第八話 水中演舞
魚村からのクエストで湖を訪れた二人は、競泳水着のお陰で難なくマーマンの群れを討伐した。殆どセシリアの活躍だった事は確かだが、ちょっと調子に乗ったセシリアはフィズの対抗心に火をつけたのだった。
レベルアップのお知らせを思い出した僕は、ステータスを開いてみた。そこには、
~フィズ 職業レベルアップ~
性別:男性 (年齢:0歳※見た目は既に15歳程度)
職業:導くモノLv2 (称号:女たらし、女神の眷属)
魔法使いLv2 New!
Lv0
体力 25
魔力 無制限
力 10
硬さ 12
素早さ 6
器用さ 15
スキル
基礎魔法:フレイムLv2、アクアLv2、サンダーLv2、
セイントLv1 New!
パッシブスキル
棒術Lv1 New! (杖など棒状のモノの扱いに長ける)
「お、レベルアップしたぞ。新し魔法に、棒術?これって杖を持てってことかな?魔法は・・・」
僕が色々と確認していると、湖の深い所から大きな影がこちらへ迫って来た。魔物の巨大な気配が影と共に大きくなると、僕の目の前に巨大な牙を持った亀の魔物が姿を現した。
「亀!?くそ、おいセシリア!魔物だぞ!!」
「ちょっと手が離せないわ。フィズ何とかして!」
「ちょ、ちょっと!」
僕らを獲物と見定めた亀の魔物は、セシリアを待ってくれそうにない。今僕に出来る事と言えば・・・
「試してみるか…食らえ!『セイント』!」
光り輝く球体が目の前に生じると、翳した右手から光の波動が解き放たれた。僕目掛け大きな口を開けて迫って来た亀の魔物は、無防備な口を焼き抜かれて絶命した。
「は、はははッ・・・すごい威力だな…」
討伐した魔物をマジックバックにしまうと、僕は倒した亀の魔物を担いでスイスイと岸に向かって泳いだ。
・・・
・・
・
「おお、遅かったじゃねえか、あんまり遅いんで心配したんだ」
「ご心配をおかけしました。でも無事に魔物は倒しましたよ!」
「ほ、本当か!?」
「ええ、珍しくマーマンが沢山居たわ。それと・・・」
「マーマン、それにこいつはすっぽんタートルか!コイツは精が付く魔物だな。しかし、マーマンか。他にもいる可能性があるな…」
「うーん、多分私達が討伐したのが全部だと思うけど。これからも注意した方が良いわね。でもこれで漁が出来るんじゃないかしら?」
「おお、そうだな。村の連中には俺から話しておくよ。いや~、本当に助かった。もし良ければこのすっぽんタートルで美味い飯を作ってやろう。帰る前に食っていけ」
「やったー!!!」
おじさんの計らいで討伐したすっぽんタートルは美味しいご馳走になった。素朴な味の美味しいご飯であった。次の日に朝にはまたおじさんの操る馬車で町へと出発した。それに、すっぽんタートルを食べたお陰か、
~フィズ 身体機能レベルアップ~
性別:男性 (年齢:0歳※見た目は既に15歳程度)
職業:導くモノLv2 (称号:女たらし、女神の眷属)
魔法使いLv2
Lv0 → Lv1
体力 25 → 30
魔力 無制限 → 無制限
力 10 → 11
硬さ 12 → 15
素早さ 6 → 7
器用さ 15 → 18
スキル
基礎魔法:フレイムLv2、アクアLv2、サンダーLv2、
セイントLv1、
クリーン New!
パッシブスキル
棒術Lv1 (杖など棒状のモノの扱いに長ける)
魔力放出量アップ New!
「身体機能がレベルアップしたのね!」
「あ、ああ。精が付くような食べ物が鍵だったみたいだ」
「なら、これからもそういう食材を集めないといけないわね!」
「そうだ。レベルアップでもう一つスキルが増えたんだ。試しに魔力供給してみようか?」
「うふふ、いいですね。お願いします」
セシリアはそう言って、下着代わりに着込んでいる競泳水着を露わにした。プルンと弾む巨乳がぴったりと張り付いている。僕の興奮を誘う様に、彼女は揺れる馬車の上で立ち上がると、
「あは♡お尻もみせてあげるわね♡」
「う、うん・・・ごくッ・・・」
スカートをたくし上げで、健康的にデカいお尻をフリフリと見せつけて来る。ぐんぐんと僕の中で魔力が生成されると、
「セシリア、準備出来たよ♡」
「うん♡じゃあお願い♡」
水着越しに薄っすらと浮かび上がる勇者紋に向かって普段通りに魔力を放った。しかし、スキルによる影響か、勢い良く放出された魔力は彼女を超え、周囲へも影響した。その結果、
「あらあら、勢いが良すぎじゃないかしら・・・」
セシリアは困ったように魔力で汚れた荷台を見渡していた。僕はレベルアップで手に入れたスキルを思い出すと、
「うう、僕に任せて『クリーン』!」
魔力の波動が周囲に行き渡ると、汚れが瞬時に消えて無くなった。まあ元は魔力なので時間が経てば自然と無くなる汚れであるが、おじさんにこの惨状を見せる訳には行かないしと。試しに魔法を唱えてみた。
「あら?綺麗になったわね!」
「うん、そうみたい・・・セシリア、ちょっと休んでも良い?」
「あら?珍しいわね。あとは任せて。ゆっくり休むと良いわ」
「うん…」
僕は急に気怠さを覚え休む事にした。こんな事は初めてであったが、彼女の柔らかい膝枕で最高の気分で眠りについた。
「あらあら、まだ赤ちゃんですかね♪」
寝入る間際に何か聞こえたが、眠気には勝てず僕は意識を手放した。その後、どれくらい眠ったのだろうか。セシリアに優しく起こされると、見慣れた景色が流れていた。
「起きましたか?もうすぐ町に着くそうですよ」
「ふぁ~あ・・・もう?」
「ふふふ、あれから結構寝てましたからね。さあ、目を覚まして支度をして下さいね」
馬車が僕らの町へと着くと、おじさんにお礼を言って僕らはギルドへと向かった。クエストの報告をすると、なんと報奨金で金貨200枚になった。
「ありがとうございます。これからもお願いしますね!」
「私たちに任せなさい。いずれ魔王だって攻略してみせるから!」
「あらあら、うふふ、楽しみにしていますね!」
受付のお姉さんは、大きく出たセシリアを優しい目で見ながら、精一杯の応援をしてくれた。上機嫌になったセシリアは、
「そうだわ!この前行けなかった武器屋さんに行ってみない?新しい装備を見てみましょうよ!」
「お、良いね。僕も欲しい物があるんだ」
ギルドを出た僕たちは、例の店には行かず、今回は素直に武器屋へと足を運ぶのであった。




