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第四話 バイク好きの困った一日

「あれ? ホワイト、今日は何してるん?」


あらぎ島の道端で、レッドが声をかけた。


そこには一台のバイク。


以前、おやっさんからソーリュージャーに譲ってもらったものだった。


「見てください!」


ホワイトは嬉しそうにバイクを指差した。


「今日はこれで、ちょっと走ってきます!」


「おおっ、ホワイトってバイク乗れるんや!」


イエローが驚く。


「もちろんです!」


ホワイトは胸を張った。


実はホワイト、バイクに乗るのが大好きだった。


ただし――


「……運転は?」


ブルーが聞く。


「得意です!」


「この前、側溝に突っ込んでなかった?」


「……あれは道路の位置が悪かったんです」


「その前は木にぶつかってたよね?」


グリーンが言う。


「……木が近すぎたんです」


「軽トラにもぶつけたよね?」


ピンクが続ける。


「……あれは軽トラが――」


「もうええわ!」


みんなが一斉にツッコんだ。


それでもホワイトは自信満々。


「今日は絶対大丈夫です!」


ヘルメットをかぶり、バイクにまたがる。


ブロロロロ……


「じゃあ、行ってきます!」


「気ぃつけてやー!」


みんなが手を振る。


ところが――


数分後。


「ただいまー……」


ホワイトが戻ってきた。


「早っ!」


レッドが驚く。


「どうしたん?」


「……ちょっと転びました」


「また!?」


見ると、バイクは泥だらけ。


ミラーが片方なくなっている。


「あーあ……」


ブルーが頭を抱える。


そこへ柳生先生がやってきた。


「なんやなんや。今度はバイクか」


「先生、直せます?」


ホワイトが聞く。


「まあ、これくらいならな」


柳生先生は自信満々に、発明品を取り出した。


「こういう時のために作ったんや!」


ガチャッ!


現れたのは――


へっぽこ修理ロボ。


「修理開始シマス!」


「おおっ!」


ホワイトの目が輝く。


「これで直るんですね!」


「任せとき!」


柳生先生が胸を張る。


へっぽこロボがバイクを調べ始める。


ウィーン……


ガチャガチャ……


「右ミラー、破損」


「はいはい」


「左ミラー、微妙」


「微妙ってなんや」


「前輪、要点検」


「おいおい……」


「エンジン、要点検」


「……」


「車体、要点検」


柳生先生の顔が引きつる。


「……ほぼ全部やないか」


それでもロボは修理を続ける。


ガチャッ!


ウィーン!


キュイーン!


「修理完了!」


「おお!」


ホワイトが喜ぶ。


「じゃあ、乗ってみます!」


「待て待て!」


柳生先生が止める。


「一応、試運転してからや」


「大丈夫ですよ!」


ホワイトはまたがった。


エンジンをかける。


ブロロロロ……


「では!」


バイクが走り出す。


ところが――


「……あれ?」


バイクが勝手に左へ。


「ちょ、ちょっと!」


右へ。


「なんで!?」


また左へ。


「ホワイトー!」


みんなが叫ぶ。


へっぽこロボが胸を張る。


「ハンドル調整、完璧デス!」


柳生先生が青ざめる。


「お前……何をどう調整したんや!」


「左右均等ニ調整シマシタ!」


「左右均等って、そういう意味ちゃう!」


そのままバイクは、


グルグルグルグル……


あらぎ島の周りを謎の円運動。


「止まらへん!」


ホワイトが叫ぶ。


「ブレーキ!」


「どこですか!?」


「そこや!」


「これですか!?」


「それはウインカー!」


「こっち!?」


「それはクラクション!」


プァーーーン!!


「うるさい!」


みんなが一斉に耳をふさぐ。


そして――


ガシャーン!


バイクは道端の草むらに突っ込んだ。


「…………」


しばらく沈黙。


草むらからホワイトが顔を出す。


「……今のは、ちょっと難しかったですね」


「お前の運転や!」


レッドがツッコむ。


その時。


「おーい!」


聞き慣れた声がした。


おやっさんだった。


「なんや、えらい音したけど……」


おやっさんがバイクを見る。


泥だらけ。


ミラーなし。


車体に傷。


さらにへっぽこロボまでバイクの横で煙を出している。


「…………」


おやっさんの顔が引きつる。


「ホワイト」


「はい……」


「そのバイクな」


「はい」


「ワシがお前らに譲ったやつやろ?」


「……はい」


おやっさんはバイクをじっと見つめる。


そして――


「大事にせんかぁーーー!!」


あらぎ島中に響き渡る怒号。


「ひえぇぇ!」


ホワイトが飛び上がる。


「す、すみません!」


「好きで乗るんはええ!」


おやっさんは指をビシッと突きつける。


「でもなぁ!」


「はい!」


「好きなもんほど、大事に乗らんかい!」


「……はい」


ホワイトはしょんぼり。


その横で、へっぽこロボが小さく手を上げる。


「私モ大事ニ修理シマシタ」


おやっさんがロボを見る。


「……お前もや!」


「エッ」


「余計なことすな!」


「……ハイ」


ソーリュージャーたちは思わず吹き出した。


ホワイトも、ちょっとだけ笑う。


「……次から、もっと大事に乗ります」


おやっさんはため息をついて、


「まあ……好きなんやったら、ちゃんと練習せぇ」


そう言ってバイクを起こした。


「修理はワシも手伝ったる」


「おやっさん……!」


「ただし!」


「はい!」


「次に壊したら、もう貸さんぞ!」


「……はい!」


あらぎ島に、今日もまた一つ。


ホワイトのバイク運転の教訓が増えたのであった。

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