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魔力ゼロの勇者 〜最弱勇者の最強育成に必要なのは僕との繋がり〜  作者: アオネコ


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第三話 二人の繋がり

 最弱の勇者であったセシリアに魔力を譲渡した結果、彼女のは長年の悩みであったレベルアップをついに果たした。


「凄い!凄いよ!フィズとの繋がりが出来たんだ!嘘みたい!」


 身支度を整えながらも自分のステータスを何度も確認しているセシリアは、とても嬉しそうだ。それは僕も同じだ。


「ああ、僕も驚いてるよ。まさか早々に最弱の勇者に出会えるなんて。しかもこんなに可愛い女の子だったなんてさ。あの時強引にでも止められて良かった」

「うっ…何だろう、分かっているけど改めて最弱って言われると悲しくなるわね」

「あははは、ゴメンゴメン。でも今日からは最強を目指せるんだ、これから頑張ろうな勇者様?」

「最強か…本当に私になれるのかな。心配になってきた」

「大丈夫。その為に僕が居るんだから。セシリア、最強になって魔王を一緒に倒してくれるかい?」


 魔王を倒す。僕の言葉に戸惑いながらも、セシリアは僕の出した手を取ると固く握り、


「分かったわ。サポート宜しくねフィズ」

「ああ!」


 2人は寝転がりながら体を休めていた。既に夜も更け寝てもいい時間であるが、セシリアはニマニマと何度も何度もレベルアップした自分のステータスを眺めている。僕も自分のステータスを確認すると、


~フィズ ステータス~


性別:男性 (年齢:0歳※見た目は既に15歳程度)    

職業:導くモノ (称号:女たらし、女神の眷属)


    Lv0

体力  25

魔力  無制限

力   10

硬さ  12

素早さ 6

器用さ 15


 ゼロ歳だったか!まあ、さっき生まれたばかりだし当然か。ステータスは、並み…魔力だけ上限が無いのは称号と関係があるのだろうか。


 ハッキリとした記憶は無いが、前世の僕の影響が、色濃く反映されている気がする。それとも女神様の眷属の所為か…気になるが今は分からないや、そう言えば、


「ところで、セシリアって何歳なの?随分幼く見えるけど…ステータスには反映されて無いね」

「な!?フィズはデリカシーって知ってる?女性に年齢を聞くなんて失礼だよ?」

「え?そうかな?普通じゃ無い?仲間なんだしさ、僕はセシリアが何歳でも好きな事は変わらないよ?」


 不意を突かれた様にこちらを振り向くと、彼女は顔を赤くして布団に顔を隠した。


「ちょっと!恥ずかしいじゃない!急にそんな事言わないでよ!」

「いや、事実だよ。僕はセシリアが好きだ。使命の為だけじゃないよ。初めて君を見た時に感じたんだ。自分の気持ちには嘘はつけない」

「う、あ、その、ありがとう…私もフィズが好きよ…まだ会って間もないはずなのに、貴方の事が頭から離れないわ…」


 彼女は長い耳まで真っ赤にすると、蚊の鳴くような声で答えては再び布団に消えていった。暫くして出てきたセシリアは、


「驚かないでね、113歳よ。」

「教えてくれてありがとう。113歳か、随分長い間、大変だったんだね」

「驚かないの?!もう人間の感覚ではお婆ちゃんなんだよ?」

「ん?関係ないよ。何歳でも僕はセシリアの事、大好きだよ。それに僕だってこんな見た目だけど、生まれたてのゼロ歳児だからね?」

「そうね。好きな事に年齢は関係ないわね」


 そう言って細い腕を僕の首に回すと顔を近づけ目を閉じた。僕はそれに応えるように彼女を抱き締めると、唇を合わせて愛を確かめ合った。高まる気持ちに息子が硬くなるが、拘束具がそれを瞬時に抑圧する。性欲を変換した事で生まれた魔力を、口づけを介して彼女へと流し込んだ。


「えへへ、魔力ご馳走様。またレベルアップしたかも!」

「どうかな?見せてよ」


 自分のステータスを表示させたセシリアはそれを僕に見せてくれた。そこには、


~セシリア~

性別:女性 (年齢:113歳)    

職業:勇者 (称号:最弱)


    Lv1

体力  15

魔力  1 → 2

力   17

硬さ  9

素早さ 11

器用さ 7


「魔力が2に増えたね。レベルはそのままか」

「うーん、残念。もっと濃ゆい魔力が必要なのかな…?」

「そうかもね、さあ、もう寝ようか」

「そうね。明日は早速魔物でも倒してみたいわ」


 僕とセシリアは狭いベッドの中で抱き着くようにして眠った。甘い香りに包まれて、僕は生まれて初めての夜を過ごした。そして翌日の朝、


「フィズ!朝よ起きて」

「うーん、もう朝?まだ寝てたい…」ムニャムニャ…

「駄目よ、今日は魔物を討伐したいって話したでしょ?さあ服を着て朝ごはんにしましょう?もうお腹ペコペコ」

「朝から元気だね」

「そう?ご飯はしっかり食べないと長生き出来ないわよ?」


 長寿のエルフ様の健康の秘訣は美味しいご飯だったようだ。僕らは宿の食堂へと足を運ぶと、


「あ、おじさん!」

「げっ?!」

「昨日はどうもお世話になりました。女将さんに昨日の事バラされたくなかったら美味しい朝ごはん2人前宜しくね」

「ちょ、何を言ってやがる。それもこれもお前が金を…」


 狼狽える宿屋の旦那の背後から、厨房から女将さんらしき女性が顔を出すと、


「ん?何だいアンタ、このお嬢さんと何かあったのかい?」

「んんん?!いや、その。クエストを、依頼したんだ。近頃魔物が森に出てただろ?討伐して欲しいってお願いしたのさ、な、なあ?」

「んふふふ、そうなんですよ女将さん。旦那さんか弱い女の子が襲われない様にって、私にお願いしてきましてね。今日は二人で討伐しに行こうって」

「何だい、有難いね。ほら、朝ごはん2つだよ。たんと食べて元気だしておくれ」

「ありがとう女将さん!じゃあねおじさん」

「…ちっ、アバズレが…」


 憎たらしい顔をして僕らを見送った宿屋の旦那は、その後も女将さんに扱き使われてアセアセと忙しそうであった。


「あははは、いい気味!んー女将さんおご飯も美味しー!」

「あんまり大人を揶揄うなよ?」

「んんー?大人って言うのは私の事だよね。あんなおじさん、私にとってはまだまた子供だよ」

「はあ、そうでしたね」


 上機嫌でご飯を食べ終えると、力試しにとおじさんが言っていた近くの森へと移動した。鬱蒼と茂る暗い森を進むと、魔物の気配が強くなった。


「ん?ゴブリンだ」

「私に任せて。レベルアップの成果を見せてあげるわ!」


 父親の形見だという大きな大剣を構えると、ゴブリン目掛け一気に駆け出したセシリア。素早く1体目に接敵すると、剣を振り抜き首を飛ばす。それに気付いた残り二体が、セシリア目掛け飛び掛かって来るが、


「魔力があれば!」『ソニックブレイド!』


 スキルを使用して素早く二体を屠ると、


「やったわ!スキルが発動した!」

「おお~!凄い綺麗な太刀筋。スキル補正が掛かったのか…ん?もう一体?」


 ブヒ――ッ!!


「オークだわ!?こんな森に珍しい魔物ね。ついでだからこいつも倒しちゃうわね!」


 セシリアは遅れて現れたオークに向かって剣を突き立てた。しかし、腹部に刺さった大剣が分厚い皮下脂肪に阻まれてしまい、剣を握ったまま身動きが取れなくなった。


 ブモオオ―!!


「キャアッ!?」

「セシリア!?」

「くっ…!だ、大丈夫よ。これくらい…次で決めてやるわ」『ソニックブレイド』!!


 防御力の高そうな腹を避け、機動力を生かしたソニックブレイドで背後を取ると、袈裟切りに背中を切り裂いた。


 ブ…モォ…


 うつ伏せにドサっと倒れたオークを踏みつけながら勝鬨を上げたセシリアは、


「くうぅぅっ~!!初めてオークを倒したわ。大昔に挑んで以来よ!フィズ、私強くなってるわ!」

「ああ、おめでとう。でもやっぱり魔物を倒しただけじゃレベルアップはしないみたいだね」


 この世界では、魔物から得られる魔素を吸収してレベルが上がるが、どうやらセシリアはその理から外れている様だ。


「うう…やっぱりそうなのね…今まで必死にレベル上げをしていたのに、全部無駄だったのね」

「うーん、戦闘経験は積めたんじゃない?動き方とか剣捌きは凄く良かったと思うよ?」

「うふふ。フィズがそう言うなら、良しとしましょう。じゃあ、こいつらをギルドに運んで、報酬を貰ってかえりましょうか?」

「ああ」


 こうして、レベルアップを実感したセシリアはウキウキとした様子で魔物の亡骸をギルドへと運んで行った。

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