Ep.28 せーめーさんのやりたいこと(その1)
進取果敢、不恥下問
晴明は一人で何とか賀茂先生の研究室の前に着いた。
「…あ。」
晴明はハッと気づく。
「賀茂先生に、会いにいきますという連絡、していませんでした」
両手でノートパソコンを持っているため手が塞がってしまっており、
研究室のドアをノックすることもできない。どうしたらいいかとドアの前で立ちすくんでいると。
ガラリ
賀茂先生がドアを開けた。
「やあ、安倍くん。待っていたよ。」
そう言って部屋に招き入れた。
研究室に通され、晴明は疑問を口にする。
「あの、どうして私が来ることがわかったのですか?」
「あぁ、それはね」
賀茂先生はコーヒーを淹れながら話す。
「学長がね、教えてくれたの」
「どういうことでしょう?」
話が見えない晴明に賀茂先生は苦笑しながら答える。
「今朝、学長からメールが届いてね。ほら、これ」
そう言いながら賀茂先生はタブレットを見せる。
そこにはメール画面が映っていた。
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To 賀茂忠行
From 学長
Subject 今日の午後は研究室にいてください
本文
賀茂先生
早速本題だが、今日の午後は研究室にいてください。
安倍晴明くんが君を訪ねると占いででたそうです。
現代のコミュニケーションツールについてや、
安倍くんがやろうとしていることの話を聞いてあげてください。
よろしくお願いします。
追伸
伝言を預かっています。
『思っていることを包み隠さず話そうね〜☆』
学長
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タブレットから目を離すと、晴明は少し険しい顔つきになる。
「…学長のそばに、おそらく神界の関係者がいますね」
「…そうだと思います」
賀茂先生は笑いながら晴明の前にケーキを置く。
「まぁ、僕はどなたがいらっしゃるのかわからないので何ともなのですが…
あ、学長は現代人ですよ。」
そして賀茂先生は晴明と対面するように椅子に腰掛ける。
「さて、安倍くん。今日はどんな相談かな?」
「あ、そうでした。今日は2つ、お話したいことがありまして」
そう言いながら晴明は手に持っていたノートパソコンを開く。
「まずは、先生のメールアドレスというのを登録させて欲しいのです。
ついでに、メールの送り方も教えてもらえるとありがたいのですが」
「なるほど、まずはメールから着手しましたか。いいと思いますよ」
賀茂先生はタブレット画面を見せる。
「これが僕のアドレスです。登録はここでですね…」
賀茂先生にメールアドレスの登録を手伝ってもらっただけでなく、
メールの送受信や閲覧のやり方なども教えてもらった。
晴明はというと、最初は戸惑うことも多かったが、
最後のあたりになると一通りできるようになっていた。
満足そうな晴明の様子に賀茂先生も嬉しそうであるが、あ、と思い出す。
「安倍くん。君、僕に2つ話したいことがあるって言っていましたよね?
もう1つは何でしょう?」
「もう1つのお話はですね…」




