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せーめーさん、大学へ行く 〜神界から派遣されたら、大学が“現代陰陽寮”すぎました〜  作者: 水無月あすか
第二章

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Ep.32 神様を試そう

内憂外患、過猶不及


賀茂先生の研究室を後にした晴明は、

スマホで電話をかけているふりをしながら、

スマホに入っている太陰たいおんと話をする。

『んで、わしら神界のものと坊と、あの先生とで面談かえ?』

「そうです。この世の”もののけ”に対して対応するためには、

やはり学ばなければなりませんので」

『そうじゃのう、それは必要なことじゃ…ただな、坊。

いきなり行っても、わしらのこと、知らんじゃろ。

先生も、事前に知っておきたいことがあるんじゃなかろうか』

「確かにそうですね」

晴明は静かに頷く。


『実際、わしのこと知らんかった』

「微妙に拗ねないでくださいよ。

…そうなると、資料を作成した方が良さそうですね。

どうしたらいいですかね」

『……』

「どうしました?スマホが微妙に揺れていますよ?

おっしゃりたいことがあるのでは?」

『…そりゃな、可愛い坊に色々手助けしたくなる気持ちがあるのと同時に

あまりわしが言いすぎるのも良くないというのもあっての。』

太陰たいおんの言葉の意味を晴明は察する。

「…この世の理の関係ですね」

『そうじゃ。等価交換、いわゆる、もらい過ぎも、

与え過ぎもいけないというのは坊もよく知っておるの。』

「はい」

『やりすぎると、あのようになる。坊、西の方角を見てみぃ』

「はい…えぇ!?」


一般人には見えないが、白虎に乗っているさやの姿が。

大学の上空をゆったりと滑空している。

「現世の人を乗せて非日常の体験をさせるとは…

そこまで大きな対価を発生させることは滅多にないはずなのですが。

何を白虎様はしでかしたんでしょう…」

『分からん。ただ、まぁ、調子に乗って楽しみすぎたんじゃなかろうかの。

まぁ、さやに迷惑はかかっておらんから、

あのように優雅な非日常の体験をさせることができる。

これがもし相手に負の代償を与えたり、

自分の身の丈に合っていないものを望んだりした場合は、

自分にも等しくやってくる。

…坊、わしは可愛い坊が心配じゃ。

分かっておるかもしれんが、わしらが大学という場所で学ぶということは、

その等価交換の原則がいたるところで発生するということじゃ。

わしみたいにそのことをきちっと分かっている式神だけではない。

まだ白虎は可愛い方じゃが、他の輩がどんなことをしでかすか、分からん。

そこのところは、ちゃんと考えておるのか?』


「…太陰たいおん様、お気遣いありがとうございます」

「私に一つ、考えがございます」

『ほう?』

「One for All, All for Oneの精神で、賀茂先生や研究会のメンバーに協力を仰いでみます。

あと、こういうことは、あの方にも協力してもらったほうがいいかと思っています」

『…貴人か?』

「えぇ。おそらく、貴人様も驚かれると思います。」

『何を企んでおるんじゃ?坊にしてはかなり攻めた発言じゃの?』

「そうですね、私でも驚いています。

でも、面白いのです。

神様相手に普通ならばしないことをしようとしているのですから。」

晴明は一呼吸おいて太陰たいおんに告げる。


「式神様に、試験をいたします」

白虎はさやに、普段は入ることのできない校舎の屋上からの景色を見せてもらいました。

この経験は白虎にとって十分に「非日常」だったようです。

そのため等価交換の原理により、今度は白虎がさやへ「非日常」を返すことになりました。

その結果が、今回の遊覧飛行です。

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