第七十八話 悪魔的な刺激
ポータル部屋から先は、報告書には無い未知の領域だ。多くの冒険者が、苦労してイヤらしい罠部屋を攻略し、やっとの事でサキュバスにも打ち勝ったという達成感と、この先に待ち受けるトラップの事を考えてここで引き返している。
また、出てくる魔物も強化されたり、異質なモノが現れるようでやはりポータルから先の攻略は殆ど進んでいなかった。
次の部屋に現れたのは魔物の群れだ。僕等を見つけると波のように押し寄せて襲ってきた。
「コイツはスライムハンドね。ゲル状の魔手の魔物ね。掴まれたら最後、他の魔物な餌食になってしまうわよ」
「それにスライムワームです…近づかれないように注意して下さいね!」
「え?そんなに手強きの?」
セシリアやサキュの説明に僕は鑑定を掛けながら弱点を探すと、
「ライオ君、ワームの方は体内に入るタイプらしいぞ。接近し過ぎるなよ!」
「た、タンクにはどうする事も出来ないですよ?!わあッ!!危なかった…」
「ん、気持ち悪い…」
タンクのライオ君や近接のスーにはちょっと分が悪そうだ。ゲル状の体から繰り出される攻撃を躱しつつ、反撃の機会を伺っている。
「ライオ君、スー!一旦下がれ!数を減らすよ。『サンダー』×5!」
雷鳴が轟き閃光が走ると、部屋の中に居た魔物の殆どが消し飛んだ。10分の1程まで数を減らした魔物たちに、畳み掛けるように仲間の攻撃が振り注ぐ。
「ラストよ!『ソニックブレイド』!」
ズサズサッと連撃がスライムボディを裂き、コアを潰す。魔石の欠片を残した魔物は、やはり白い液体の様に消え去った。
「ん、魔法の威力が上がってる?」
「だな。魔力もほぼ無限だし、魔法様々さ」
「ハイハーイ!魔石の欠片は回収したよ。次に進みましょうか」
サキュとセシリアが率先してくれたので、回復を済ませた僕達は先を急いだ。
「あの数の魔物を相手にするだけでも大変なのに、スライムボディですか。厄介ですね」
「ああ、それに気付いただろ?トラップ部屋に出てくる魔物は死体が残らないんだ。あいつらは普通の魔物とも違う様だ」
「そう言えばそうね。残った白い液体…まるで精液の様だったわね」
「ああ、最初のポータル迄が比較的簡単だったのも、冒険者から精液を集める為なんじゃないかと思うんだ」
「それって、集めた精液から魔物を生成していると言う事?そんな事が出来るんですかね?」
「さあな、このダンジョンなら出来るのかもな。サキュだって人間の精液を魔力に変換出来るだろ?」
「それはそうですが…ダンジョンが意識を持ってやってるって事ですか?信じられません…」
答えが出ないまま、僕達は次の部屋へと辿り着いた。
「次の部屋だぞ。中に魔物は居ないみたいだが、気をつけよう!」
僕達はタンクのライオ君を先頭に中に侵入した。ガランとした部屋の中にはやはり魔物は出てこない。しかし、最初に見かけた盃が、それも以前よりも大きな盃が1つだけ置いてあった。
「これは…やっぱり精液を貯める盃か?」
「ん、扉に何か書いてある」
「何々…、魔力を精液に変換する腕輪を付けろ。男も女も皆平等だ…だってさ」
「腕輪…これね。魔道具の様だけど、フィズのリングとは反対の効果ね」
「コレを着けるんですか?外れなくなったりしませんよね?!」
「じゃあ先ずは俺が…ん、はい、何とも無いですね」
「ああ、僕も大丈夫だな」
女性陣は僕達の様子を見て覚悟を決めたのか、各々の腕に腕輪を通した。
「ん、やるしか無い、えぃっ…」
「そうね…ん…」
「ハイ…えっ?!コレって!?」
「ん、オチンチン?」
「まさか、部分的に『転換の指輪』の効果が?」
「おお…どれも可愛らしいな」
「///うわぁ…すごい光景ですね///」
下着を押し退けて既に硬く勃起した陰茎が彼女達の股間から生えている。大きさは普通サイズでどれも可愛らしい。
「よし、良いかみんな、やり方は分かるだろ?自分で擦るなり、協力するなりして魔力を精液にして射精するんだ」
盃の周りを囲むように皆を立たせると、自分のペニスを手でリズムよく扱く。魔力の高ぶりが変異した性器を膨張させ、女性陣のペニスから白い液体が迸った。
ライオ君も僕も、彼女達に続き盃に射精した。腕輪の効果で魔力を精液として出すので、男の場合は勃起していれば、任意で精液として吐き出せるようだ。
「///男性の射精ってこんな開放感があるのね///」
「///これヤバいですね///」
「///ん、魔力がごっそり無くなった///」
地面に置かれた大きな盃は、ドロドロの白い精液で満たされていた。皆の魔力はかなり減ってしまったようだが、回復手段はあるし、何より皆のお陰でかなり時間を短縮出来た様だ。
「扉が開いた様だ。先に進もう!」
「あ…、そうね…」
「はぁ…もうちょっと遊びたかったですね…」
「ん、今度魔道具屋のお姉さんに相談する」
「ふえっ?それって俺の尻目当てじゃ無いよね?!違うよね?!」
マジックバックから人数分の魔力ポーションを取り出していると、何やらヒソヒソと話し声が聞こえてきた。
「ん?何か言ったか?」
「え?!、ああ、なんでも無いわよ!ね、皆?」
「そ、そうなんです。早く次の部屋に行きましょう!」
「ん、秘密は何も無い」
「ええ?!」
「ん?まぁ良いか、よし行くぞ~!」
部屋を出ると、
「あ、消えちゃった…」
腕輪は部屋を出ると霧のように消え去った。こっそり隠し持っていたサキュから悲しそうな声が聞こえたのは気のせいでは無かった様だ。喪失感を感じつつも道中現れる魔物を倒しつつ、僕らは次の部屋へと到達したのだった。




