Ep.17 せーめーさん、みんなのご飯を見て回る
各自各様、和気洋々
続いて女性陣のご飯をのぞいてみましょう。
さや:唐揚げ定食
いぶき:たこ焼き10個と明石焼き10個
「…湊と同じものを頼んでしまいました」
そう言いながらさやはどんぶりに注がれたご飯をかきこむ。
「メニューだけでなく、定食の大きさも一致してるの、やっぱり双子だから?」
風味豊かな出汁をよく吸い込んだ明石焼きを頬張りながらいぶきが首を傾げる。
「…確かに、食の好みはよく合うかも。双子だからかどうかは分からないけれど」
二人はそんなたわいない話をしながら黙々と食べる。
そんな二人を見て太常が晴明にテレパシーで感想を告げる。
『この娘御二人、とても大喰らいでございますね。
男衆に負けない量を召し上がっていらっしゃる。
……現代の娘御はよく召し上がるのですね』
晴明たちは時代の違いを実感していた。
「あ、そうだ」
いぶきがそばにやってきた太常を見つけ、爪楊枝で刺した熱々のたこ焼きを差し出す。
「熱いけど、いける?」
「よろしいのですか!?では、お言葉に甘えまして」
ヒュッ
瞬きする間にたこ焼きは太常の口の中に移動していた。
しかし、どうやって食べたのかは誰にも分からなかった。
ハフハフしながら幸せそうに味わった太常はごくんと飲み込んだあと、にっこりと笑みを浮かべる。
「…このたこ焼きはタコがプリプリしていて美味しゅうございました」
太常は口元にソースをつけて満足そうな様子だ。
いおり:焼き鳥3本、枝豆1皿、フライドポテト1皿
「…ちょっとつっこませてくれ。
なんかメニューが居酒屋」
笑いを堪えながら神谷がコメントする。
いおりは至って冷静だ。
「これが食べたかったのだ」
少し間を置いて続ける。
「…決して、お残ししそうでひよってしまって定食を頼まなかった、ではないからね?」
「いやいや、そこまで誰も考えてないし」
神谷が目頭を押さえながら笑っていた。
「…こうやってみると、
食一つ取っても個性が出て面白いですね」
晴明は感慨深そうに感想を漏らした。
次回、お店を出たら…




