第七十話 聖女?いえ、性女です
フィズ達がダンジョンに向け出発したすぐ後、残されたシャナ、ルル、そして分身体の僕は家の仕事をしていた。
「ルルの畑も随分大きくなったな!」
「エッヘン!毎日丁寧に世話をしてるし、他にやる事も無いからな。みんなに美味しい食材を食べて貰えると思うと全然苦じゃないぜ!」
青々と茂った菜っ葉に、色鮮やかな野菜達が水を浴び、キラキラと光っていた。今は小麦を植える畑を耕し終え、これから種を蒔こうと、ちょっと休憩している所だ。
「僕らが居ない間もルルのお陰で家の方は問題無さそうだな」
「ああ、それに今はこうやってフィズ様が居てくれるからな」
「なあ、そろそろそのフィズ様って止めないか?契約しているとは言え、もう僕らは大切な仲間だろ?」
「う…つい癖で…その、いいのか?」
「ああ、もちろんだよ」
「わ、分かった…ふぃ、フィズさん…よ、よろしくだぜ///」
「おう!」
顔を赤く染めたルルが恥ずかしそうにしていると、
「フィズさん、ルルちゃ~ん、ちょっと出かけて来るね。夕方には帰るから~!」
「ん?行ってらっしゃい」
「気を付けてな~!」
バスケットを持ったシャナが、どこかに出掛けて行った。買い物か?
「なあ、ルル?シャナはどこに行ったんだ?買い物には見えなかったけど…」
「ああ、最近、孤児院に通ってるんだぜ。なんでもそこの院長さんが倒れちゃったらしくて、お手伝いに行ってるんだぜ」
「へえ~、偉いな。よし、ルル、悪いが俺もシャナの手伝いに行ってくるから、ここは任せた」
「分かった…でも、あとで手伝って欲しいんだぜ///」
もじもじとした様子でさらに顔を赤くして頼み込んでくるルルに、僕は、分身体を分身させ、小人僕を置いて行くことにした。
「こっちは任せて」
「ああ、お願い。行ってくるね」
そう言って大きな僕はシャナを追いかけて庭を出て行った。
「さて…早速お手伝いしてやろうか♡」
「///え、あ…お、お願いするぜ///」
力仕事の事も考えて、ルルよりも少し大きめの分身体になった僕は、ルルを引き寄せると身ぐるみを引っぺがし、魔力を彼女の小さい体に注ぎ込んだ。
・・・
・・
・
一方シャナを追いかけた僕は、道に迷っていた。
「あれ…随分足が速いんだな…孤児院ってどの辺かな…」
暫くして、お店の店主に孤児院の場所を聞き、漸く辿り着いた孤児院は、ちょっと草臥れているがしっかりとした造りの大きな教会の様な建物だった。
建付けの悪くなった木の門を開けて敷地に入ると、お婆さんが掃除をしていた。
「こんにちわ」
「…」
「ん?こんにちわ!」
「…」
「こ・ん・に・ち・わ!!」
「あら?こんにちわ。どこの坊やかな?孤児院に何か用かい?」
「はい、ここにシャナ、女の子が来ていると思うんですが…」
「何だって?」
「ここに!女の子が!来てると思うんですが!どこに!居ますか!?」
「ああ~、シャナちゃんね♪今は中の掃除をみんなとやって貰ってますよ。私がちょっと体調を崩してから毎日手伝いに来てくれてとても助かってます。貴方は彼女のお兄さんですか?あんな可愛い妹さんが居て幸せですね。私も若い頃はああやってお手伝いを…」
「あ、あの…」
「それでね…」
「はあ…あの…」
「本当に…」
「ええ…それで…」
こんな感じで暫く耳の遠い院長さんのお話を聞く羽目になり、やっとの事で中に入る事が出来た。ここに来てから随分と時間が経ったが、シャナはまだ掃除をしているのかな?
僕は孤児院の男の子を捕まえると、
「こんにちわ、ここに手伝いに来ているシャナちゃんは何処にいるかな?」
「こ、こんにちわ…シャナさんですか?多分倉庫の片づけをしてますよ」
「案内してくれるかい?」
「え?あ、その…今はちょっと…あの、貴方はシャナさんのお兄さんですか?」
「ん~、まあそんなところかな。なあ、悪いけど案内してくれないか?」
「その、あの、ご、ごめんなさい…」
男の子は、逃げるように部屋の中に入ってしまった。
「困ったな…自分で探すか…」
僕は仕方なく孤児院の中を探し回った。ここは女の子が全く居ないようで、すれ違う男の子達に倉庫の場所を何となく聞いてみるが、皆、口を揃えて「ごめんなさい」と言って逃げてしまった。
「おいおい、どうなってるんだ?…ん?あの奥が怪しいな」
困った僕は階段奥に続く廊下の奥からシャナらしい気配を感じ取り、その場所を目指して歩いた。
倉庫の方に近づくに連れ、次第に空気が重く感じ近づき難い雰囲気が僕を襲った。近づこうにもその場から逃げ出したい気分が僕を阻む。
「この所為で子供たちはここに来たく無かったのかな?」
僕は自分に『クリーン』を掛けながら前へ進んだ。中の様子を慎重に覗きそんでみると、シャナの姿と男の子達が数人、下半身を露出させて立っていた。
えっ?!シャナ?!
「お、お姉ちゃんッ♡僕のオチンチン硬くなっちゃったッ♡また白いオシッコ出して治してッ♡」
「僕もッ♡」
「うふふ♡ハイ♡う~ん、今日も悪いオシッコがいっぱい溜まっちゃったみたいだね♡私に任せてね♡」
男の子達に囲まれたシャナは嬉しそうに彼らに頼まれて、それを処理していた。暫くすると、
「またこうなったらシャナお姉ちゃんに遠慮なく言ってね」
「///う、うん///」
「約束は覚えてるかな?」
「うん!絶対大人には言わない。ここでの事は僕とお姉ちゃんだけの秘密、だよね!」
「偉い偉い。皆が仲良く元気だと院長先生も喜ぶからね♪さぁお昼にしようか?先に行って皆のお手伝い出来るかな?」
「もちろん!」
「先に行ってるね」
「お姉ちゃん、ありがとう♡」
「ハァイ♡」
ズボンを履いた彼らはお昼の準備のために倉庫から走って出ていった。僕は隠れて少年達をやり過ごすと、
「シャナ!」
「ヒャいッ?!?!フィズさん?!どどどどどうしてここに?!」
「ああ、シャナが孤児院でお手伝いをしてるってルルに聞いてな。僕もお手伝いに来たんだが…これは…」
「はわわわわわッ…その、あの、ごめんなさい…でもあの子たちは悪くないんです!私が全部いけないんです!!」
「詳しく話してくれるかな?」
「…はい…」
泣き出しそうな顔で経緯を話し始めたシャナ。僕が現れて驚いた様だが、話す素振りは何だか堂々としており、聞き入ってしまう。
「じゃあなんだ、ここには普通にお手伝いに来ていたが、少年達が夢精したシーツを隠していた事がきっかけで?」
「はい…どうやらそれが精通だとは知らなかった様で、怒られると思ったそうです。下着やシーツを見つけた私に泣きながら謝って来て…」
「悪いものが溜まるといけないからってシャナが処理していたって事か…」
「はい…1人、また1人と増えて、今ではここの半数程が私に処理されています…」
「お、おう…半分もか…しかし、ここに来るまで結界の様な物があったが、何か分かるか?」
「へっ?!結界ですか?分かりません。ただ、関係ない子は来ないで欲しいなと処理の最中は考えていますが、それと関係有りますか?」
「ふむ…」
来ないで欲しい…か、もしかして、
「シャナ、ちょっと鑑定させて貰うぞ?」
「え?は、ハイ」
「どれどれ…」
~シャナ ~
性別:女性 (年齢:10歳)
職業:性女 (称号:ー)
状態:フィズの幼妻
装備:ロリメイド服
Lv3
体力 10
魔力 12
力 5
硬さ 4
素早さ 4
器用さ 6
スキル
『口約束』:消費魔力1 約束を守らせやすくする。絶対では無いが、信頼度に依存し効果が増加。
性女スキル
性結界:一時的に人や魔物を遠ざける結界を設置する
誑かす:彼女の言葉はまるで聖女の言葉の様だ
性職 :性交を繰り返す事でのみレベルアップ。
「性女…聖女とは違うが、ふむ…セイ女か…」
「え?私にも職業が?性女ですか?!なんかエッチですね///」
「ああ、まあ、エッチだな」
まじまじと自分のステータス画面を見つめるシャナは、どうやらレベルアップした事で聖女に、いや性女になった。まあ、僕らと色々な経験を積んだシャナだ。それに孤児院で少年たちの性処理をする彼女にはぴったりかも知れない。
「まあなんだ…絶対一線は超えない様に気を付けるんだぞ?」
「は、はい!」
「うん。じゃあ僕は帰るよ。気を付けて帰って来いよ。じゃあね」
「あら、もうお帰りですか?今日は良い天気で…」
「あ、はい…」
僕は、シャナにそう言うと、外の掃除から帰って来た院長さんに捕まり、一方的な話を聞かされて、結局シャナが帰る時間まで捕まってしまった。




