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せーめーさん、大学へ行く 〜神界から派遣されたら、大学が“現代陰陽寮”すぎました〜  作者: 水無月あすか
第二章 準備には時間がかかります

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Ep.35 パトロンはまさかの学長

晴明、湊、太陰たいおん、白虎は引き続き、賀茂先生たちとテレビ電話をしている。

大物参戦、嚆矢濫觴


『神様によってオーラの色が異なるのですね。

白虎様は青白くて鋭さがあり、

太陰たいおん様はラベンダー色で柔らかな感じです。

お二人のオーラ、それぞれ個性があって綺麗ですね』

賀茂先生が素直な感想を述べると、式神二人はそれぞれ照れる。

「いやぁ、俺も自分からこんなのが出ているとは知らなかったぜ…

なんか、こう、素直に照れるぜ」

「わしもこれは知らなんだ…わしは紫なのじゃな。いい色じゃ」

先ほどまで拗ねていたとは思えないくらい上機嫌である。


『…さて、安倍さん。閑話休題といこうじゃないか。』

賀茂先生は本題を切り出す。

『式神様たちが現世で学んでいただく上での適性検査のお話です。

安倍さんは試験とおっしゃっていましたが、メールの内容から察するに、

今回は適性検査を行うというイメージで行う方が妥当だと思われます』

「適性検査、ですか?」

晴明の確認に賀茂先生は頷く。

『もしかしたら平安時代にはなかった概念かもしれませんね。

ご本人が今お持ちの能力だけでなく、ご本人の希望、

そして検査を行う側の我々の考えも照らし合わせながら、

より良い選択をするための検査ですね。

なので、メールで書いてくれていた”合否が決まる試験ではない”という点は、

これで解決できるかと思います。』

「その方法、いいと思います。その流れでさせていただきたいです」

『では、そうしましょう。

ここから分担作業に入ります。

まず、やってもらうことは3つあります。

1つ目は、安倍さんにしかできないことです。

しかも、これが一番大切なので、慌てずにやってもらいたいのですが、

この適性検査を行うための目的は何か、

そのために必要なものは何かといった、

いわゆる目標をしっかりと決めていただきたいのです。

今日、内容は聞いているので理解できていますが、

まだ計画としては弱いので、その準備をお願いしたいです。』

「承知いたしました」

晴明は恭しく礼をする。


『いえいえ、そんなにお辞儀しなくてもいいですよ。

それで、2つ目は、事前調査を神様側にしていただく必要があります。』

「というと?」

『どんなことができるのかといった現状の能力だけでなく、

神様の価値観や行動特性、今後の希望といった内容ですね。

この調査を神様側にお願いしたいです。』

「承知いたしました。後ほど、式神様たちに掛け合ってみます」

『ありがとうございます。

そして3つ目。

これは安倍さんだけでなく研究会のメンバーにも参加してもらいたい内容です。

この適性検査では、どのような項目を調査すればより良い結果を導き出せるかを考え、

適性検査を実行し、内容を精査していただきたいのです。』

「え、僕らも参加するのですか?」

湊が驚きの声をあげ、画面上のさやも画面上から消えている。

さやは驚いて動いたせいで画面からフェードアウトしたようだ。


そんな学生たちの様子を見て賀茂先生は首を傾げる。

『いや、そんなにおかしなことではないですよ?

なぜなら、時と場合によっては君たち研究会のメンバーと

神様とがともに行動する可能性があるのだから、

その相手のことを知ることは重要なのですよ。』

「あ、そっか。そう言われたらそうですね」

『今まで適性検査や試験は受ける側ばっかりだったから、作る側は初めてですね。

…ちょっと面白くなってきたかも』

一ノ瀬姉弟も納得した様子である。


賀茂先生が続ける。

『その内容のチェックは安倍さんや研究会の皆さんだけでなく、私も適宜参加します。

方向性として論理の飛躍がないかなどの確認だけでなく、

時々学長に報告しないといけないのでね。

過剰に反応するつもりはありませんが、

適当なところで進捗報告をこのスレッドに投稿してください。

私がお話ししたいことは一通り終わりましたが、ここまでで質問はありますか』

すると、スッと挙手をする人が現れた。

「わしから質問してもいいかの、先生?

太陰たいおんと申す。

わしらに事前調査をするとのことだが、

その回答をわしらが直接デジタルワークスペースに書き込むことはできるかの?

ほれ、わしら、インターネットに入り込むことできるからの。」

『ご質問ありがとうございます。

結論を先に申し上げますと、やってみないと分からないです。

直接書き込めるかもしれないし、

もしかしたらウィルスと間違えられて弾かれる可能性もあります。

ただ、このデジタルワークスペース、大学のシステムなので、

あまり下手なことをするととんでもない被害が出るかもしれないので…』

賀茂先生が困った表情を浮かべていると、

ピロン♪

と音が鳴ってチャットにメッセージが投稿される。


管理者(学長)

 _____________

|話は聞いていました。   |

|希望する式神たちにも   |

|デジタルワークスペースの |

|利用権限を付与します。  |

|タブレットも支給します。 |

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


そのチャットを見た全員、フリーズする。

立て続けにチャットが送られる。


管理者(学長)

 _________________

|いきなり出てきてすみません。   |

|皆さん、驚きましたよね(^◇^;)  |

|でも、一応、このワークスペースの |

|メンバーに入れてもらっているので |

|発言してもいいですよね?     |

|ビデオ通話も、多分アイコンが   |

|出てたと思うんだけど、もしかして |

|出ていませんでした?(汗)     |

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



最初に動いたのは賀茂先生だった。


賀茂忠行

 _______________________

|IDの件、ありがとうございます。        |

|デジタルワークスペース利用希望の式神様たちの |

|リストはこちらのチャットで提出しても     |

|よろしいでしょうか?             |

|あと、アイコンはこちらでは確認ができないので |

|もしかしたら非表示になっているのか、     |

|管理者権限か何か特殊な状態になっているかと。 |

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


管理者(学長)

 _____________________

|あ、ほんとだ!非表示になっている!    |

|なんでこんなことになっているんだ!?   |

|ごめんなさいねm(_ _)m          |

|IDの件、いいですよ!           |

|むしろありがたいです!          |

|それでは、                |

|皆さんの企画が成功することを願います!  |

|がんばってね!              |

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


そして、テレビ電話画面に、


管理者(学長)がテレビ電話から退室しました


の表示が出た。


しばしの沈黙ののち、賀茂先生が口を開く。

『えー、シークレットゲストがいらっしゃってびっくりしましたね。

ひとまず、できるところからやっていきましょうね。

では、今日はこの辺りでお開きにいたしましょう。』


そうして、第一回オンライン会議は幕を閉じたのであった。

この後、太陰たいおんが「ウイルスとは?」と湊に尋ね、その回答で若干凹んだらしい。

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