第七十七話 未知の領域
ポータルから入口に帰って来た僕たちは、一度ギルドに寄ってから拠点に帰ることにした。途中で会った冒険者の事も報告しておきたかったし、序でに魔物の素材も売却しておきたかった。
「これで全部ですね。承りました。そう言えば、ギルマスから言伝がありますね。『帰った時に報告をお願いしたい』ですって」
「分かりました。じゃあ、報告に行きますね」
「はい。お手数ですが宜しくお願いします」
買取所から出た僕たちは、
「じゃあ、僕とセシリアはガイさんに報告に行ってくるよ。サキュ達は先に帰ってていいぞ」
「ん、了解」
「ただし、あんまり羽目を外すんじゃないぞ!」
「あはは…はーい…」
サキュ達は目を泳がせて返事をすると家に帰って行った。彼女達を見送ると、
「じゃあ行こうか。さっさと済ませて僕達も帰ろう」
「そうね。早くお風呂に入ってさっぱりしたいわ」
「ああ」
受付のお姉さんにギルマスと取次をお願いすると、
「やあ、待たせたな!無事に帰って来てくれたようだな。進捗を聞かせてくれ」
「あ、え?早く無いですか?だって、ついさっき…」
「がはははッ、何事も迅速にがモットーでな。現場に居るとこが多いのさ。さあ、こっちに来い!」
「は、はあ…」
「なんだかすごい人ね…」
「ああ…」
困惑しながらも、ガイに案内されて彼の部屋に来ると、ふかふかのソファに座らされた。
「で、こんなに早く帰って来たって事はポータルのある部屋までは到達したんだな?」
「ええまあ。しかし、報告書の通り厄介なダンジョンですね…」
「ああ。採れる魔石は高価で取引されて、この町の財源の一つなのだが…攻略出来る冒険者が限られちまってな…」
「ですね。僕達も苦労しましたよ。あ、そうそう、途中で冒険者のパーティに遭いました。一応ポータルで無事に帰って来ると思いますよ」
「お、そうか。それは良かった。しかし、あのポータルは帰還専用だからな。次の攻略はまた最初からやらねばならんのだ。しかも、ポータル部屋の先は報告書の通り、調査不足だ。悪いが十分気を付けて攻略してくれ」
「はい…」
そうなのだ。渡された報告書にはポータルの先の情報は無かった。出くわした魔物の情報はあるものの、その先のトラップ部屋の詳細は不明…
「任せなさい。私達がちゃんと攻略してくるわ」
「ああ、済まないな。頼んだぞ」
ガイの部屋を出た僕たちは、サキュ達の待つ家に帰ろうとギルドから出た。すると、
「あ!あんた達、さっきは助かったぜ」
「ああ、3人とも無事に帰って来れたんですね」
「ああ。しかし、あのサキュバスを倒しちまうなんて随分と手練れだったんだな。それに仲間の事も救ってくれたんだ。何かあれば何でも言ってくれ。いつでも力を貸すからよ」
「期待しているわね」
「お、おう」
彼らとも別れ無事に家に帰り着くと、先に帰っていたサキュ達が食事の準備をしていた。
「お帰りなさい」
「もうちょっと時間が掛かるんで先にお風呂に入って来て下さい」
「あ、気が利くな。じゃあ、お言葉に甘えて、セシリア一緒に入るか?」
「ええ、そうするわ」
「ん、ごゆっくり~」
汚れた服を脱ぎ、カゴに入れると纏めて『クリーン』を掛ける。先に入っていたセシリアの白い肌が赤く火照っている様だ。お湯をかけ流し、ざぶんと湯船に浸かると、
「服は綺麗にしておいたぞ」
「あら、気が利くわね。ありがとう」
「ふー、明日もまた最初からあのダンジョンを攻略するのか…やっぱり厄介だな」
「そうね…ポータルが一方通行なのが問題よね。ガイさんの話だと、色欲ダンジョンになる前は双方向に移動が出来たみたいだけど。これも改変による影響みたいね…」
「まあ、次はもっと効率よく進めるだろうから、今日はしっかり休んで…っておい?僕の話聞いていたか?」
「んふ♡だって我慢してたんだもん。少しくらい味見させてくれたって良いんじゃない?」
そう言うと、セシリアは僕に肌を重ね、魔力を生成させるべく、あの手この手で僕の体を弄り倒した。
「くッ…セシリア、見てよこんなに一杯魔力が練り上がったよ…」
「うふふ…じゃあ、お願いします♡」
「行くよ…」
魔力が滾った拳をセシリアの勇者紋に宛がうと、ゆっくりと彼女の体に流し込んだ。腹からゆっくりと注が得る魔力は彼女の体内に宿る。
その反動でぐったりとするセシリアを抱きかかえ、そのまま湯船に入ると、僕に体を寄せて抱き返してくる。
「はあ…♡魔力でお腹が一杯よ」
「今日はそんなに魔力を使ってないだろ?どうしたんだ?」
「良いじゃない!あのダンジョンの所為か分からないけど、今日はそういう気分だったのよ」
「そっか・・・じゃあ、飯を食ったらもう一戦お願いしようかな」
「受けて立つわね。あ、でもサキュ達も期待してるんじゃないかしら…」
「かもな。まあ僕には分身体があるし、どうとでもなるさ♪」
「それもそうね…じゃあ、先に上がるわね」
「ああ」
残された僕は浴室全体に『クリーン』を掛けると、お湯を入れ替えて風呂を出た。
「魔法があると便利だよな。お湯もすぐに溜められちゃうし、飲み水だっていつでも手に入るもんな」
魔法に感謝しつつ、服を着た僕は用意された夕食を食べ英気を養うと、この日の夜は遅くまでベッドを軋ませた。
・・・
・・
・
そして次の日の朝、
「うう~ん、はあ、じゃあ今日もダンジョンを攻略しようか」
「はい!今日はサクサク進みましょう!」
「ん!やる気満々!元気一杯!」
「俺もフィズさんのお陰でバッチリだよ!」
「そうか…うん、みんな、僕の分まで頑張ってくれよな」
「はあ…全く、フィズは少し後ろで休憩でもしながら着いて来て。私達が先を進むわ」
「よろしく。みんな気を付けるんだぞ?」
昨日も昨日で、分身体を含めて彼女達とセックスをしたツケが回って来た様だ。あっちの方は絶倫で何回でも何時間でも耐久出来るのだが、分身している為か疲労は何倍にもなる。今はライオ君の『リジェネ』が良く効いており、段々と調子は良くなっているが、
「フィズさんも大変ですね…無理しないで下さいね?」
「ああ、ライオ君もな?でも昨日は久しぶりにライカとエッチな事が出来て楽しかったけどな♡」
「///え…あ、はい…俺もです///」
ライオ君とライカは一心同体だ。『転換の指輪』で男性のライオ君と女性のライカを入れ替える事が出来る。以前は性転換までのクールタイムが1日掛かったが、なぜか瞬時に変更可能となっていた。なぜ?
「体に不調があったらすぐに言うんだぞ?」
「はい。分かりました」
そう言って盾を構えて前に戻るライオ君。みんなのお尻を眺めつつ殿を務めていると、僕の心配を他所に皆はどんどん部屋を攻略していった。
「みんなお疲れ。サキュバスも復活してたけど、余裕だったな」
「ん、サキュちゃんとライオ君のコンビネーションが勝ってた」
「あはは!ダンジョン産のサキュバスごときにやられる私達じゃないわよ!ね、ライオ君?」
「え?ああそうだね。魅了もサキュちゃんのに比べたら全然大したこと無いしね」
「あら、随分とサキュに鍛えられた様ね」
「そ、そういうもんか?まあ無事だったから良いか…」
謎の魅力耐久を持ったライオ君がちょっと心配であったが、昨日よりも格段に速くポータル部屋まで到達した僕たちは、安全そうな場所で暫し休憩すると、次の部屋を目指し薄暗くなった通路を奥へ進んだ。




