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魔力ゼロの勇者 〜最弱勇者の最強育成に必要なのは僕との繋がり〜  作者: アオネコ


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第七話 もっともっと

 クエストの報奨金がたんまりと入った事で生活の質が向上した二人の日常に、あらたに性の質を上げるお店に巡り合った。特殊な魔道具を扱うその店の店主は、なかなか性に対する熱意があると見受けられる。試しにと購入した競泳水着はベッドの上で大活躍だった。


「え?湖の魔物を討伐するんですか?」

「はい…漁村からのクエストでして、何でも水の中を素早く動く魔物で、大変困っているそうです」


 セシリアと僕はギルドを訪れると、ちょっと特殊なクエストを探していた。数日以上討伐されず残ったままの、所謂お蔵入りしている様なクエストだ。


 受付のお姉さんに話を聞いてみた所、この漁村からのクエストが暫く解決されず困っていたそうで、


「ギルドからも色を付けますから、お願い出来ませんか?」

「良いんじゃないか?ちょっと試したい事もあるしさ」

「まあ、フィズが良いなら…分かったわ。このクエスト、私達に任せなさい!」

「あら!ありがとうございます。最近調子が良いみたいで良かったです。頑張って下さいね!」


 万年冒険者ギルドで日の目を見なかったセシリアが、ここ最近は勇者の如く(実際に勇者なのだが!)クエストを熟す様子を見て、ギルドのお姉さんも期待している様だ。


 漁村は少し離れた湖の傍にあるらしく、今から行けば夕方には着くのだとか、僕らは必要な物をマジックバックに収納すると、町から出ている馬車に乗り込み漁村を目指した。


 ガタゴトと揺れる馬車には僕とセシリアを除いて、居るのは御者のおじさんだけだった。


「珍しいな、うちの村に客が来るなんて」

「ええ、ギルドのクエストを見たんです。何でも随分前からお困りの様ですね」

「え?!あんたら冒険者さんかい?そうなんだ、依頼してから彼是もうひと月も魔物の被害が収まらねえ。以前も冒険者が来てくれたんだが、どうにも水の中ってのがなぁ…」

「大変みたいね?」

「もちろんさ!俺達の村は漁で食っているんだ。このままじゃもう村を捨てて他の仕事を探すしかねえよ」


 おじさんは悲しそうに呟くと、


「まあ、期待はしねえが頑張ってくれ。それと良かったらウチを使ってもいいぞ。大した事は出来んが、寝泊りする部屋位は用意出来る」

「良いんですか?じゃあお言葉に甘えて」

「ははは、漁が再開したら美味い魚でも出してやれるんだがな…」


 おじさんの話では途中土砂崩れがあり、遠回りをするためまだまだ時間が掛かるとのこと。幌付きの荷台で休んで居ろとの事で、僕とセシリアは流れ行く景色をゆっくりと楽しんでいた。そのはずだった。


「ちょ、ちょっと!?セシリア、お尻を押し付けないでよ!?」

「えへ♡ごめんね。でもこの馬車結構揺れるのよ。お尻が痛くてね」


 僕らは前で馬車を操るおじさんに聞こえない様に小声で会話を続けた。幌のお陰で外から中は見えないが、音はそうはいかない。


 ガッタン!!!


「お、重い・・・!?」


 石にでも乗り上げたのか、一段と大きく揺れた結果、


「おお!悪いな、この先、道が悪くて結構揺れるぞ。音も凄いだろうが、この馬車はそんじょそこらの馬車より頑丈だ。大きな揺れでもビクともしないから安心してくれ!」

「分かりました!」


 ガタゴト、ガタゴトと大きな音を立てて進む馬車は、上下左右に揺れながらも進んで行った。セリシアノお尻の感触と柔らかい体が僕の性欲をかき立てる。拘束具は待ってましたとばかりに、その欲望を魔力へ変換すると、


「君の所為でこんなに魔力が出来上がったよ?」

「あら?それは良い事ね♡」


 悪戯っぽく笑いながら、僕にお腹を向けると、セシリアは勇者紋を露わにし


「お願い♡」

「ああ、イクよ」


 僕は、おじさんに気付かれないように彼女の腹部から魔力を供給したのであった。その際、大きく馬車が揺れた結果、体勢を崩したセシリアは荷物にぶつかってしまった。


「きゃ!?」


 酒樽にセシリアの大剣がぶつかったお陰で怪我こそなかったが、


「お連れさん大丈夫かい?」

「え?!ああ、はい。ちょっと落ちただけです。大丈夫ですよ」

「ああ、雨の所為であちこち道が悪くてな、もう少しで村に着くから辛抱してくれよ」

「そうですか、分かりました」


 前から幌の中をチラリと覗き込んだおじさんは、何事も無かったかの様に馬車の操作に戻った。一安心した僕は、酒樽から染み出た酒をどうするか首を捻った。


「いや~、参ったなこりゃ。まさか酒樽に穴が開くとは・・・」

「僕も気が付くのが遅れて、随分零れちゃいましたか?」


 村に着くと、荷台の様子を見たおじさんが嘆いていた。積んでいた酒樽の底に穴が開き、荷台へと染みだしていたからだ。発酵した甘い匂いで噎せ返ると、


「いや、あんな道を通ったんだ、仕方がねえよ。それよりも他の荷物が無事だと良いんだが…うお!?すげえ匂いだ。買う酒を間違えたか?こんなにヌルついてるんじゃ腐ってたのかもな…」

「僕も手伝うよ!」

「お、悪いな。そっちのお嬢さんは先に部屋で休むと良い。さきに部屋を案内しよう」

「ありがとう・・・」

「さあ、こっちだ」


 おじさんの後をテクテクとついていくセシリアを見届けると、僕は荷物を運び出すと、アクアの魔法で荷台を洗い流し、フレイムの炎で燃やさない様に注意しつつ濡れた荷台を乾燥させた。それが終える頃にはおじさんも外に戻ってきて、


「なんだ!魔法が使えるのか!?へーこいつは驚いた。綺麗に乾いちまった」

「どんな荷物だか分からないから、そっちはまだ汚れてるかも」

「ああ、こっちは俺がやるさ。馬車が無事なら何とでもなるよ。助かったぜ。じゃあ、お前さんも部屋で休んでくれ。お嬢ちゃんと一緒の部屋で大丈夫だろ?」

「はい、ありがとうございます」


 僕は申し訳ない事をしたおじさんに、精一杯誠意を見せ、セシリアの待つ部屋と入って行った。


「なんとかなったわね」

「ああ、さて夜も遅くなっちゃったしもう寝ようか」


 僕とセシリアは別々の自分のベットに潜り込むと目を閉じて明日の為に休む事にした。


・・・

・・


 翌朝、目を覚ました僕たちは、おじさんが用意してくれた朝食を食べると、


「早速湖の魔物を退治しいて来るわね」

「おう、気を付けてな。あの魔物は厄介だそうだ。水の中じゃ手も足も出なかったと、前に冒険者は困って居たからな。無理はするなよ?」


 おじさんにお礼を言うと、僕たちは湖へと赴いた。


「ここが漁をする湖か。なかなか綺麗な所だね?」

「ええ、水が綺麗で良く見えるわ。魚はちょっと少ないけど居るみたいね」


 僕らは魔物に注意しながら辺りを調査した。しかし、魔物の痕跡は岸辺には無く、


「やっぱり湖の中なのかな?」

「そうみたいね…じゃあ、やっぱりアレを?」

「そう!いや~まさか魔物討伐にアレを使う事になるなんてね」

「確かに、説明書の通りなら凄いけど…アレをこんな外で着なきゃいけないなんて///」


 木陰に入ると、マジックバックから例のブツを取り出す。薄っぺらい生地が何とも心許ないが、今回の討伐にこれは欠かせない。意を決したように、装備を換装すると、


「うわあ、外で見るとまた随分と印象が変わるね…」

「そうね。開放的ね」


 セシリアは白い競泳水着を着て剣を肩に担いでいた。一方、僕は黒いビキニパンツを履いている。


 日の当たる岸辺に進み出ると、肌を太陽に焼かれるような心地よさを感じる。僕たちは誰にも見られない様にそのまま湖の中へと進むと、


「凄いわ、まるで水が無い様に動けるわね」

「ああ、水の中なのに息も出来るし声も普通に聞こえるよ!」


 まるで魚にでもなったかのように、難なく水の中を移動する二人。水中を捜索し湖の中央辺りを探してみると、


「セシリア!見て、あそこに何かいる!」

「ん?あれは・・・マーマンね」

「マーマン?それって魚人って奴?」

「ええ、海のゴブリンよ。泳ぎが得意で、魚が好物なの。こんな陸地では珍しいけど、ここがそれだけ豊かな漁場って事ね」


 こちらに気が付いたマーマンの群れが手に持った鉾を構え突っ込んで来た。水中で負けを知らない彼らは余裕たっぷりに見えるが、


「残念ね。今の私達にそんな単純な攻撃当たる訳無いわ!」


 スキルを使うまでも無く水中で軽々と大剣を振るうと、斬撃となった水の刃が一瞬で数体のマーマンを屠った。驚くマーマンをよそに、セシリアは素早く泳ぎ接近すると、屯するマーマンに『ソニックブレイド』を仕掛け、一気に殲滅した。


「ざっとこんなもんね♪さ、死体を回収して帰りましょうか?」

「僕の出番が無いほどあっさりと倒したね」

「うふふ、だってフィズの魔法って水の中じゃ役立たずじゃない?」

「うぐ・・・そ、そうだね…」


 あ、そう言えば昨日の魔力譲渡でレベルアップしたんだった。荷台の件で確認するのを忘れていたな。僕はマーマンの回収をセシリアにお願いすると、自分のステータス画面を開いた。


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