第五十六話 悪魔退治
行方不明の女冒険者を見つけたフィズ達だったが、スライムに体を支配され、命の危機に晒されていた。膨れ上がる腹部が今にも破裂しそうな状況に、フィズは一肌脱いだ。
女冒険者に魔力を直接流し込む。腹からスライムに向けて大量の魔力を注ぎ始めると、
されるがままだったが、腹の中では、
「何してやがる?女を離せ!」
「幾らお前がしぶとくても、ただ体を容れ物にするだけじゃ。意味が無いことを分からせてやるよ」
「くッ!?これはなんだ。魔力?!こんな濃度の魔力が?ぐあああああ…」
体内に流れ込んで来た魔力に、逃げ場を失ったスライムはついには核ごと消滅したのだった。
「意外と呆気なかったわね。ライオもお疲れ様」
「いや、彼女の体力が持ってくれて良かったです」
「ん、あいつの敗因は中から人間を操れない事だった。ちょっとは抵抗してたけど、押さえつけちゃえば問題無い」
口から飛び出したスライムで攻撃をしてきたが、あまりにも非力で、セシリアやサキュに簡単に対処されていた。スーの言う通り、この子を中から操られ、反撃でもされていたらこうも簡単にはいかなかっただろう。
「まあ、頭が悪そうで良かったよ。しかし、この分だと体内の魔核は取り出せないよな…」
「そうですね…魔力の反応はありませんし、全て消滅しちゃったのかも…」
「まあ、ギルドには上手く説明するわよ。もう少し休憩したら戻りましょうか」
「ああ、宜しく頼むよ」
こうして僕らは呆気ない最後を迎えたスライム退治を終えると、囚われていた女性冒険者が回復するのを待った。




