第九十一話 作戦開始前夜
魔道具屋のお姉さん、ルミナさんの協力によって、シャナが囚われたであろう交易の街ラウローズへの移動手段を確保することが出来た。ルミナさんの正体は不明だが、僕達への協力を惜しまないようで、先程まで一緒になって作戦を立てていたのだ。
ラウローズから僕達の町に戻った僕たちは、寂れたルミナさんの店を出ると、夕日が沈みかけた空の元、自分達の家を目指し歩いていた。
「これで何とかなりそうね」
「ああ、でもあんな作戦で上手く行くかな…」
「そうね。でもルミナの話だと、シャナを攫ったドラキュラのお姫様は随分と兵力を持っている様よ。私達が真正面から戦って勝てるかどうか…」
「くッ…僕がもっと強ければ…」
「フィズ…仕方ないわよ。今回は分身してから随分と時間が経っていたし。まさか魔王軍が人間の領域に直接来るなんて…」
「ああ、だがルルの件もあったんだ…もっと気を付けるべきだった…」
「そうね。まずはシャナを救出してから考えましょ?ね?」
僕らが家に着くと、サキュとスー、ライオ君の3人は自分達の部屋でお楽しみ中だった。汗と甘い匂いで充満した部屋を『クリーン』で浄化すると、お風呂に入る様に促した。
「邪魔して悪いな。お風呂から出たら作戦会議だ。まあゆっくりで構わないからな…」
「あ、はい」
僕はそう告げるとセシリアの待つリビングへろ戻った。
「ん?元気ない?」
「怒られなかったけど、なんだか逆に怖いんですけど?」
「と、取り合えずお風呂にはいってこよう。みんな急いで!」
3人はいそいそとお風呂場に向かった様だ。元気が無いかと思われた様だが…
「皆と話を終えたら私達も休みましょう」
「ああ…」
「………」
暫くしてライオ君達がお風呂から出てきたので、ルミナさんと話し合って立てた作戦を共有した。
「その作戦、かなりリスクがありますよ?」
「ん、正面から正々堂々戦う方が良いんじゃない?」
「でも、シャナちゃんを無事に救うにはリスクも必要って事ですかね?」
「ああ、色々と考えたんだが、この作戦で行こうと思う。みんな協力してくれるか?無理強いはしないぞ」
僕は最悪セシリアと二人だけでもシャナを救出しに行こうと思っていたが、
「はあ…フィズさん、私達がシャナちゃんを見捨てる訳ないじゃ無いですか!」
「ん。何があっても駆らなず助けに行く!」
「そうですよ!俺達仲間じゃないですか!」
「反対する人は居ないようね?」
「みんな、ありがとう。じゃあルルはこの家を…」
「今回はオレも行くからな!やっと家妖精の呪縛から解かれたんだぜ?久しぶりの外の世界も楽しみだし、シャナを攫った奴に一発お見舞いしてやらねえと気が済まねえぜ!」
ルルも女神の巫女に進化したお陰で、この家から出られるようになったようで、皆とともに今回の作戦に参加したいようだ。
「分かった。でも無理はするなよ?」
「おう、任せるんだぜ!」
皆の固い決意を聴けた僕は、少し安心した。久しぶりにゆっくり風呂に入ろうと湯船に浸かっていると、
「フィズ?一緒に入ってもいいかしら?」
「セシリア?良いけど…」
ガチャリと扉が開くと、白いドスケベボディを揺らしたセシリアが入って来た。歩く度に上下にブルんと動く巨乳に、肉付きの体が掛けたお湯を弾いている。浴槽を跨ぐ際に丸見えになる秘部は、妖艶な色合いだ。湯に肩までつかるセシリアの前には浮力で二つの小島が浮かんでいる。それに見惚れていると、
「少しは元気になったかしら?」
「ん?ああ…心配かけてごめんね…」
「仕方ないわよ。大切な仲間を奪われたんだもの。私だって怒りでどうにかなりそうだわ…だから、お互い気持ち良くなってスッキリしちゃいましょ♡ね?」
「セシリア…んちゅ」
ザバァっと腰を上げた彼女は温まった体を僕に預けながら唇を合わせて来た。彼女を抱きしめながら舌を絡ませあう。
女神様の拘束具で男性としての機能は働かないが、抑えられた性欲が魔力へと変換される。彼女の柔らかい体と、巧みな責めは僕の気持ちを高ぶらせる。僕も負けじと彼女の体を弄ると、生成させた魔力を彼女のお腹に浮かぶ勇者紋に注ぎ込んだ。
「取り合えずこれで良いかな?」
「ええ♪今は十分よ。さあ出ましょうか?みんなが待ってるわよ♡」
「え?みんな?」
セシリアに体を拭かれた僕は、素っ裸のまま寝室へと連れて行かれた。大きなベッドの上にはサキュに、スー、ルルと女体化したライカの姿があった。
「あ!やっと来た!遅いですよ!」
「まぁまぁ…セシリアさんもフィズさんと二人っきりになりたいでしょうし…」
「ん、ライカの言う通り。だけど、今は私達も参加する」
「お、おう…オレも精一杯頑張るぜ!」
裸を見せつけながら彼女達はワイワイと賑やかだ。セシリアは戸惑う僕の背中を押すと、
「さあ、今日はとことん頑張ってね♪明日からこうやってベッドを共にする事も出来ないかもしれないしね…」
「そうですよ!今日はいっぱい魔力を貰いますからね♡」
「ん、いっぱい愛して下さいね♡」
「うぅ…二人とも…ううん。今はライカだ…わ、私も愛が欲しいです♡」
「みんな愛に飢えてるんだぜ…まぁオレもフィズさんの愛をもっと下さいだぜ♡」
「皆の状態を最高にしておくのもフィズの役目よ♡さっさとシャナを助けて、また皆で過ごしましょ♡」
「…そうだな、よし!皆、魔力をたっぷり補給しようか!」
皆の待つベッドへと飛び込んだ僕は、後から来たセシリアも含め、満足するまで愛を紡いだ。
・・・
・・
・
僕等が準備を進める最中。攫われたシャナはと言うと、
「嫌です!私はそんな事しません!」
「あらあら困りましたわね…手荒な真似はしたくありませんのに…仕方ありませんわ」
地下の奴隷が収容された施設に連れてこられたシャナは、誘拐した張本人であるドラキュラのラミーに労働を強要されていた。しかし、その内容が、
「何をされても絶対に拒否します。私は命令されて他人とまぐわうなんてしませんよ!」
「うふふ♡その決意だけは褒めてあげますが、ここでは無駄ですよ♪皆さん、やっちゃって下さいな♪」
「うぅ…」
「ああ…」
ラミーがそう言うとどこからとも無く男達が現れた。意識は虚ろで、ラミーに支配されている様だ。彼らは下半身を見ると、悍ましいイチモツがいきり立っていた。
「酷い…、彼らに何をしたんですか!?」
「うふふ♡何って、ちょっとした実験ですよ♪人類ドラキュラ化計画♪我々に抗う人間達を全員ドラキュラにしてしまえば、皆幸せになれるんですよ♪」
「そんな…誰がそれを望んでるんですか!?この方達も望んだと言うんですか?!」
ニヤッと笑うラミーは、
「望もうが望まないが、私が手を差し伸べて居るのです。人間は有難く私の庇護を受け入れればよいのです♪貴女も♪」
「どうやらやはり貴女の考えには賛同出来ません!」
「はぁ…それならボロボロなるまで肉体を疲弊させて、それからゆっくり貴女をドラキュラになってもらいましょうね♪」
ドラキュラはそう言うとシャナを監禁した部屋から出ていった。残されたのはシャナと彼女を囲むように立ち並ぶ男達だけだ。
人間としての理性は既に無い様で、命令と本能に支配された下半身をシャナに向けながら迫ってきた。
「やめて!皆さん、正気に戻ってください!」
「ぐ…ぐ…」
性女の結界が発動し何とか彼らの侵攻を防いでいるが、もともと強い結界では無い為、ゆっくりとではあるがシャナの結界に綻びが生まれ始めた。
「くっ…このままじゃ…フィズさん、みんな…」
『シャナ、もう少し耐えるのです。すぐに仲間が貴女を助けに来るでしょう…』
「え?」
何処からともなく聞こえた声に、シャナは驚いたが、シャナの結界が強くなり迫りくる男達を遠ざけた。
「これならまだ耐えられるはず!」
僅かに希望が見えたシャナだったが、シャナの孤独な戦いはまだ始まったばかりであった。




