第六十五話 ルルの頑張り
僕とシャナがお部屋でラブラブ、イチャイチャしていた頃、家に庭では家妖精のルルが奮闘しいた。魔力供給のお陰で全長30センチを超える程に大きく成ったルルは、魔法を使いながら何やら一仕事しているようだ。
「ふぅ~、意外とこの家の庭は広いんだな。これなら良い野菜が採れそうだぜ」
ルルはこの家の敷地からは出られないので、買い物等はいつもシャナに頼んでいる。それに自分はこんな体だからおいそれと人前に出ることも出来ない。
「新鮮な野菜くらい自分で育てないとな」
「何してるの?」
「ふえっ?!フィズ様!?」
「よう!」
そこにはシャナと部屋に籠もっている筈のフィズ様が居た。
「あれ?どうして?シャナと部屋に居るはずじゃ」
「ああ、部屋に行く前に分身体を作ったんだ。ルルが寂しがるかもってシャナがな♪」
「あ、エヘヘ♪今、野菜を植える畑を作ろうとしてたんだぜ。美味しいご飯が食べたいだろ?」
「へぇ~、そんな事もするのか。ルルは働き者だな。よし、僕も手伝うよ」
フィズ様はそう言うと、シャツの袖をまくり上げ鍬を持って一緒に畑を耕してくれた。オレも魔法で軽くなった鎌で草を刈り取り、畑を広げた。
「なかなか重労働だな…」
「ウ~ン、フィズ様なら魔法でもいけるんじゃないか?」
「あ、成程…そう言う事なら『クエイク』!」
モコモコモコっと硬い地面が盛り上がり、土を柔らかくするとあっという間に畑に適した土壌が出来た。
「おお~!もう大丈夫だぜ。あとは畝を作って、ハイ完成!じゃあこの種を蒔いてくれるか?」
「色んな種があるんだな」
「そうだよ。これで美味しい野菜が食べられるよ。ただ…」
「…?ただ?」
「実るまでは時間がかかるんだ。こればっかりは自然に任せるか、魔法を使わないと…」
「そんな魔法が有るのか?使えるんだろ?」
「ウ~ン、昨日貰った魔力は、今ので使い切っちゃったからな…」
ちょっと期待して上目遣いでフィズ様を見上げると、
「なら休憩がてら、魔力を補充してやるよ。ほらおいで♡」
オレの目論見通り、フィズ様からお恵みを頂けることになった♡呼ばれるままに彼に抱きつこうとして、
「あ、でも今、汚れてるから///ひゃッ?!」
「土で汚れてるぐらい気にするな。ほら『クリーン』!これで大丈夫だぞ」
彼の寸でで止まった筈が、優しく抱きしめられ彼の胸元に引き寄せられた。フィズ様が唱えた浄化で、全身を清められると、大きな体で小さなオレを可愛がってくれるが、
「やっぱりこうも大きさが違うと手加減が大変だな…そうだッ!」
『分身体』!
スキルを唱えて、フィズ様が二人に増えた。ビックリするオレを尻目に、分身を分身させ続けると、周囲には大きな彼が何人も何人も作り出される。
「え?!まさかこの人数を相手にさせるつもり!?!?」
「ん?ああ、違うから安心しろよ。ちょっと待っててな…そろそろ…ん、成功したみたいだぞ」
「え?」
分身した分身体が分身を繰り返していると、作られる分身の体の大きさが半分になって来た。半分の半分、そのまた半分と徐々に小さく小さくなった体は、丁度俺と同じ位の背丈になった。
「これなら大丈夫だろ」
フィズ様は、小さい一人を残し、他を回収すると、
「分身体はステータスが半分になるんだ。割り切れなくなったらどうなるか検証してみたんだよ。案の定、体が小さくなったって訳だ」
「ええッ…そんな、何でもありなのかよ…」
「はははッ!愛の為さ、何でもありだろ♪」
「はあ…」
だけど、フィズ様の言う通り、この小さい彼なら…大きな彼と小さな彼を見比べて見る。大きなフィズ様に抱きかかえられながら、小さな彼と肌を重ねる。丁度いい大きさのフィズ様はいつもより興奮しているようで、
「ルルがますます可愛く見えるよ♡」
「お、おう。オレも凄く気分がいいぜ」
綺麗な青空の下、暖かい日差しを浴びながら、3人で作り出した魔力を注ぎ込まれる。いつもより彼の魔力を多く吸収した感じがする。満たされる感覚が全身を巡ると、頭の中に『レベルアップ』の文字が浮かび上がった。
「え?!レベルアップ!?」
「お!ルルもレベルアップしたのか。おめでとう♪」
「ええ?どうして?」
「うーん、僕の魔力の所為だろうな。サキュやスーもそんな感じだったぞ。今じゃライオ君の精液だけでもレベルアップ出来るようになってるしな、どれステータスは…」
~ルル レベルアップ~
種族:家妖精Lv1(低級)
名前:ルル
年齢:不明
状態:健康、支配、家憑き
装備:緑のワンピース
スキル:重力操作、家の守り、監視、菜園、家事
重力操作:重い物を軽くする。逆も可能。
家の守り:外敵から憑いた家を守る。敷地内であれば自由に改変可能。トラップ、鍵など防犯に役立つ。
監視:敷地内を見通す。壁なんてあって無いようなもの。
菜園:庭で作る作物に豊穣を齎す。
家事:食事から掃除まで何でもお任せ
「へえ、やっぱり戦闘向きって訳じゃないな。でもルルに家を守って貰えば安全そうだな」
「へへ、まあな♪そうだ、たっぷり魔力も補充出来たし、早速…『菜園』!」
ぽあぽあと緑の光が畑に落ちると、種を蒔いた所に緑が生える。芽吹いた葉が大きくなり茎がぐんぐんと空に向かって伸びる。葉の数を増やし、花が咲くと美味しそうに実った野菜たちが色鮮やかな表情を見せた。
「おお~、凄いなルル!」
「ははは…予想以上の実りだよ…さすがフィズ様の魔力…」
ルル自身も想像を超えた結果に驚きつつ、僕と一緒になって野菜たちを収穫した。丁度良く帰って来たセシリア達の手見上げと共に、その日の食事はとても美味しかった。




