第五話 成長の為に
自分の運命を魔王に変えられた事を知ったセシリアは、打倒魔王を誓った。幸いフィズのお陰でレベルアップする方法を得た彼女は、最強の勇者への険しい道のりを選んだ。
昨日の夜から朝まで、硬いベッドの中で何度も愛を確かめ合った。拘束具の所為で性向には役立たない息子であるが、それでもお互いに愛し合うすべは幾らでもあった。
経験豊富?なセシリアにリードされながら、体を貪り合うといつの間にか二人して眠ってしまったようだった。
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翌朝、目を覚ました僕は汗や汁でベトつく体に不快感を感じた。安宿の一室には、水道も無ければトイレも無い。女将さんに聞いた所、料金が高いが設備の整った部屋も有るのだとか、
「流石にこの部屋を借り続けるのはな…」
「う~ん。おはよ、もう朝なの?」
寝ぼけ眼を擦りながらムクリと起き上がったセシリアは、シーツに包まりまだ眠そうだ。
「いつ寝たか分からないもんね。でももう起きないと。レベルも上がってるみたいだし、またクエストを進めてお金を稼ごうよ」
「うう~、そうだよね。もうお金無いし…」
「そうだよ。それにさ、お金があればもっと良い装備を買えるし、お部屋も借りられるよ?」
「はっ!?私お風呂付のお部屋を借りたい!」
「あははは、僕も同じこと考えてたよ。水組んでくるから着替えようね」
僕の提案に目を覚ましたセシリアは、のそのそとベッドから起きると新しい服を準備し始めた。僕は急いで井戸に水を汲みに行こうとしたが、突如現れたステータス画面に驚いて立ち止まった。
「うわぁ!急にどうしたんだ…?」
~フィズ ステータス更新~
導くモノの使用回数突破により
職業:魔法使いが追加された
以下のスキルを獲得
基礎魔法:フレイムLv1、アクアLv1、サンダーLv1
「おお!これって魔法か?セシリア、僕魔法使いになったみたいだ!」
「何ですって!?凄いじゃない♪流石私の旦那様ね」
「何々♪炎の魔法に水の魔法、それに雷か…水…ちょっとセシリア、そこに立ってみて!」
「ん?こう?」
「うん!そのままね『アクア』!」
「え!?ちょ、ちょっと駄目よ!?」
彼女の静止も聞かず、興奮した僕は、構えた右手から水の魔力を放出すると、立ち上がったセシリアの頭の上から大量の水がビシャ~と流れ落ちた。頭から水浸しになったセシリアは、
「あ、あれ?」
「ん~~~、この馬鹿!?こんな水浸しにしちゃって!さっさと女将さんから雑巾貰って来なさい!!」
僕は急いで雑巾を取って来ると、水浸しの床を綺麗に拭き上げた。
「くそ~、水を汲みに行かなくても良いかと思ったのに…」
「場所を考えなさいよ!どうみたってここはダメでしょ?!さあ、早く行きましょ」
タオルで体を拭き終え着替えを済ませたセシリアは、僕を急かすとギルドへと向かった。ギルドで適当なクエストを受注すると、オークを倒した森の奥へと進んで行った。
「この先にお目当ての魔物が居るのか?」
先を歩くセシリアの背中を追いかけながら慣れない森の中を歩いていく。さすが長年冒険者として生き抜いてきたセシリアは、森の中をスイスイと歩いていく。
「ええ。ゴブリンの集落がこの先にあるらしいわ。あいつら倒しても倒しても湧き出て来るのよ。ほんと嫌になるわ」
「前も戦ったことがあるのか?」
「ええ…まだ冒険者になりたての頃ね…なんとか数体倒しても、私一人じゃ全然ダメだったの…」
遠い目をしながら過去の事を話す彼女はどこか寂しそうであった。
「でも、レベルアップした今なら?」
「負ける気はしないわ!それにフィズも居てくれるしね?」
「ああ、早く終わらせて良い部屋を借りようか」
「じゃあ、夜は期待しちゃおうかな♡」
そんな事を話しながら僕らは目的地の集落を発見した。遠目から見てもゴブリンがうじゃうじゃと居るのが分かる。なんであんなに増えるまで放置していたのか疑問なほどだ。
「ね?多いでしょ?あれが一夜にして生まれ出たのよ。驚いちゃうわよね?」
「あの数が?!さっと見ても30体は居るんだぞ?」
「ええ、だらか厄介なのよ。放っておいたら倍、さらに倍に増えて行くわ」
「そんなに!?…褒賞金も高いはずだ」
「さあ、行くわよ準備はいい?」
「あ、ああ!」
僕はセシリアに続いて戦場へと駆けだすのだった。そして・・・、
「いや~、フィズの魔法が効果てきめんだったわね。アクアで濡れたゴブリンがサンダーで痺れちゃうなんて。頭を撥ねるのが楽しくなっちゃったわ」
「ははは、お役に立てて良かったよ。僕は心臓が今もドキドキしているよ…」
魔法を扱えるようになったフィズの功績もあり、集落の大半のゴブリンは瞬時に無力化出来た。レベルが上がったセシリアに掛かれば赤子の手を捻るような仕事だっただろう。それでも残ったゴブリンが反撃してきたが、元々のセシリアの剣技にかかれば、ゴブリン程度はあっという間に鎮圧出来た。
「僕は遠くから魔法を放ってただけだからさ。でも君に当たるんじゃないかって冷や冷やしていたよ」
「ふふふ、Lv3になった私が覚えたての魔法に当たるもんですか!」
そう言って自慢げにステータスを見せつけて来る。今朝までセックスを続けた結果は、
~セシリア レベルアップ後~
性別:女性 (年齢:113歳)
職業:勇者 (称号:最弱)
Lv2 → Lv3
体力 20 → 25
魔力 7/7 → 5/10
力 21 → 23
硬さ 11 → 13
素早さ 13 → 14
器用さ 8 → 9
スキル
『ソニックブレイド』魔力1
『アンガーストライク』魔力3 New!
勇者スキル
マジックバック New!
「見てよ。スキルも増えたわ。消費魔力も分かるようになったの。凄いでしょ?」
「ああ、順調に成長しているね。しかし、魔力3か…今のセシリアには随分重めのスキルだね」
「そうね。名前からして一撃必殺って感じかしら?使い所を考えなくちゃね」
ゴブリンの死体を新しく得たスキル、マジックボックスに収納する。手に持った死体がしゅるんとどこかに消えて行く。ステータスを改めて見ると、中にちゃんと収納されている様だ。
「便利ね!これなら一杯運べるわね♪」
「こいつ等確か金貨1枚で買取だろ?という事は…」
「ハイお終い!えーっと全部で57体ね。金貨57枚になるわ!」
「おお!これなら良い部屋を借りてもお釣りが来そうだね、あとで買い物にも行こうか?」
「賛成よ!さあ、最後に集落を燃やしちゃいましょ。フィズお願いします」
「うん。行くよ!『フレイム』!」
熱く燃え上がる火の玉が炸裂すると、ゴブリンの集落は火に包まれた。粗方焼けるのを待つとアクアで消火して町へと帰って行った。
ギルドに報告し報酬と討伐した分の金貨を合わせ77枚の金貨を受け取ると、僕らは早速宿屋に帰り女将さんに部屋をグレードアップして貰った。
「うわ~広い部屋ね。昨日の部屋が嘘みたいに綺麗だわ」
「お風呂も水道もあるね。これならいつでも体を綺麗に出来るね」
「ええ、それにベッドもふかふかよ!あのベッド硬くて寝心地が最悪だったけど、これなら大丈夫ね…」
そう言ってセシリアは布団に潜り込むと、大の字に寝転がりベッドの感触を楽しんでいた。




