第六十一話 少年たちの末路
どれ位経っただろうか、使い魔の示す坑道を進み続けた。幸い、サキュの魔力ポーションがあるお陰でみんなの魔力回復は問題ない。ライカちゃんの盾と回復のお陰で大した怪我も無く、僕たちは魔物を倒しながら足元の悪い道を進んていた。
「あれ?変だな?」
「どうしたサキュ?」
「いや使い魔が止まっちゃった。匂いがここで途切れた見たいです…でも反応はありませんけど…」
魔物の気配も無ければ、少年たちの気配も無い。何か手がかりが無いか辺りを手分けして探してみたが、
「うーん、何も無いか…」
「そうね。闇雲に進むのも危険よね」
「おーい、ライカちゃん!危ないらかそろそろこっちに来いよ」
ちょっと遠くで、まだ手がかりを探し続けていたライカちゃんに、そう言ってこっちに来るように伝えたが、
「ハイ…あ、あれは…」
暗がりでライカが見つけたのは、元のパーティメンバーが付けていた剣が地面に突き刺さっていた。ライカはその剣に近づこうとすると、ゴゴゴゴゴ……
「ライカ!」
「え?!きゃあッ!?!?!?」
剣に近づいたライカを巻き込みながらr天井が崩落し、地面を突き破って大穴を開けて落下していった。
「ライカ!?」
「そんな!?」
穴の中を覗く僕達だったが、深く暗い穴倉が地面に開き底が見えない。どれくらいの深さかも分からず
ライカの名前を呼ぶしか無かった。
・・・
・・
・
「…」
「…」
「…う…」
生きてる…体は痛いけど、咄嗟に掛けた『プラスアーマー』と『リジェネ』のお陰で、怪我は最小限で済んだみたいだ…
「痛て…ここは何処だろう…随分深くに落ちたみたいだけど…」
痛む体をゆっくり起こした俺は、落ちていた盾を構えると周囲を警戒した。上に戻るのは無理だろう。暗い穴が天井に開いているが、フィズさん達の声も姿も見えない。
「瓦礫で塞がれちゃったのか、こっちに行くしかないか…」
辺りを見ても行ける通路は目の前の一つだけ…
「行くか…」
俺は『ヒール』を掛けて体力を万全にすると、傍らに落ちていた魔力ポーションをグイッと飲み干し、前へ進んだ。広い空間へと繋がっていた坑道を抜けると、目の前には人の気配があった。
気を失って居るのだろうか、倒れたまま微動だにしない人影に近づくと、やはり元のパーティメンバーの、一人だ。
「おい!戦士!大丈夫か?」
戦士でリーダーを務めていた彼、俺をパーティから首にしたその子を揺さぶり起こす。しかし、一向に目を覚まさない彼を回復させようとした時、カッと彼の目が開き俺を襲ってきた!
「キャッ!止めて!助けに来たんだよ!戦士っ!」
うーッ…
「戦士?!キャぁッ!?」
後ろから別の手が伸び、驚いて後ろを振り向くと、そこには虚ろな目で体を弄る別のメンバー達が居た。魔法使いに、モンクの彼、そして、俺と交代で加入していたヒーラーの彼も居た。
「お前ら、どうしたんだよ?!」
自分がライカちゃんになっている事なんて忘れて、いつもの言葉で叫ぶが、彼らの耳にはそもそも言葉なんて通じない様で、目の前の魔力の塊に貪り付いてくる様だ。
「くっ…やめ、ろ!止めろッて!」
う~っ…がぁ~…
ライカの静止も聞かず、彼女の装備を剥ぎ取ろうとする彼らを、か細い腕でポカポカと殴りつける。レベルアップしたとは言え、戦闘職では無いライカの攻撃を苦もせず、メンバー達は彼女を裸にしていく。
虚ろな目で、優しさの無い手がライカを襲い、暴れないように四肢を絡め取られてしまった。
「離せっ!おいっ!しっかりしろ!」
ライカの言葉を無視して、裸になる戦士。その体は以前見た事のある幼年の少年のソレとは大きく異なり、グロいイチモツが天を向いていた。
「ヒぇッ…何それ?!」
体を見てみれば、首から下に掛けて茸の様な突起が所々に生え、幼かったイチモツは大人並みに大きく成長し、ゴツゴツとした突起が纏わりついている。
うぅーッ…
あぁ~
「ダメッ、止めてッ!止めっ!!くっ…」
抵抗虚しく開かれたライカの中にそれが無理やり挿入される。粘液を纏ったそれは難なく中に滑り込んで来た。
「やめッ、てッ…うぅッ…嫌ッ…ッ…」
次第にライカの体が麻痺したように力が入らなくなると、抵抗していた下半身には、快楽の感覚しか残ってい無かった。痛みも無く、不快感も無い。ただただ気持ち良さだけが強調され、自然と声が漏れ出てしまう。
繰り返される愛の無い行為に意識を失いそうになるライカだが、彼らが自分の中に何かをはき出そうとするのを感じ取った。
うぅ…ダメ…絶対、絶対出させちゃダメなやつだ…
彼らの様子から普通の精液では無いと本能的に悟ったがライカだたが、頭では分かっているが一切自由にならない体ではどうする事も出来ず、自分の彼らと同じ様になってしまうかも知れない恐怖に怯えた。
くそっ…誰か…フィズさん…セシリアさん…、俺、もうダメかも…サキュちゃん、スーちゃん、ごめん…愛してるよ…
うぅ…ッ、あぁ…ッ、うぅ…ッ
周囲から聞こえる声に、最後は自分らしくいたいと覚悟を決めていると、
「うおおおーーーッ、させませんよッ!『エナジードレイン』!!」
「ん!!離れろ!!」
サキュのスキルとスーの鉄拳が降りかかり、発射態勢に入っていた2人からはエナジーを搾り取り、残った2人を拳で吹き飛ばした。
「ライオ君、大丈夫!?」
「ん、間一髪間にあった!」
「ははは…た、助かった…でも良くここがわかったね…」
「ああそれはね、ほらこの子のお陰だよ♪」
「ん?、あ!」
横たわるライカの上には小さな黒いコウモリが飛んでいた。実はライカが落ちた時に、サキュは使い魔の一匹を大穴の中に飛ばしたのだ。余りにも深く、使い道を探して降りてきたそうだが、
「大丈夫か?サキュ、スー!」
「ライカは無事なの?」
「大丈夫ですよ。フィズさんもセシリアさんも無事で良かったです。そっちはもう片付いたんですか?!」
「ああ、なんたってセシリアが居るからな。それに僕の魔法もあればあんな化物もあっという間だったさ」
「ん、どっちが化物なのかな?」
「あはは…でも助かりました」
「ああ、頑張ったなライカ」
・・・
・・
・
ライカが大穴に落ちてすぐ、サキュが使い魔を飛ばし場所を把握すると、フィズ達は急ぎ、その場所を目指し坑道を下って行った。出くわす魔物多くは、僕の『アクア』『サンダー』『セイント』の複合魔法『ウォータージャベリン』で通路に沿って消し炭にした。運よく生き残った魔物は近接組が止めを刺してくれるので、こういう限定的な空間の戦闘は楽だった。
「そこを右、次を真っ直ぐ、ええーっと…」
「サキュ、焦るな!急げ!」
「ん、珍しくフィズが焦ってる…」
「フィズ、大丈夫よ。ライカなら食いしばりもあるし、きっとあの子の事だからちょっとやそっとの事は大丈夫よ」
「う…ごめん、そうだな。ライカを信じて急ごう!」
「はあ…まあそうね。サキュ、頑張りなさい!」
「やってますよ!次を左、右、左、下、右です!」
「ん、体が動いちゃいそうなリズム」
サキュと使い魔のお陰で、最短距離で地下深くまで降りて来ると、広い空間に出た。サキュの『サーチ』に反応があったので、何かが居るのは知っていたが、
「ふう…何だってあんなデカ物がこんな地下に居るのよ…」
「なんだあれは…あの背中のは植物か?」
「あれはキノコよ…そしてあの化け物の本体とも言えるわ。あいつの名前はパラサイトタイタン。下の魔物は元はもっと小さいはず…そうね、あの姿はゴーレムかしらね」
巨大なキノコの様な植物に寄生されたゴーレムは、僕達を認識したのか、ゴゴゴゴッ…と巨体を動かし、僕らに襲い掛かって来た。




