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せーめーさん、大学へ行く 〜神界から派遣されたら、大学が“現代陰陽寮”すぎました〜  作者: 水無月あすか
第二章

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Ep.31 インターネット初心者講座(受講者2名)

突然之客、虚実混交


賀茂先生の研究室で、完全にくつろいでいる賀茂先生と晴明。

今後の予定について話を続けている。

「この数日の間にしたいこととして、インターネットやSNSに触れる、というのがあるんだ」

「そうです。インターネットでどんなことができるのかを知っておくのは有益かと」

「確かにやるべきだねぇ。できることも多種多様だからね」

「履修登録はインターネットでできました」

ちょっと誇らしげな晴明に賀茂先生は微笑む。

「そうだね。もう使えているのはいいね。

あとは、調べ物をしたり、自分の意見を世界中の人へ発信したり、交流を深めたり。

本当に色々できるんだ」

「便利ですね」

「そう、便利だ。しかし。」

「しかし?」

「その便利さに付け込んで、悪いことをしている人たちもいる」

そう言いながら賀茂先生はメガネをクイっとあげ、少し険しい表情になる。

晴明は姿勢を正す。

「たとえば?」

「騙してお金を奪ったり、犯罪の指示をしたり、

特定の人物を陥れるような情報を流したりと、あげ出したらキリがないよ」

「なんと」

晴明は驚きの声をあげる。


賀茂先生は静かに続ける。

「インターネットは便利だけど、不特定多数の人間が関わっているから、

何が本当で、何が嘘か、見分ける必要があるよ」

「…急に、インターネットに関わるのが怖くなりました」

「大丈夫だよ」

そう言いながら賀茂先生はコーヒーを啜る。

「そのことを忘れないようにしていたら、大丈夫だよ。

あとは、必修科目で『情報リテラシー』っていう授業があるから、そこでしっかりと学べばいい。

それまでの間は、まぁ、念の為、分かっている人がそばにいてもらったらいいかもね」


すると

『その心配はないぞ?わしもおるからの』

そう言いながら、晴明のスマホが机の上にぴょんと飛び出てきた。

「「!?」」

二人は驚いて言葉が出ない。

スマホは勝手にしゃべる。

『坊、そんなに驚くこともなかろう。

言ったであろ、当面の間、ネットの中にも出入りすると』

「安倍くん、君のスマホはしゃべるのか?」

「いえ、太陰たいおん様です」

「たいおん、様?」

話についていけない賀茂先生は目を白黒させている。

『…坊、わしは他の式神ほど有名ではないからのう。

その先生が知らんでも無理はない』

「式神様でしたか!申し訳ありません。勉強不足で」

『構わんよ。』


晴明が話に割り込む。

「それより、さやさんと白虎様と一緒だったのでは?」

『この学校の中にある、すぽーつじむ?とかいうところに白虎が入り浸ってしもうてな。

わし、暇になったから、さやのスマホからネットの世界を通じて坊のスマホにきたのじゃ』

賀茂先生がポツリ。

「…いいな、意思を持ったスマホ。ド⚪︎えもんの世界みたい」

「?」

「あ、こっちの話。」

不思議そうな晴明に、気にしないで、と言わんばかりに賀茂先生は手を振るが、

スマホの画面が勝手に画像を表示する。

『ドラ⚪︎もん…坊、検索したらこんな絵が出てきたぞい』

「ほう、これはまんまるたぬきですね」

『こやつにそれをいうと怒るそうだぞ』

「ほう?実在しているのですか?」

『22世紀にいるそうだぞい』

「今は21世紀だから…未来から来たのですね!」

「ちょーっとまった!」

たまらず賀茂先生が話を遮る。

「それ、物語!」

「そうなのですか?」

『…あ、ほんまじゃ。別のサイトに「漫画」って書いておる。

危ない危ない、鵜呑みにするところじゃった』

賀茂先生はやれやれと首を振りながら呼びかける。

「…太陰たいおん様」

『何じゃ?』

「必修科目『情報リテラシー』を安倍くんと一緒に受講してください」

『お、わしもついにJDデビューか!』

太陰たいおんの嬉々とした声に今度は晴明が不思議がる。

「JD?」

『女子大生の略じゃ!』

「知っていますが…女子、ですか?」

『坊、失礼じゃぞ?絶対失礼なことを思っておる!わしはまだ若いわい!』


神に対してここまで言えるのは、おそらくこの人だけだろう。

そう思いながら胃がキリキリしているけれど面白いことになりそうだと感じる、賀茂先生なのであった。

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