておりますが、

皆様のお力をお借りしながら、一歩ずつ学んでいきたいと思っております。

これからも、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます」


画面越しとは思えないほど丁寧な挨拶に、研究会のメンバーは思わず姿勢を正し、一斉に頭を下げる。


桐生

「えー、それでだな。

今、式神様への適性検査をする前に、交流会をしたらどうか、という話が出ていてな。」


晴明

「それは面白そうですね」


晴明は興味深そうに身を乗り出した。


桐生

「白石のゼミで近々いちご狩りをするらしいんだが、

それにせーめーや式神様も参加して、交流をしたらどうだろう、という内容なんだ。

ただ、問題があってな…」


晴明

「どんな問題でしょうか?

聞いている限り、素晴らしいと思います。

……いちごというものをまだ存じ上げないのですが。」


桐生

「いちごは果物の一種で、甘くて美味しいんだ。

で、その問題だが、白石のゼミの教授、せーめーや式神様の事情を知らない人なんだ」


晴明

「あ、そういうことですか。簡単に解決できます」


桐生

「そうなのか?」


晴明

「はい。

この交流会では、関係者以外には自分の素性を明かさない、

という条件で参加していただけばよいのです。

これから大学で学ぶこともあれば、現世で働くこともあるでしょう。

そのたびに、さまざまな方と接することになりますが、

『私は神です』っていうことはしませんし、よろしくないので、

その練習になります。

バレそうになったら、私がなんとかします。

……もっとも、式神様の中には、以前から頻繁に現世へ降りている方もいらっしゃいます。

振る舞いには慣れておりますので、そう簡単には気づかれないでしょう。」


研究会のメンバーは、晴明のあまりにもスマートな回答に言葉を失っていた。


晴明はというと、スマホでいちごを検索している。

「いちごの果実は真紅なのに、花の色は白色なのですね。

牛乳と一緒に食べると美味しいのですか、なるほど」

いちごに対して興味津々だ。


そんな様子の晴明を見て、いぶきが背もたれにのけぞりながら叫ぶ。


いぶき

「え〜?なんか今まで悩んでいたことが

こうも簡単に解決されるなんて〜!

なんか悔しいというか、もどかしいっていうか〜!」


すると、

「そのようなことはありませんよ」

と晴明の声がするのだが、

画面を見るとみんなギョッとする。


いぶき

「なんでせーめーさんが二人いるの!?」


画面には、スマホをいじっている晴明と、

カメラに向かってピースサインしている晴明が映っている。


スマホをいじっている晴明がいぶきの叫び声に気付き、

自分の横にいる”晴明”を見て眉間に皺を寄せる。


晴明

「…もう、ドッペルゲンガー現象を引き起こさないでくださいよ、貴人様」


貴人

「いや〜、愉快愉快」


カラカラと笑う貴人だが、晴明はあくまで冷静だ。


晴明

「…はい、こちらにいらっしゃるのが貴人様といいまして、

私が契約する数々の式神様の取りまとめをしてくださっています」


貴人

「なんか、十二天将っていう式神集団のまとめ役、かな(笑)

私の話なんかよりもさ〜」

そう言いながらノートパソコンの画面に近づく。

晴明の顔をした貴人のどアップがそこには映る。


貴人

「人はさ、苦しんだり、悔しがったり、悩んだりしているときこそ輝くんだよね〜」


後ろから晴明が

「悩みっぱなしは良くありません」と補足を慌てて入れる。


貴人はじーっと画面を見ていたかと思えば、急にニヤリと笑う。

そして、


「みーんな合格♡」


といきなり告げた。


メンバーは貴人の唐突すぎる合格宣言に理解がついていけずフリーズする。

貴人は構わず続ける。


貴人

「じゃ、神々に報告してくる。

今回は見込みあるよ、って。

晴明、また連絡するよ」


そう言ってパッといなくなった。

晴明は貴人を見送った後、カメラに向かって恭しく礼をする。


晴明

「皆様、おめでとうございます。貴人様に認められたということは……

神々の祝福を受けられるでしょう。」


どえらいことに足を突っ込んだかも、と戦々恐々するメンバーだった。

さすがのいぶきも空気は読みました(読めました)

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