疲れを癒すはずが、
千代田と買い物に行った日の夜。瑞穂はいつも通り寝る前の夜遅くにお風呂に入ろうと、着替えを持って脱衣室に向かっていた。当時は夕食前に入るのが普通なのだが、前世の癖で自分で準備することを条件に許可してもらっていた。
(水は張ってあるから、着替え置いてからは外で火を焚かないとな……正直言ってめんどくさい。でも苦労した後に入る風呂なんて気持ちいいに決まってるじゃないかっ!)
そんなことを思い、楽しみにしながら脱衣室の前に着く。そしてその先に待っている楽園を思いながら脱衣室の引き戸を開ける!そして、その先に待っていたのは…まって、いたのは……お風呂上りの千代田だった。もれなく着ている(?)のは手拭いのみ。その時、瑞穂はどう思ったのか。
(思っていた楽園と違う‼…ってそうじゃない!まだ千代田はこちらに気付いてない!気付かれる前に閉めなければ!)
そう思い瑞穂はすぐに行動に移し、引き戸を閉める。なお、この一連の動作を瑞穂は0.4秒未満でやってのける。だが0.4秒は、瑞穂にとって物を見るのに十分な時間だった。そして瑞穂が次に起こした動作は…
(逃げるんだよぉぉ‼)
まさかの逃走‼…瑞穂なら全力土下座を繰り出すと思っていたが、全力疾走。…これは自覚ありですね、
(あそこだ!茶の間に逃げ込むんだ‼)
そうして瑞穂は茶の間に飛び込み前転の緊急回避。見た目は綺麗だったが、
(あぁぁぁぁっ‼…背骨が!背骨がゴリっと‼)
皆さんは固い床でしないようにしましょう。
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数分後、千代田が服を着て、疑いの目を向けながらやってきました。
「お兄ちゃん、さっき脱衣室で着替えてたら誰かが引き戸を開けた気がするんだけど。」
「えっ、そうなの?(まあ?僕があけた時はまだ着替えてなかったし?嘘は言ってない。)」
こいつ…逃げやがった。
だがしかし、千代田の疑いの目はなくならない。
「…それでさ、違ったら悪いんだけど。お兄ちゃんじゃないよね?」
「そそそっそ、そそそそそんなわけ、僕はずっとここにいたさ。」
瑞穂は嘘を付くとものすごくボロが出ます。
「そっか、じゃあそこにある着替えはなんのためにあるんですかね?」
「あばばばばばばばばばばば」
壊れちゃった、瑞穂が壊れちゃった。
千代田は瑞穂が犯人と断定して、拳を握りポキポキと音をならしていた。
「えっ、怖っ、なに!?なにするつもりなの!!?」
「そうだね、特別に選ばせてあげましょう。どこを殴るかを。」
あ、瑞穂…終わったね、お疲れさま。
「鼻根、喉仏、顎、顳顬、脇腹なら、どこがいい?」
「…もれなく殴られるとまずい所なんだけど、腹じゃ駄目ですか?」
「…腹でもいいけど、三発になります。」
「もう三発でもいいから腹でお願いします。」
―――――――――
「…ちょっと、強すぎません?」
「見る方が悪いんですっ」
瑞穂はあの後、千代田に腹を三回殴られて、想像以上の火力に悶え苦しんでいた。
そんな瑞穂を見て、千代田はやっぱり疑問に思い、聞いてしまう。
「お兄ちゃんって本当に外ではちゃんとしているの?」
「それは、もちろんだとも。ちゃんとしてないとクビにされるかもしれないし。」
「本当に?」
「うん、本当に。」
「本当の本当の本当に?」
「本当だよ!…君は買い物していた時の僕を見ていただろう?」
「うん、まあ…そうだね信じるわ。」
そうして、なんとか信じてもらえた瑞穂。
―――――――――
「そういえば、お兄ちゃんはお風呂に入りたいんじゃないの?入ってこれば?」
「誰のせいだと…」
うずくまりながら、そんなことを言う瑞穂。
「それは、お兄ちゃんが悪いんだから。」
そして、否定する千代田。
「というか、なんでこんな夜遅くに千代田は風呂に入ってたんだよ。」
それは確かに気になる。
「それは…最近お兄ちゃんが夜遅くにお風呂に入っているから準備してあげようと思って準備したら…入りたくなって入った。」
あらやだ、優しい。
「それで、お風呂に入って上がった時に、僕が脱衣室に入ってきた…と、やっぱり僕悪くなくない?」
おい!せっかく準備してくれたのにそんなこと言うな!
そして、その言葉を聞いた千代田は…恥ずかしくなってから、暗い顔になり。…背後にゴゴゴっという文字が見えるんだけど、
「………うるさいわね、やっぱり腹じゃなくて鼻根を殴ろうかしら。」
「スミマセンデシタナンデモスルノデユルシテクダサイ(早口)」
ここにきてまさかの全力土下座、伏線回収か?
「分かればよろしい。」
もうどっちが年上かわかんねぇなぁ。
「だから早く入ってきて。」
「…はい、」
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その後、瑞穂は千代田に腹を殴られた分、ゆっくりお風呂に入るのでした。
読んでいただきありがとうございました。
今までは3日に一回は投稿していたのに一週間ちょい空けてしまって心配させてしまいすみません。理由としてはテスト期間でテスト勉強に専念していたんです。




